こんにちは。11月26、27日に行われたACIDMAN presents SAITAMA ROCK FESTIVAL 「SAI 2022」の余韻がいまだ冷めやらぬ、ライブ大好き編集者のすぎです。
私の心のヒットチャート1位を走り続けている3人組バンドACIDMAN (写真左からベースの佐藤雅俊さん、ボーカル&ギターの大木伸夫さん、ドラムの浦山一悟さん)の結成25周年&デビュー20周年を記念した主催フェス。
彼らの出身地である埼玉の「埼」、彩りの「彩」、才能の「才」、お祭りの「祭」、さまざまな思いが「SAI」に込められています。
こちらは10月の頭に渋谷駅の地下鉄構内に掲示された大型広告。
5年前に1日だけ行われた「SAI 2017」に出演したアジカンやドラゴンアッシュ、MAN WITH A MISSIONに加え、東京スカパラダイスオーケストラ、back number、氣志團、sumika、マキシマム ザ ホルモン、エルレガーデン、そしてミスチル‼などなど、バラエティに富んだロックバンド19組が大集結しました。
場所は、さいたまスーパーアリーナ。
写真は初日(曇り時々雨)と2日目(快晴)に撮ったものが混ざっていますが、屋外のフードエリアもお祭り感でいっぱい。
ライブ会場横の屋内スペースでは、各アーティストのグッズを売っていたり、休憩できるようになっていました。
朝10時から20時過ぎまでのフェスなので、スタンディングエリアの人たちは疲れるだろうな~と思っていたら、アリーナへの直通トンネルみたいな通路があって、なるほどな親切設計です。
ガチャガチャでは、一番欲しかった「光る広告トラック」が当たってラッキー。かわいい!
小さなグッズを集めがちな私はキーホルダーも購入。
ちなみにSAIのキービジュアルは、総合プロデューサーであり、事務所の社長でもある大木さん自身が描いたもの。2017年から使われています。
また、ガチャガチャコーナーの横にはNPO団体のブースもありました。大木さんも定期的に寄付されているそうです。
大木さんが川越市出身ということもあり、知的障害者の自立支援施設「川越いもの子作業所」の人たちが作ったグッズや食べ物の販売も。
手漉き紙を使った似顔絵のポストカード(超かわいい!)とおせんべいを買いつつ、「この川越のコンサートも行きましたよ!」と伝えたら、とても喜んでくれました。
外には川越市物産展エリアもあり、今や全国的に有名になった川越のクラフトビールメーカー、COEDOブルワリーとのコラボビール「彩 -SAI-」をお土産に購入。すでに通販でも注文しているんですけどね。
会場限定の生ビールもあり、とても爽やかで美味しかったです。
さて、ようやくライブの話です。
どのバンドも見逃せない!と思った私は、フェス飯はあきらめて川越タルト(美味でした!)や、主にビールでお腹を満たし、全バンドのライブを見ましたよ。
最初のアーティストは東京スカパラダイスオーケストラ。
フェスには欠かせないお兄様方の演奏に会場は一気にヒートアップ。
『君の瞳に恋してる』のカバーなどもありつつ、『追憶のライラック』ではスカパラ仕様のスーツを着た大木さんが登場。しっとりと聴かせたあとは、誰もが知ってる『Paradice Has No Border』でフィニッシュ。2DAYSの幕開けにふさわしい演奏でした。
この調子で全バンドをレポートするわけにもいかないので、ピックアップしてご紹介。
アニメ『進撃の巨人』のオープニングテーマ『The Rumbling』で全米ビルボード1位を獲得したレゲエパンクバンドSiMの壮大な爆音ステージの次に登場したのはback number。ロックの振り幅がすごい。
1曲目は大木さんも好きだと言っていた『クリスマスソング』。メロウなラブソングが似合います。
『怪盗』『MOTTO』とアップテンポな曲が続いた後は、朝ドラ『舞いあがれ!』の主題歌『アイラブユー』をライブ初披露。が、演奏終了後、ギターを持ち替える際に「あぁっ!」と悔しそうな声が漏れ聞こえ・・。
「一番大事な新曲のサビを間違えました。人間だもの」と、MCで理由が発覚。ACIDMANへの憧れと今後の決意を語り、コロナ禍で沁みるバラード『水平線』と、ウィットに富んだ人気曲『高嶺の花子さん』(何度聴いても大好きな曲!)で盛り上げて終了。それこそ「もっともっと」な気持ちになった35分でした。
初日、圧巻だったのは氣志團。
トークの面白さは想像していたけれど、あらためて聴くと演奏も歌もめちゃくちゃ上手い!
