Q. 閉経してからフェムゾーンがかゆくなりました。どうして?
A. 粘膜が乾燥して傷ついている可能性が。GSM(閉経関連泌尿生殖器症候群)の症状かも
「更年期になると、目や口腔の乾燥といった更年期症状と同様に、女性ホルモンが減少することで腟まわりの細胞が働かなくなり、乾燥してさまざまなトラブルが起こることがあります。例えば、外陰部のかゆみ、痛み、頻尿や尿もれ、性交痛など。実は2人に1人が悩んでいるともいわれています。
こうしたトラブルはGSM(Genitourinary Syndrome of Menopause)、日本語では閉経関連泌尿生殖器症候群、または閉経関連尿路性器症候群と呼ばれる新しい概念として注目されています。
◆GSM(閉経関連泌尿生殖器症候群)のおもな症状
昔は『萎縮性腟炎』という病名で、腟ばかりがクローズアップされていましたが、GSM(閉経関連泌尿生殖器症候群)では①腟に関する症状、②尿に関する症状、③セックスに関する症状の3つが対象になります。しかしながら、これらを診断して治療する医療機関はまだ多くはありません。
最近では『女性泌尿器外来』『ウロギネ外来(泌尿器科と婦人科の境界領域にある症状を診る診療科)』など、積極的に治療に取り組むところも増えてきました」(二宮典子先生)。
あなたは下記のチェックリストのような症状はありませんか? ひとつでも該当したら、GSM(閉経関連泌尿生殖器症候群)かもしれません。
簡単セルフチェック!
フェムゾーンがムズムズすることがある
下着を下ろすと、ムワッといやなにおいがする
トイレに行ったばかりなのに、尿意が我慢できずにもれてしまう
腟にぽっかり穴があいている感じがする
いつも陰部に痛みを感じる
GSM(閉経関連泌尿生殖器症候群)の問題はこれからもっと相談しやすくなります。「女性泌尿器科」がめっちゃ頑張っているんです!(二宮典子先生)
医療法人 心鹿会 理事長。泌尿器科専門医・指導医、性機能専門医、漢方専門医。最近注目されているフェムケアやGSMにいち早く取り組み、婦人科、泌尿器、性機能、外見のコンプレックスなどの、相談しにくい悩みにも対応。下ネタ医療系YouTuberとしての顔も持ち、若い世代から更年期世代、シニアまで幅広い層に人気。
イラスト/かくたりかこ 構成・原文/蓮見則子 山村浩子