Q. 婦人科系のがんが心配です。予防はどうすればいい?
A. 子宮体がん、乳がんのリスクを下げるには、内臓脂肪をつけない=「太らない」こと!
「これまで卵巣で分泌されていたエストロゲンは、閉経以降、副腎や内臓脂肪など、別の臓器から分泌されるように変化します。でも後者の女性ホルモンは、これまで黄体ホルモンとともに血管や骨を守っていた本来のエストロゲンとは違う、悪玉の女性ホルモン。
内臓脂肪がつくほどに悪玉の女性ホルモンだけが独り歩きをし、女性生殖器に刺激を与えて、子宮体がんや乳がんのリスクにつながってしまいます。ただでさえ、女性ホルモンの減少によって糖代謝の調節など、内臓脂肪を減らす作用が弱くなる年代。運動や食生活が今までと同じでは、体重や内臓脂肪の増加につながるので、見直しを。
喫煙や飲酒習慣も、乳がんのリスクを上げる要因となります。卵巣がんについては検診がないため、子宮全体や卵巣の状態、小さな異常も発見できる経腟超音波検査を受けることでフォローすることができます」
●部位別がん罹患数(2019)女性
厚生労働省の調べによると、女性の部位別がん罹患数(2019年)の1位は圧倒的に「乳がん」。次いで多いのは「大腸がん」「肺がん」。婦人科系のがんでは、次に「子宮体がん」「卵巣がん」「子宮頸がん」が多いことが判明
浜松町ハマサイトクリニック特別顧問。大学病院で医療の最前線に立ち、女性医療・更年期医療のさまざまな臨床研究にも数多く携わる。女性予防医療を広めたいという思いから、現クリニックへ。更年期、妊活、月経不順など女性の体のホルモンマネジメントが得意。著書に『40代から始めよう! 閉経マネジメント』(講談社)
イラスト/平松昭子<アイキャッチ> 構成・原文/井尾淳子