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「『更年期がなかった』という先輩がいるけれど本当?」あるある勘違いとは

更年期に関する情報が増えても、いまだに間違った説や勘違いは多いもの。「私には更年期がなかった」という先輩、あなたの周囲にもいませんか? 婦人科医の吉形玲美先生に聞きました。

Q. 「更年期がなかった」という先輩がいるのですが、本当?

A. 更年期はすべての人にきます。「更年期」と「更年期障害」は別物。閉経を挟んだ前後5年の時期が「更年期」です

 

「更年期は女性なら人生の中で誰でも通る一定の期間を指す用語です。思春期などと同じ名称なので『私には更年期がなかった』などということはないのです。一方、更年期障害はこの時期に起こるさまざまな障害という意味で、すべての人に起こるわけではありません。社会生活に支障がないレベルであれば障害とは言わず『更年期の不調』『更年期の症状』などと呼びましょう」。

 

更年期は医療でもその定義が決められていて、「閉経を挟んだ前後5年、合計10年間のこと」を指します。

 

「自分がいつ更年期に差しかかったのか、いつからいつが更年期だったのかは、正しくは閉経したあとになってわかるもの。また『45〜55歳頃が更年期』とよくいわれるのは、日本人の閉経年齢の平均が50歳前後のため、それに合わせた平均的な10年からきています」

 

Q. どうして女性だけ更年期があるの?

A. 男性にもありますが、くる時期や長さ、症状が違います

 

「男性には閉経のようなものがなく生殖能力はずっとあるため、更年期がいつと特定することはできません。男性ホルモン『テストステロン』の数値が下がり、更年期症状が出る人は多いのですが、時期はとても個人差があります。女性のようにホルモンがドラマチックに変動するわけではないので、顕著な症状が出にくいのも男性更年期があまり知られていない理由でしょう」

 

◆個人差のある男性の更年期

個人差のある男性の更年期

テストステロンの分泌が急激に低下する時期は、個人差が大きいもの。30代で低下が起こる人もいれば、70代になって急降下する人も

 

Q. そもそも閉経って何?

A. 持って生まれた卵子が卵巣からすっかりなくなると排卵が止まる。それが閉経です

 

「女性が持っている卵子の数(正確には卵子のもとになる原始卵胞の数)は、生まれつき決まっています。胎児のときがいちばん多く100万〜200万個。排卵の有無にかかわらず数はどんどん減っていき、40歳頃には約5万個に。その後は加速度的に減少し、卵巣の中に卵胞(卵子を内包する組織)がなくなり、排卵が終わることによって、月経が起こらなくなります。これが閉経の仕組みです」

 

Q. 30代でも自然に閉経することはある?

A. あります。40歳未満で閉経することを「早発閉経」と呼びます

 

「40歳未満で卵巣機能が低下し、無月経になることを『早発卵巣不全』といいます。通称『早発閉経』といい、ほとんどの人は原因不明。早くに骨粗しょう症や筋力低下、動脈硬化、脂質異常症などのリスクが確実に上がるため、日本産科婦人科学会、日本女性医学学会ではHRT(ホルモン補充療法)を積極的にすすめています」

 

更年期には「正しい知識」が一番の味方になってくれます。その後の人生を楽しく健康にしてくれるのも知識です。(吉形玲美先生)

 

 

撮影/中川十内<アイキャッチ> スタイリスト/高橋尚美 グラフ/小柳東子 構成・原文/蓮見則子

 

 

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