女性の悩みに冷静かつ温かいアドバイスをくれると評判の産婦人科医・高尾美穂先生に、読者の悩みを相談する連載。今回は認知症に対する不安にについてです。
認知症への心配
Q.
昔と比べ、物をよくなくします。最近は家の鍵などをなくして大変でした。こういうことのせいで時間がすごくもったいない。将来、認知症にならないか心配です。(52歳・主婦)
A.
よく物をなくしても、すぐ認知症につながるわけではありません。置き場所を決めるなどの対策を
「物をよくなくすことが、認知症に直結するわけではありません。“いろいろな物事を忘れていく”のは、“悪いことも忘れていける”ということで、ある意味、いいこととも言えますよね。ただ、仕事など重要な場面でなくし物やもの忘れをすると大変なので、物の置き場所を決めておいたり、大事なことはメモをして目につく場所に貼っておくなどの対策をとりましょう。
また、定期的な運動や、健康的な食生活、血圧やコレステロール値・血糖値の管理、十分な睡眠というような生活習慣病の予防にいいとされていることは認知症予防にもいいと言われているので、気をつけてみてください」
※この企画で取り上げた悩みは、2022年7月28日~8月10日にWebマガジンOurAgeで募集したものです。
【高尾美穂先生ってどんな人?】
イーク表参道副院長。産婦人科専門医。さらにスポーツドクター、ヨガ指導者でもあります。産婦人科医になったのは「一人の女性の体を、初潮を迎えたとき、生理痛やPMSで悩んだとき、恋愛をして性交渉のことで悩んだとき、妊娠・出産のとき、更年期、閉経後と、人生を通して長く診ることができるから」だそう。診療のかたわら、NHK「あさイチ」への出演をはじめ、多数のメディアやSNSで情報を発信。音声配信アプリstand.fmの番組「高尾美穂からのリアルボイス」ではリスナーの多様な悩みに回答しています。著書に『大丈夫だよ 女性ホルモンと人生のお話111』(講談社)など。脳外科医の夫あり
撮影/高尾美穂<アイキャッチ背景写真> 取材・原文/和田美穂