先日、自分で作ったもつ鍋が感動のおいしさでした!

自分の料理を自画自賛する痛いやつ……と思わないでくださいね。ネットから拾ったレシピで作ったしょうゆ味のごくごく普通の素人鍋。
以前は、たまにもつ鍋セットを買って自分でもつ鍋を作っていたのですが、あのもつの脂身を年々体が受け付けなくなっていて、福岡に遊びに行っても食べるのは、もっぱら水炊き派に。なのに、今回はお箸が止まらない!
その感動の要因は、具材に使った、このホルモンにありました。

使ったのは、写真左の「放牧ホルモンミックス」。右は一緒に買った「煮込み熟成ソーセージ」です。生産・販売をしているのは、愛知で無添加食品・有機農産物・天然生活雑貨を製造・販売している「りんねしゃ」さん。「菊花せんこう」でも有名なので知っている方もいるかもしれません。
このホルモンミックスは、りんねしゃが北海道で生産する「りんねしゃ草地放牧牛」の人気商品で、なんと1頭から作れるのは10数袋分という、出合えたらラッキーなアイテムなのでした。
肉そのものの旨味とクセになる歯ごたえは放牧牛ならでは!

こちらが鍋に入れる前のホルモン。見たことのないカラフルさで、通常もつ鍋に入っているもつの、脂みが目立つ白いイメージがありません。もつを見て美しいと思ったのは初めて。
このミックスに入っているのは9種類のホルモン。小腸、しま腸(大腸)、ミノ(1番目の胃)、ハチノス(2番目の胃)、センマイ(3番目の胃)、ギアラ(4番目の胃)、ハツ(心臓)、盲腸、直腸です。草食動物のなかでも牛や羊などの反芻動物は、4つの胃を持っている……生物の授業を思い出しますね(笑)
消化吸収しにくい草を効率よく、しっかりと分解して少ない栄養分から必要なたんぱく質を得るために発達した4つの胃。牛は、本来、穀物など栄養価の高いものを食べる習慣はありませんが、高級な霜降りや生産性のために穀物などで肥育されると胃が働かず、脂分が多くなるのだそう。
対して、草地で放牧され草だけを食べて育った「グラスフェッドビーフ」は、胃が本来の働きを十分果たしているため肉の旨味が強くなり歯ごたえも十分。脂質は少なめで良質なたんぱく質が摂れます。働きすぎて硬くなっているので、調理法は煮込むのがおすすめなのだとか。出汁の出方もすばらしいですしね。
記事が続きます「熟成グラスフェッド牛肉」の旨味が際立つソーセージ
続いて、休日のブランチにいただいたのはソーセージ。

りんねしゃの草地放牧牛肉には2種類の生産方法の牛肉「熟成グラスフェッド牛肉」と「枯らし経産牛肉」が使われているのですが、このソーセージはその2つが使用されています。
教わったとおり、真空パックのソーセージを冷凍のままボイルしてフライパンで焼いていただきました。

知っているソーセージとはまったく別物の、初めての食感と味わい。嚙み締めれば噛み締めるほど旨味がジュワー、ではなくジワジワと攻めてきます。ブランチなのにもう赤ワインが欲しい……
りんねしゃさんからいただいた資料によると、「熟成グラスフェッド牛肉」は北海道・滝上町の広大な放牧場で生後から30ヶ月近くかけて牧草のみを食べて育った赤身中心の肉を、ドライエイジング製法で30日以上熟成させたもの。
「枯らし経産牛肉」は、よつ葉乳業のノンホモ牛乳を生産する指定農家のホルスタイン種経産牛が原料。本来なら廃用牛となることも多いそうなのですが、酪農家の方々がよつ葉乳業のアニマルウェルフェアー基準で、愛情を持って育て接してきた牛たちを食べるところまで大切に扱いたいという思いで商品化。枯らしとは、熟成に入る前段階の技術ののこと。
私が購入したホルモンとソーセージはどちらもこの2種の原料のミックス。ほかに副社長の大島さちえさんが絶賛おすすめするひき肉(3mmと9mmの2種)は経産牛を使用。ほんのちょっと炒めものやスープに入れるだけで、素晴らしい出汁が出るそうで次回は絶対手に入れます(今回は持ち歩き時間が長くて、ひき肉や薄切り肉が買えずでした)!
パルシステムの予約購入で生産者を支える仕組み
実は、りんねしゃさんのお肉に出合う前から、わが家の牛肉選びにはちょっとこだわりありまして。10年以上前から、パルシステムの「コア・フード牛肉セット」を毎月定期購入しています。

こちらは、パルシステムの組合員が予約登録をして、半年サイクルで牛一頭のすべての部位を月に1回買うことで生産者を支える仕組み。生産農家の方々は、販売先があらかじめ確保されることで、牧草などの粗飼料でも大きく育つ、放牧に適したアンガス種系統の牛をこだわりの飼料で丁寧に育てることができます。
国産飼料100%、子牛時期を中心に広大な牧草地でしっかりと運動をして育てられた牛は赤身が中心。私も若く、子どもが食べ盛りだった最初こそちょっと脂が足りない?と思ったものの、今では、これぞ健康な肉本来の味だなぁと大好きになりました。とくに写真にも写っている牛ひき肉がお気に入り。これでつなぎなし、肉だけのハンバーガーパティを作ると最高なんです。
ほかにも赤身ブロック肉、すきやき用、焼き肉用、カレー・シチュー用に各種スライスなど、いろいろな部位のお肉が届くので、料理もマンネリにならずに済みます。

写真は先日、うち飲み用に赤身ブロック肉で作った「発酵ローストビーフのユッケ風」。大好きな料理家、今井真実さんのレシピ本『低温オーブンの肉料理』から初めて作ってみましたが、赤身肉の旨味に、最近ハマっている日本酒が進んで困りました。
記事が続きますこの年齢になったからこそ、味わいだけではない「いいお肉」を選んで責任消費を
最後に、りんねしゃさんの草地放牧牛の5つのコンセプトをご紹介したいと思います。
「草地放牧」「酪農家の顔が見える」……広い放牧地でのびのびと牛を育て、優良な牧草地を守る“粗放・再生農業”
「国産飼料」……飼料は自家生産にこだわり、地域の農業も支える“里山畜養”
「健康な牛」……脂肪をつけさせるための給餌・飼育はしない“赤身肉”
「廃用牛を殺処分しない」……役目を終えた牛を最後まで美味しくいただく“廃用・殺処分ゼロ”
いかがでしょうか? 脂が胃にもたれるから、健康やダイエットのためには赤身だから……入り口は人それぞれでいいのだと思います。でも、子どもたちへの食事作りや自身の食欲(笑)から解放された今だからこそ、こういった価値に魅力を感じるのは私だけではないのでは。どうせ食べるなら、味や価格の面だけではなく社会をよくするものを選びたい!
ちなみに、りんねしゃさんの牛肉はオンラインショップほか、首都圏だと自然食品の「f&f」さんで取り扱い中だそう。写真は昨年12月にf&f広尾店で試食販売をされていた社長の大島さちえさん。とにかくパワフルでとても素敵な方。今、日本のオーガニック界を支えるキーマンだと思いますので、ぜひインスタなどチェックしてみてください。

そういえば、このブログを書くのに資料を見るまで、私が買ったソーセージは「煮込み用」だったことに気が付きませんでした。焼いてもとってもおいしかったけれど、1本で数人分のおかずになるいい出汁がでる、そうで……。絶対次はポトフにします。早く買いに行かなくちゃ~!
●「草地放牧牛肉」の詳しい情報はこちらから

