Q. 閉経が早いと遅い、どちらが得ですか?
A. どちらにもメリット・デメリットがあり、どちらがいいとは言えません
「女性ホルモンは健康と美を守ってくれるので、長い目で見ると閉経が遅いほうが若さと元気を保つことができます。また閉経が遅いとエストロゲンの恩恵が長く受けられ、生活習慣病や骨粗しょう症などのリスクが下がるのがメリットです。
さらにエストロゲンには血管を守る作用もあるので閉経が遅いと心血管疾患の予防にも。ただ、乳がんなどエストロゲンに依存するがんのリスクは高くなります。また、月経が重かった人にとっては閉経が早いほうが楽。ひと口にどちらがいいとは言えません」
閉経が早い人
●メリット
- ・月経痛やPMSに悩まされることがなくなる
- ・月経の煩わしさがなくなり、白い服も楽しめる
- ・旅行などの計画が立てやすくなる
- ・子宮筋腫が小さくなり、手術の心配もなくなる
●デメリット
- ・骨粗しょう症や動脈硬化、高血圧や心血管疾患などの病気リスクが早まる
- ・肌や髪の潤いが早く失われる
閉経が遅い人
●メリット
- ・エストロゲンの恩恵が続き、生活習慣病や骨粗しょう症のリスクが低い
- ・同じく、肌や髪などの潤いが長く保たれる
●デメリット
- ・月経トラブルからなかなか解放されない
- ・月経の煩わしさから抜けられない
- ・子宮筋腫・子宮内膜症・乳がんなどエストロゲン依存性の病気リスクが高まる
Q. 初潮(初経)が早い人は閉経も早いって本当?
A. 初経年齢は体重に直結。それと閉経年齢とは関係がないと考えられます
「初潮(初経)は、年齢というよりおもに体重が関係していて、体格のよい女子のほうが早く迎える傾向にあります。この50年ほどで子どもの体格がよくなり、初潮も早くなりました。でも、閉経年齢は50年前とほぼ変わりません。ということは、両者には関係がないということに。研究データとして明確に示されたものはないようです」
撮影/中川十内<アイキャッチ> スタイリスト/高橋尚美 構成・原文/蓮見則子