あけましておめでとうございます。
2021年もお世話になりました。
2022年、新しい年もよろしくお願い致します。
今年初めてのコラムは、あなたのご主人やパートナーに向けて
「更年期」について書きました。
本来は貴女自身がご自分で説明するのが良いとおもいますが、あなたの代わりに!
10項目にまとめてみました。
アワエイジ世代、50代の友人達と。
左は料理家の島田まきさん、右は私と同じメノポーズカウンセラーの斉藤万奈さん。
私が真ん中。少し先輩です。
私の更年期は大変でしたが、今はこの通り、かなり元気です。
1)更年期のない女性はいない
更年期とは、閉経の前5年、後5年、閉経を挟んだ10年を更年期と呼びます。
閉経とは、月経が完全になくなって一年経ったところで1年前を閉経としています。
ちなみに、一般的に「生理」と呼んでいるのは、正確には「月経」と言います。
全ての女性は閉経し、全ての女性に更年期が訪れます。
日本人の平均閉経は50歳。45歳〜55歳あたりが平均的な更年期です。
実際には、30代で閉経する人もいれば、60歳になっても月経がある人がいます。
個人差があります。甲乙、優劣はありません。
一つ、ポイントがあります。更年期は、閉経してからその入り口が分かります。
「ああ、あの時はすでに更年期だったのね」という具合に。
数字の定義はどうあれ、ほぼほぼ40代に入ったら更年期ゾーン突入した
と思っていたら間違いないと思います。
2)「私は違う!」という女性がいるわけ
更年期と更年期障害の違い
更年期に不調を感じ、日常生活に支障をきたす状態を更年期障害といいます。
人によって色々な不調が出るので、「定められない」として「不定愁訴」とも呼びます。
女性は全員が更年期になりますが、更年期に不調を感じない、
更年期障害でない人はいらっしゃいます。
健康状態がよく、ストレスゼロでよほどのんびり過ごしていらっしゃるとか。
ただ単に自分で認識していない人もいます。
そのイライラ爆弾は完全に「更年期でしょ!」と思いますが、
「私は違う」とおっしゃる方ね。
一つポイントです。更年期に不調が少ない方が楽でいいに決まっています。
しかし、不調の要因はその人の持っている体質、気質、
身体的要因に精神的要因、それに置かれた環境、社会的要因がミックスして出現します。
元気でいられる人もいれば、寝込んでしまって家族のことや
それまでの仕事ができなくなる人もいます。個人差はあります。
それをその人の欠点や仇と思わないで欲しいのです。
少しづつ、解決できる方法を探していくことが大事なのですから。
この節、世の男性に提案。
奥様や彼女が毎日やっていることを、見直してみたらどうでしょうか。
会社で言えば業務の洗い出し!過剰な労働を黙ってやっているかもしれませんよ。
3) 更年期の不調の原因は女性ホルモンの「急激」な減少
私たち女性は生まれた時に、卵巣の中に卵(原始卵胞)をみっちり持って生まれてきます。
月経サイクルの中で、その卵から分泌されるのが女性ホルモンです。
卵は使っても使わなくても毎月減っていくものですが、
40代に入ると卵の数は急激に減ります。激減します。
これを卵巣機能の低下と呼びますが、女性ホルモンも急激に減少していきます。
卵が増える、元に戻ることはありません。
4)彼女が元気だったわけ
それは女性ホルモンが守っていたから
更年期に女性が体調不良になるのは、
長い間、彼女達を守ってきた女性ホルモンがなくなるからです。
それも急激に。体がついていけないのです。
女性ホルモンは、妊娠、出産という大仕事をこなすために
女性に授けられた特別なホルモン。パワーの源です。
女性を元気に健やかに、みずみずしく保ってくれている
最強の抗酸化物質です。しかもそのレセプター、影響力は、
卵巣、子宮、乳房だけでなく、女性の全身に関わっています。
お守りが外れて、体、心、肌、免疫力も含めてあらゆるところに
不調が出てくるのが更年期なのです。それは想像以上に辛いことです。
疲れる、立ち上がれない。
車で言えば、オイルを指さないで車を走らせるようなものですから。
そのまま走れば壊れてしまうわけです。
5)イライラ、ドキドキ、無気力、
更年期の本当の衝撃は脳がパニックを起こすこと
更年期の不調の直接の原因は4)で書いた女性ホルモンの低下ですが、
そこからさらに引き起こされるもう一つの不調の原因があります。
脳のパニック、暴走です。
ひどいイライラ、不安感、不眠、焦燥感、無気力などのメンタルの不調。
自律神経のアンバランスが引き起こす動機やめまい、フラフラ感、
ホットフラッシュと呼ばれる止まらない汗や体の火照り等があります。
実は、女性ホルモンは卵巣が勝手に分泌するのでなくて、
脳からの指令を受けて動きます。脳は卵巣の上司に当たります。
常に卵巣の動き、ホルモンの動きを見張っています。
これまでのようにホルモンが分泌できていれば、穏やかな良い上司なのですが、
女性ホルモンが出せない!となると態度は急変。
出せ出せと強く要求する執拗な上司に豹変します。
卵巣機能は落ちる一方で、元に戻ることはありません。
奥様やパートナーのイライラは彼女の性格が悪くなったのではありません。
無気力は彼女が怠け者になったわけでもありません。
忘れ物をしたり、今までなんでもなくできたことが段取れなくなったり・・・。
誰が一番戸惑っていると思いますか?それはあなたの大事なパートナー自身です。
6)体を休ませてあげて。
更年期女性の欠点はいつも自分のことが後回し
更年期は疲れやすく、体が本当にしんどくなります。
この時期は前例のない特殊な時期なのです。体を休ませないといけません。
いきなり会社を辞めるようなことは無しにして、
仕事の量を減らしたり、仕事の内容を変えてもらうのも良いかもしれません。
休みを取るのも良いと思います。休むことで体はとても楽になると思います。
そして、家の中でも奥さんやパートナーに係っていた仕事も
みんなで分担したらどうでしょうか?
