Q. 更年期の不調はほとんどないのに、ドライアイや口の乾きがひどくなってきた気が…?
A. シェーグレン症候群などの膠原病の可能性も! かかりつけの婦人科がなければ内科、眼科、耳鼻咽喉科などを受診しましょう
「更年期には全身のあらゆる場所が乾燥するので『ドライシンドローム』などと呼ばれたりします。ほかに症状がなくても肌や粘膜の乾燥が進むこともあります。婦人科であれば、更年期の症状なのか、あるいはほかに原因があるのか診断してくれるはず。
目と口腔内の乾燥症状であれば、リウマチなどと同じ膠原病、なかでも自己免疫疾患のシェーグレン症候群を疑います。指定難病にもなっている病気なので、軽視してはいけない病気です。かかりやすい年代も更年期と重なるため、きちんと調べてもらうことをおすすめします」
シェーグレン症候群とは?
シェーグレン症候群は全身性の自己免疫疾患で、悪性関節リウマチなどと同じく難病に指定されています。病気の原因は不明ですが、40代〜60代の女性に多く発症。症状は目の乾燥とそれに伴う目の痛み、かゆみ、充血。唾液の減少による口の乾燥とそれに伴う口内炎や味覚障害など
Q. 肌の乾燥がひどくなり、今まで使っていたソープや化粧品がどれもしみます。スキンケアはどうすれば?
A. 更年期は、何度目かのお肌の曲がり角。今使える化粧品で極力いたわりましょう。一生続くわけではないのですから
「肌の潤いを保っていたはずのエストロゲンがなくなるので、乾燥するのは当然です。加齢によっても体内の水分量は減っていくため、肌の乾燥はエストロゲンの減少だけが原因とは限らないのですが、更年期は確かに人生何度目かのお肌の曲がり角。長く愛用していた好きな化粧品がヒリヒリして使えなくなったりするのはよくあることです。それだけ肌が乾燥したり、バリア機能が低下して敏感になっています。
そんなときは、低刺激のアイテムを探し、お肌をいたわって。この状態が一生続くわけではありません。好きなアイテムもしばらくは我慢して、使える日がきたらまた使おうと考えましょう」
浜松町ハマサイトクリニック特別顧問。大学病院で医療の最前線に立ち、女性医療・更年期医療のさまざまな臨床研究にも数多く携わる。女性予防医療を広めたいという思いから、現クリニックへ。更年期、妊活、月経不順など女性の体のホルモンマネジメントが得意。著書に『40代から始めよう! 閉経マネジメント』(講談社)
イラスト/AZUSA 構成・原文/蓮見則子