ANAのプログラムもKing Gnu(キングヌー)!
2024年1月13日の京セラドーム大阪から名古屋、東京、福岡は各2日間、そして3月23日の札幌で計9公演。38万枚のチケットが早々にソールドアウトしたKing Gnu Dome Tour「THE GREATEST UNKNOWN」。
その後、4月6日から20日まで行われたアジアツアーは、台北、シンガポール、上海、ソウルの4都市7公演で計3万5000人を動員。(しかも「日本人はほとんど買えなかったらしい」と、リーダーの常田さんが札幌のMCで言っていました)。
台湾公演2日間の収益は、4月3日に起きた台湾東部沖地震の被災地支援として全額寄付されたこともニュースになりましたね。
私は東京ドーム(ゲストとして椎名林檎さんが2日とも登場したらしく、く~、うらやましい・・)のチケットが外れ、マイレージを使って札幌へ。
朝早い便だったけれど、ちょうどANAの3月の機内オーディオプログラムがKing Gnu特集で、眠気も吹き飛び、密かに首を揺らし続けておりました(笑)。
さて。東京では、そろそろ桜が・・なんて言われていた頃、札幌は。
まだまだ雪の残る道もいっぱいあって、すべって転ばないよう用心深く歩きます。事前にライブカメラ等で調べても雪の溶け具合がよくわからなかったのですが、いつものMBT(歩きやすいけど裏がツルツル)ではなく、ノースフェイスのゴアテックススニーカーにして大正解でした。
初めての札幌ドーム
札幌は遠征のハードルが高いし、真駒内セキスイハイムアリーナとか北海きたえーるとか10000人規模の会場が充実しているので、大物アーティストでもドーム公演は珍しいようです。
展望台がせり出していて、なんだか楽しそう。ライブがない時にも来たくなりました。
いざ、入場口へ。
こちらは終演後、撮影OKの時間に撮った写真なのですが、ドームにしてはかなり見やすい席でラッキーでした。
いよいよライブがスタート!
めまぐるしいオープニング映像から、1曲目はいきなり「U R MY SPECIAL(You are my special)」という歌声から始まる『SPECIALZ』。TVアニメ『呪術廻戦』第2期『渋谷事変』の主題歌だったこともあり、世界的に大ヒット。それはそれはキャッチーな曲です。
続いて『劇場版 呪術廻戦0』の主題歌『一途』、NTTドコモのCMソング『千両役者』、ワールドカップを含む2022年NHKサッカーテーマ曲『STARDOM』(「あと一歩 ここからあと一歩」ってやつですね)と、怒涛の展開。
スタンドにいても熱いぐらいの火柱が次々に上がり、観客は「ウォーウォウォウォーウォ ウォーウォーウォーウォー」の大合唱。
そもそも今回のツアーは2023年11月29日に発売された4年ぶり4枚目のフルアルバム「THE GREATEST UNKNOWN」のツアーなのですが、このアルバム、なんと12曲がタイアップ。
すでに耳なじみのある、バラバラに育ちきった曲をアレンジし直したり、オープニングとエンディングを呼応させたり(タイトルも「MIRROR」と「ЯOЯЯIM」で、読み方はともに「ミラー」)、短いインタールード(間奏曲)を入れて繋いだりすることで、アルバムとしての流れや統一感を作り上げています。
「δ」「2MOЯO」「仝」など、読み方のわからない曲も多々(正解は順に「デルタ」「トゥモロー」「ドウ」。「δ」はギリシャ文字で、「仝」は「同」の古字なんだそう)。
そんな短い曲も含め全21曲。
私は2023年6月に行われた横浜・日産スタジアムのライブBlu-rayが付いた初回生産限定盤を購入したのですが、非常に凝った歌詞カードにも驚きました。
1枚1枚、曲の世界観に合わせた形も素材も違う別々のカードになっていて、それぞれがアート作品のよう。封筒に入っているものまであったりします。(歌詞カードとしてはとても読みづらく、曲の順番もわからなくなります。笑)。
もちろんライブの最速先行予約受付シリアルナンバーもついていて、CDが売れないと言われる今、こうした付加価値がますます重要になってくるんでしょうね。
ライブは『STARDOM』のあと、アルバムの頭から順に3曲『MIRROR』『CHAMELEON』『DARE??』を続けて演奏したのですが、『DARE??』では『Vivid Red』という初期の曲をリミックスして観客を驚かせます。
そして大ブレイクのきっかけとなったヒット曲『白日』のあと、ボーカル井口さんのMCで、ツアー最終日のこの日は映画館でのライブビューイングや配信もあり、12万人もの人が同時に観ていることが報告されます。
中盤パートも基本的には2~3曲ずつの塊でアルバムの流れを再現。そしてじっくり聴かせる『逆夢』『IKAROS』のあと、2019年発売のメジャーデビューアルバム(実際には2枚目のアルバム)『Sympa』から常田さんが拡声器で観客を煽る『Slumberland』と『Sorrows』『Flash!!!』というアゲアゲの定番3曲を披露して一気に盛り上げます。
「これはいい千秋楽の予感がしてきたぞ~」と、ライブ終盤を迎えるMCの後『BOY』が始まったかと思うと、スクリーンの中で演奏しているのはミュージックビデオに登場した子供たち!
ステージ上のKing Gnuの演奏とシンクロしていて、リアルなメンバーと子供ヌーの演奏シーンが次々と切り替わりながら映し出されるという楽しい演出でした。
ラストは井口さんのハイトーンボイスが極まった『三文小説』からのエンディング「ЯOЯЯIM」で、ドラマチックに本編は終了。
拍手と歓声とドーム一面に輝くスマホライトでメンバーを迎えたアンコールは、やはり『Sympa』からの『It’s a small world』(アコースティックバージョン)と『Prayer X』。
この2曲は最終公演である札幌だけ追加されていて、基本的にはアッパーな『Teenager Forever』と『飛行艇』の2曲アンコールだったようです。
「この時代に飛び乗って 今夜この街を飛び立って 大空を飛び回って 命揺らせ 命揺らせ」という力強いサビの『飛行艇』は、最初からスタジアムのような大きな場所でみんなが一緒に歌うことをイメージして作られたという、ずっしりと響く曲。何度聴いても大好きです。
ちなみにKing Gnuというバンド名は、アフリカ大陸に生息する「ヌー」という動物が、少しずつ合流して大きな群れとなって春に大移動することから「自分たちも老若男女を巻き込んで大きな群れになりたい」という気持ちで付けられたそう。
曲そのものも演奏も映像の使い方も、King Gnuは本当にドームやスタジアムや広大な野外が似合うバンドだと思います。
こちらは終演後に撮影したツアートラックと、
プレイステーションとコラボしたCMのビジュアル。
目が3つあっても、やっぱりカッコイイ常田さん、さすがです!