おなじみ『One Night Carnival』の途中で長めの爆笑MCをはさみ、「俺たちがどれだけACIDMANか証明してやる」と披露されたのが『One Night Carnival 2022 ~造花が踊る~』。
イントロのベースが印象的なACIDMANのメジャーデビュー曲『造花が笑う』と、『One Night Carnival』を絶妙に組み合わせた疾走感あふれるナンバーは、意表を突かれ過ぎて脳内再生不可能なんだけど、すごい!カッコイイ‼と思ったことだけは覚えています。ぜひもう一度聴いてみたい・・。
スクリーンに映し出される「ACIDDAN」もしくは「KICIDMAN」の文字にも笑いました。
ラスト前は、大木さんと仲の良いフットボールアワーの岩尾さんが呼び込みに登場してのドラゴンアッシュ。
懐かしい『Let yourself go,Let myself go』や『陽はまたのぼりくりかえす』、そして2002年日韓ワールドカップのテーマ曲『Fantasista』を今聴けたことが嬉しかったです。
トリのACIDMANはもちろん素晴らしかったのですが、詳しくは2日目の最後に。(セットリストは9曲中3曲が変わっていました)
2日目は昼間からマキシマム ザ ホルモンの熱気と毒気にやられ(←いい意味)、アジカンの1曲目が2003年のヒット曲『君という花』だったことから心は回想モードに。
もともとACIDMANにハマったきっかけは、ノンノの「キテます! 文系ロックミュージシャン」という取材で、2004年にアジカン、レミオロメン、ACIDMANの3組をインタビューしたこと。(実際には大木さんは薬学部出身の理系なのですが、歌詞や言葉にこだわりがあるという意味での「文系ロック」)
「好きな人のために歌を作るという気持ちは?」という質問に、「皆無ですね! 思いは直接、伝えるし(笑)。音楽は芸術だと思ってるから」と答えた大木さんを、やだ、なんかカッコイイと思い(笑)、ライブで沼に落ちた次第。
「受け答えは明快かつきさくで、非常に感じよく「オレ様」ぶりを発揮する大木君」と、当時の私は書いていました。たぶん今も変わっていないから、社長もプロデューサーもできるのでしょう。
脱線しました。すみません。いいかげん長くなってきたので、ラスト前のミスチルまで飛びます。
ミスチルを呼び込むMCは、ACIDMANとは20年以上前からの付き合いだという斎藤工さん。なんて贅沢なキャスティング!
会場中の期待を集めて始まったのは『終わりなき旅』。めちゃくちゃ声が出てる。圧倒的な存在感のある歌声に全員が聴き入り、1曲目からクライマックス。っていうか、すでにグランドフィナーレか?というぐらいの神々しさ。
「バンドマンに愛され続けているバンド、ACIDMANに声をかけてもらえてうれしいです」といった挨拶に続けて演奏された『名もなき詩』。
国のガイドラインの変更で、『HANABI』の「もう一回 もう一回」もみんなで歌えたし、久しぶりに聞こえる歓声に「これだよな! 最高です!」と桜井さん。
ステージ上を左右に動きながらの『himawari』。そして最後の曲は『生きろ』。
全5曲、だけど密度の濃い本気のステージを見せてもらいました。本当に、ありがとう、ミスチル‼
出演者発表の動画で、ミスチルの存在を「雲の上を越えて、もはや宇宙!」と言っていた大木さん。
これだけのライブのあと、大トリを務めるのはさすがにやりづらかろうと、大ファンである私でさえ思ったのですが、いやいやいやいや・・。プレッシャーを爆発的なエネルギーに変えて、何の心配もいりませんでしたよ、ACIDMAN!
SEに合わせた観客のハンドクラップで3人が登場し、生命の音をかき鳴らす『world symphony』でスタート。さらに『FREE STAR』『夜のために』と、たたみかけるオープニングパートからのMC。
「どうです? すごくないですか? とんでもないアーティストが集まってくれました」と感謝を述べると、会場中から大きな拍手。
ギターの軽快なカッティングが気持ちいい『Rebirth』と、初期の代表曲『赤燈』が披露されたあと、度肝を抜かれたのが11分にも及ぶ『廻る、巡る、その核へ』をセットリストの中盤で演奏したこと。ドラマチックな映像とともに生きとし生けるものの輪廻転生を描いたこの作品は、静かに始まり轟音で終わる、まさにThis is ACIDMANな1曲。
「音楽は芸術だ」という思いを極めた、こんな曲を2004年に作っているのだから、後輩たちは憧れ、同世代も一目置き、先輩からも認められているのだろうなと思います。(MCで大木さんは「八方美人で良かった」と冗談を言っていたけれど)
壮大な『廻る、巡る~』に立ち尽くした観客も、美しく星空が広がる『ALMA』に心が洗われ、最後の挨拶のあとはライブの定番曲である『ある証明』と『Your Song』でアッパーに終了。
全出演者をステージに呼び込んでの記念撮影では、一気に緊張が解けたのか、ハイテンションでおしゃべりなプロデューサー大木に変身。
バンドマンたちの笑顔笑顔で、フェスはフィナーレを迎えたのでした。
終演後、出口で全員に配られた線香花火。
人生は一瞬のきらめき。人はいつか必ず死んでしまうけど、だからこそ尊い。大木さんがいつも言っていることを象徴しているようで、とても素敵なお土産でした。
コロナによる1組のキャンセルもなく、大成功を収めた「SAI 2022」。またいつか、ぜひ!