Q. どんな症状が出たら「更年期に入った」とわかる?
A. おもに月経の乱れ始めが目安です。次に体の不調、閉経、後にはメンタルや腟まわり、泌尿器系のトラブルも加わります
「一般的な傾向として最初に月経が乱れ始め、次に体の不調、メンタルの不調、更年期の真ん中で閉経が起き、最後にフェムゾーンや泌尿器系の不調が起きてきます(体より先にメンタルの不調が現れる人も)。ただ、実際にはいつからいつまでが更年期だったのかは、閉経して初めてわかるもの。症状から判断できるものでもありません」
一般的な更年期の時期と症状
1更年期の入り口
月経がバラバラになるなど、出血トラブル。体の不調
2更年期の中頃
閉経。体の不調。メンタルの不調
3更年期の出口
体・メンタルに加えてフェムゾーン・泌尿器系トラブル
Q. 肌も目も鼻も、実は腟まで乾燥しています。この症状も更年期?
A. 乾燥はよくある症状です。腟の乾燥感があれば決定的
「更年期には女性ホルモン『エストロゲン』がそれまでになく急に減ってしまうものです。エストロゲンは妊娠に備えるだけでなく、女性の健康と美容に対してさまざまな役割を担っていました。
①女性らしい体つきをつくる ②皮膚や粘膜に潤いを与える ③骨や血管の健康を守る ④脳の機能を保つ…そのほかにもあります。そんななくてはならない守り神がいなくなるので影響は顕著。肌や粘膜の乾燥はとてもわかりやすいエストロゲン減少の証拠です。腟の乾燥感や性交痛などは多数の人が感じています」。
読者アンケートでも、更年期に感じる不調は多岐にわたっていました。体の不調、心の不調、どちらにもかかわる不調などさまざまですが、肌や髪の乾燥や痩せにくいなど美容的なものも多数含まれています。
更年期に感じる代表的な不調
●体の不調
多汗、ホットフラッシュ(ほてり・のぼせ)、冷え、頭痛、めまい、耳鳴り、肩こり、動悸、関節の痛み、手指のこわばり・変形、肌や髪の乾燥、腟の乾燥・性交痛、むくみ、痩せにくさ、下痢・便秘、フェムゾーンのトラブル、排尿トラブルなど
●体と心、両方にかかわる不調
睡眠障害、もの忘れなど
●心の不調
イライラ、不安感、落ち込み、疲労感・倦怠感、やる気が出ないなど
Q. 今、更年期なのかどうか自分で知る方法はありますか?
A. おすすめは郵送でできる更年期検査キット。女性ホルモンと排卵機能から判断します
「本来は、更年期の指標となるFSH(卵胞刺激ホルモン)と女性ホルモン値を婦人科で調べてもらうのが一番。でも、相談できる婦人科がないなどの場合は、郵送で検査できるキットを利用するのも手です。指先から採血できるキットなので、自宅にいながら結果がわかります。
自宅にいながら郵送でホルモン値などを検査できるcanvasキット。更年期キットでは排卵機能をみる女性ホルモン値と、甲状腺機能をみる甲状腺関連ホルモン値を測定。不調の原因が女性ホルモンにあるのかどうか、更年期と似た症状を起こす甲状腺の不調がないかを調べてくれるセットです。
【検査するのは…】
●FSH(卵胞刺激ホルモン)
●E2(エストロゲン)
●TSH(甲状腺刺激ホルモン)
canvas Menopause Check(更年期)¥19,800/Vitalogue Health
ただ、更年期にはホルモンが揺らいでいるので、数値が乱高下しやすく、たまたま採血した日の状態が数値に表れてしまいます。婦人科でも検査キットでも、1回の検査だけで判断できるものではない前提で受けましょう」。閉経の時期を予測したい場合には、卵巣予備能(※)検査を合わせて行うことも。
※卵巣予備能:卵巣に残っている卵子数の目安
撮影/中川十内<アイキャッチ> スタイリスト/高橋尚美 構成・原文/蓮見則子