あけましておめでとうございます。ライブ大好き編集者のすぎです。
長い間、ライブ始めはほぼエレカシだったのですが、今年はそれもなくて寂しい限り。
個人的には武道館で見る新春ライブが特にお正月感があって好きなのですが、2016年の東京国際フォーラムでは、こんなにカッコイイSNS用(?)の看板がありました。
(2018年はNHKホールでチケットが取れず、2020年の東京国際フォーラムでは何も写真を撮っていませんでした)
こんな時代だからこそ、宮本さんの「エビバデー!!(everybody)」「ドーンと行こうぜー!!!」を脳内再生して、2021年の自分を奮い立たせようと思います。
さて、以前この編集部のつぶやきで「スピッツの草野マサムネさんきっかけで米津玄師さんを好きになった話」を書きましたが、まさにエレカシもそう。
「自分にないものに憧れる」というマサムネさんは、エレカシのセカンドアルバム1曲目の『優しい川』という曲に衝撃を受け、初期のエレカシを「正座して聴いていた」と、宮本さんとの対談や、自身のラジオ番組で語っています。
が、そんなこともまだ知らなかった昔々、non-noでスピッツを取材したときに、ちょうどエレカシ8枚目のアルバム『ココロに花を』(’96)が出たばかりで、「すごくいい」とメンバー間で話していたのです。
気になってソッコー聴いてみたところ、みごとにハマりました。
94年にレコード会社との契約が切られ、事務所も解散し、それでもライブだけは続けていたという中で生まれた名曲『悲しみの果て』を始め、『孤独な旅人』『四月の風』『OH YEAH!(ココロに花を)』など、メロディアスでちょっとセンチメンタルな曲が多いこのアルバムは、再スタートへの思いが詰まっていて、何度聴いても飽きることのない名盤だと思います。
当時、大人気だったミスチルやスピッツ、オザケンをウォークマン(!)で聴き込んで研究し、エレカシは97年に『今宵の月のように』でついに80万枚のヒットを実現します。同曲の入ったアルバム『明日に向かって走れ-月夜の歌―』も50万枚を売り上げ、オリコンチャートの2位を記録。(ちなみに1位はマライア・キャリーだったそう)。
その頃、ロッキング・オン社から発売された、約600ページにも渡る『風に吹かれてーエレファントカシマシの軌跡』という本がこちら。
31歳の宮本さん、カッコイイ!!
デビューからずっとエレカシを応援してきたロッキング・オン・ジャパンでのインタビューやCDレビュー、ライブレポートなど10年分の記事を網羅したこの本に対し、あとがきで宮本さんは「二十代の男性のもつ青臭い、しかし真剣な、まるで大学生のサ店論議のような言葉の数々……」「青春は終わった」「過ぎ去った日々は戻らない。明日に向かって走る。それだけだ」と書いています。
そして54歳になった今、宮本さんはますます走り続けているようにみえます。
エレカシのデビュー30周年全都道府県ツアーや紅白出場、さいたまスーパーアリーナ2days公演を成功させた後、初めてのソロ活動に挑戦。
2020年3月にソロアルバム『宮本、独歩。』を出したかと思えば、
11月にはカバーアルバム『ROMANCE』で、ついに自身初のオリコンチャート1位を獲得!
宮本さんと同じように『ザ・ベストテン』に夢中になった歌謡曲好きとしては、『あなた』や『異邦人』、『木綿のハンカチーフ』に『赤いスイートピー』なんて、どれも全部歌えちゃうぐらい身体に染み込んだ曲ばかり。
ロックなアレンジの『ロマンス』に驚き、『喝采』や『ジョニィへの伝言』の物語を表現する力に感動し、特に中学・高校時代に中島みゆきさんを熱心に聴いていた私は、宮本さんのハスキーな声で歌われる『化粧』にグッときたのでした。
コロナの影響で3月から予定されていたソロのライブツアーがなくなり(私は高松と渋谷に行く予定でした。残念・・)、6月12日の誕生日に、ひとりで25台のカメラを相手に弾き語りの生配信をした宮本さん。それはもう弾き語りという枠を飛び越えて、歌う喜びとエネルギーに満ち溢れていました。
テレビやラジオへも精力的に出演していて、まさか『ヒルナンデス!』で喫茶店巡りをする宮本さんを見たり、『スッキリ』と『あさイチ』で2日連続、朝から歌声を聴く日が訪れるとは!
そして宮本さんがテレビ出演するたびに検索されるのか、OurAgeのインタビューも多くの人に読まれていて、本当にありがたい限りです。
あのインタビューでは、細い人にありがちな「食べても太らないんです」という答えを予想していたら、「基本的には、絶対太らないぞ!と思っている」と聞いて驚き、思わずタイトルに使わせていただきました。
ちなみにテレビでの発言によると、最近は週に1度、ジムで筋トレもしているようですよ。やりたいと思ったことは、着実に実行しているんですね。
46歳で耳の病気を経験し、人生の終わりを意識するようになって、ますます一生懸命な宮本さん。ソングライターとしても素晴らしいのですが、「とにかく人の前で歌うことが好き」だということを再認識して、今は「歌い手」として、できるだけ多くの人に歌を届けたい・・というモードにあるようです。
「もっともっと!」と前向きに走り続ける宮本さんを見ていると、同世代の私も、コロナだなんだと言い訳をして、毎日をぼんやり過ごしていてはいけないなと思うのでした。