炊事、洗濯、掃除に子供の学校や受験のこと、それに親の介護。
みんな奥さん、お母さんの仕事になっていませんか。
仕事の振り分け!が必要です。
みんなで彼女を助けてあげて欲しいのです。
お昼寝だってして欲しい。かなり楽になるはずです。
ここで一つ。実は苦しいはずの本人が自分のことを後回しにしています。
頼めば周りの人もやってくれるのに、彼女たちは頼めないのです。
「私じゃないとわからない・・」
これは日本女性の欠点だと私は思います。いつも自分のことは後回し。
休むことに抵抗があるようです。でも休まないと、結局は破綻してしまいます。
会社を辞めたり、ストレスが噴出して人と大喧嘩したり、
みんなの前で号泣したり、取り返しのつかない事件も勃発します。
やり方を変えて、この時期を乗り切るのです。
休めない彼女に、「僕がやるから休んで欲しい!」。
そう切り出してみたらどうでしょうか。
一番辛い時に、優しく寄り添ってくれたあなたのこと、彼女は忘れませんよ!
7)更年期には、治療法やケアの方法がたくさんある
更年期には治療法があります。
ホルモンが減ることで起こるので、低用量ピルやホルモン補充療法が使えますし、
漢方もよく効きます。不眠やメンタルのためのお薬も出ています。
疲れを軽減するためのビタミン注射や栄養剤なども処方してもらえます。
お医者さんに行くことを嫌がる人もいますが、辛い時に行く事で、
一旦調子が上がってくると自力で良くなることもよくあります。
放置しないことがとても重要です。
更年期は産婦人科にいらしてください。
「家事と仕事で時間がない」とまた自分のことは後回しにするのでしょうが、
これからは不調を整えながら、長く健康で生きていくことがとても大切です。
更年期の不調の影に大きな病気が隠れていることもありますし。
年1回の健診、健康診断も必ず受けるようにして欲しいと思います。
特に主婦の方は、健診を受けていないことが多く、とても危険です。
「ママ、自分のこともしっかりやってね」。
パートナーのあなたの後押しが必要です。
ヨガやストレッチ、鍼灸やマッサージ、サプリメントもあります。
更年期にはセルフメンテナンスが必要ですし、有効です。
8)男性にもある更年期
男性にも更年期があります。
男性ホルモンも40代後半くらいから下がってきますが、
とてもゆっくり穏やかに下がってきます。
急降下しない点が女性の更年期と違います。
男性を男性らしく保っているテストステロンですが、
低下してくると鬱っぽくなり、不安、無気力、不眠、多汗、
性欲の減退やED(勃起障害)、頻尿など様々な症状が起こってきます。
女性の更年期症状に似ています。
男性も自分の不調について相手に知ってもらったり、話しができるようになるといいですね。
お互いにとても楽になると思います。
9)おいておけない性交痛と男のプライド、女のプライド
拷問から解放してあげて!
さあ、大事なことを書きます。
女性達は性交痛に悩んでいます。辛い思いをしています。
女性ホルモンが減ると肌や粘膜が乾燥します。乾燥は重篤な更年期トラブルの一つです。
膣もカピカピに乾きます。乾いて炎症を起こします。
昔は、「老人性膣炎」といういかにも老婆の病気と言うような名前がついていました。
しかし、最近は、「GMS」、「閉経関連尿路生殖器症候群」と呼び名が変わり、
膣の乾燥や性交痛は閉経前後のまだ働き盛りの女性達にもよく起こる不調に変わりました。
「セックスで膣が擦れて血が滲むこともあります。
うちの主人は、私が毎回生理だと思っています」
と話してくれた人がいました。同じような人が他にもいました。
「どうして、ご主人に自分の体のことを話せないの?」と私が聞きました。
「男としてのプライドが傷つくから、言えないのです」と返ってきました。
私は最初、意味が分りませんでしたが、「ああ、そう言うことか・・・」と判明。
男性のテクニックが良ければ、女性の膣は濡れるはずとの男性の思い込み。
女性に膣部が濡れない、乾いたままとなると彼は自信を失ってしまうといわけです。
彼女の方も濡れなくなった、女でなくなった体と思われたくないのでしょう。
痛くない、辛くない、喜んでいることを演技し続けなくてはいけません。
これは拷問ですよね。長続きするわけがない。
膣は乾きます。弾力もなくなり、粘膜はごく薄くなっています。
女性ホルモンのエストロゲンが減ったのが原因です。
でも解決する方法があります。3つ書き出しました。
更年期以降はずっとこれでいきましょう。それでもいいじゃないですか!
乾きと痛さが解決できれば、いくつになってもセックスはできますよ。
1 潤滑ジェルを使う
今は、良い潤滑ジェルがたくさん出ています。
少しでなくて、たっぷり使うこと。大丈夫かな?という時もケチケチせずにたっぷり使う。
2 膣剤を使う
膣に入れるタイプの女性ホルモンがあります。
エストリールと言う優しい種類の女性ホルモンで、昔からずっと使われてきたお薬です。
産婦人科で出してもらえます。とてもポピュラーです。
3 性感帯の再調査
実は女性の感じるところと男性が思い込んでいることは違うかもしれません。
男性は、あなたのパートナーが「本当はして欲しいこと」を
改めて聞いてみると良いでしょう。
今までは全て演技!だったかもしれませんし。
どうあれ、ジェルはお使いくださいね。
そして感じるところにゆっくり時間をかける。
今後は話し合うことが重要です。
アダルトビデオの教えじゃなくて、彼女の好みを聞いてみることです。
写真は、以前にもご紹介しました、
イギリスのオーガニック、デリケートゾーンケアブランド「Y E S」のオイルとローション。
イギリスでは潤滑剤として産婦人科で処方されています。
写真左:「YES」の「インティメイト・モイスチャージェルV M」
写真右:「YES」の「インティメイト・ウオーターローション」
「YES」公式ホームページ:https://www.organic-yes.com
10)言葉に魂が宿ります。
これからは優しい言葉と互いによく話す習慣を
「うちのカミさん、あれ、なんだよ。あれ!」「もうあがっちゃたんだよね」
そんな言葉を使われて気持ちのいい人はいないはずです。
私は、言葉は魂と思っています。
「辛い時期だから。休んだ方がいいよ」「僕もできるよ。大丈夫。代わるから。」
一番大事なあなたのパートナーに一番優しい、慈しみの言葉をかけて欲しいのです。
卵巣から出る女性ホルモンは元に戻らないと話しましたが、
少量ですが、副腎からも女性ホルモンは分泌されます。
愛情ホルモン、オキシトシンや、快楽ホルモン、エンドルフィン、
幸せホルモン、セロトニンなど脳内伝達物質がなくなってしまった
女性ホルモンの穴埋めをしてくれます。
うれしい、幸せ、愛してる、そう思うことで、私たちは若さを維持することができるのです。
もちろん膣の自前の潤いだって復活です。
閉経して、更年期で、女が終わりなんてありえません。
「女は50から!」私は本気でそう思っています。
ワインと一緒です。熟成した方が価値も上がります。
人生の価値って、なんでしょうね。
健康的で、優しくて、愛に満ちた人生を送りたいものです。
読んでくださっている女性達のために
製品をいくつか載せて終わりたいと思います。
2022年も良い年になりますように。
透明とルリ色の小瓶は、女性泌尿器専門医、
関口由紀先生が開発したデリケートゾーン用のオイルとセラム。
膣周りの保湿やマッサージに使います。
写真右:「ホルモードモアゴールド」(美容オイル)
女性ホルモン、エストラジオールを含んだオイルです。
医療クリニックLUNA公式ホームページ:https://www.luna-clinic.jp
まだまだあります。
同じくデリケートゾーン用のオイルとミスト。
写真左:植物療法家、森田敦子さんのブランド「ワフィト」のインティメイトオイル。
マッサージにもおすすめです。
「ワフィト」公式サイト:https://waphyto.com
写真右:柿の皮を利用した「明日わたしは柿の木にのぼる」のデリケートゾーン用ミスト。
匂いと蒸れに。
「明日わたしは柿の木にのぼる」公式サイト:https://ashita-kaki.com