25年前にリモワを買ったきっかけは「世界一軽い」スーツケースだったから
みなさんはひとつのスーツケースを何年ぐらい使われますか?
実は私が「25年使ったスーツケースがついに壊れた」と意気消沈して話すと、友人や知り合いにえらく驚かれました。
「嘘でしょ!?」え、そこまで驚きますか? 本当ですとも。
「あまり使っていなかったの?」これしか持っていないので使い続けましたとも。
ふたりの反応を見て、ああ、またもや私の「愛着のあるものを使い続ける執着グセが発動していたのか」と反省した次第です、はい。
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ということで、こちらが1997年から2022年まで25年間使用したリモワのスーツケースです。
アルミニウム素材の、ごくごくシンプルな作りはぱっと見、空港やリモワの店頭で見かける最近のものとあまり変わっていないように感じられます。
購入した年を覚えていなかったのですが、この度、修理のためにリモワのクライアントサービスがある直営店に持ち込んで判明しました。
修理職人さんが底を見て「97年製ですね」と教えてくれました。おお、刻印のシリアルナンバーで品番管理されているんですね、さすがドイツの老舗です。
このスーツケースを購入したきっかけは、当時私が所属していた雑誌のLEEで、こだわり派の後輩編集者が担当した旅の道具特集に「世界一軽いスーツケース」と紹介されていたからです。「軽い」というワードがなによりの好物である私は、価格の立派さ(今よりはずっと安かったですが)におののきながらも、前のめりに購入しましたよ。
ちなみに「世界一軽い」というのは、そのサイズの中で、ということですね。その後リモワからポリカーボネート製やファスナー仕様のより軽いスーツケースも生まれています。(買わずとも、ときどき新作をチェックしておりました。)
サイズに関しては、あれこれ不安でつい荷物が多くなりがちな私は、10日~2週間程度の旅行用という大型タイプを選びましたよ。(もしかしたら、スーツケースが大きいから取捨選択の決断力が磨かれず、今だに使わないものまで持参しがちなのかも…反省。)
さて、今回さかのぼって数えてみましたら、97年から今まで海外&沖縄あわせてたぶん33回使っておりました。ここ10年はサッカー観戦に数回行った程度なので、ほとんどは最初の15年に使用していますが、ならすと年に1.3回。頻繁に海外出張に行く方や、海外旅行フリークの方などだったら、33回というのは、年6回で6年弱、年3回で11年で到達してしまう回数ですね。
何回使ったら元が取れるのかはわかりませんが、私としてはもう取れている気がします、はい。
このスーツケースを使い始めましたら、デザインはシンプルだし、重い荷物を入れてもコロコロ動かしやすく、すぐに大のお気に入りに。
旅から戻って荷物を取り出したら、内側に掃除機をかけ、ふたを開けて1日乾燥させます。外側は検査済みシール等を全部はがして、濡れタオルで拭き、毎回可能な限りきれいな状態に戻して納戸の奥にしまい込みました。
スボラな私にしては、リモワには最上級のご奉公(!?)を尽くしましたとも。
なにしろずっと使い続けたかったものですから。
25年間での修理はへこみやホイール、フレームなど5回。修理できなかったダイヤルロック
実はこの25年間、何度も修理に出しています。
アルミニウム素材は弾力性があり中のものを守ってくれるけれど、外はへこみやすいのかも。表面の小さな傷や軽いへこみは使い続けた「味」だと感じられ、むしろお気に入りなのですが…空港のターンテーブルでピックアップすると大きくベコンとへこんでいることが!
表面や角の大きなへこみで3回修理送りになりました。内側から打ち出されて、ちゃんと平らに近い状態に戻って送り返されてきましたよ。
また2011年にはシドニーの空港に到着したらキャスターの車輪が一つはずれていて帰国後に修理に。その時は4つのホイールが全部交換されて戻ってきました。
2018年ロシアでは、フレームがゆがんでスムーズにしまらなくなりました。この時から、リモワの直営店にあるクライアントサービス(修理工房)に直接持ち込むと、その場で修理してくれるように。フレームを交換し、内布も張りなおしてくれましたよ。修理代は家電等に比べればかなり安く、無料だったこともあったと記憶しています。
そのとき修理をしてくれた若き職人さんに、「気に入っているので何度も修理してもらって使い続けてきた」と伝えると「へこんだりゆがんだりすると、買い替えられる方が多いんですよ」と聞き、あ、それが普通なのか、私は極端にお金を落とさないお客だった、とドキッとした次第です。
ただ、帰り道につらつら考えるに、ヨーロッパの人たちって、モノを大切に長く使うよね。過去に取材したフランスやイギリスの方たちもそうだったし、リモワのお国、ドイツだってモノづくりは質実剛健だし、ごみ問題の先進国だし…。私をヨーロッパ人だと思って(?)見逃してくれ~と心の中で言い訳しましたよ。
さて、今回の故障はこちら。ダイヤルロックの本体が取れてしまいました。写真の右上に置いてある数字のついたものですが、差し込み部が割れて、もう取り付けられません。
ずいぶん前にリモワのダイヤルロックの形は縦長に変更されていて、旧タイプのパーツはすでに廃盤。新しい縦長ダイヤルロックはこのスペースに取り付けられなかったのです。
5回修理を重ねながら25年間使い続けてきましたが、ついに直せない時が来たのか~。ガーン。
対応してくれた職人さんは「直せないスーツケースはこちらで処分することもできるので、このまま置いていかれても大丈夫ですよ」と言ってくれましたが、ここで私の執着グセが発動…!
「今すぐお別れするなんて嫌だ。もうしばらく名残を惜しみたい」!?
という気持ちが沸き上がり、壊れた空のスーツケースを、そのまま転がして電車でとぼとぼ帰りましたよ。
ちなみに、このダイヤルロック本体が壊れたのは、カタールW杯で、ドーハの空港に着いたときです。前にも書きましたが、100人にひとりぐらいしか荷物チェックをされないのに、とほほなことに私が指名され、スーツケースを開けるよう言われました。
開けようと軽く触ったとたんにダイヤルロック本体がぽろっと取れた…すでに壊れていたものがなんとか引っかかっていた感じでした…。
あわてる私に、検査官の女性も見かねて、直そうと手伝ってくれたり、ふたが開くようがんばってくれ、なんとかふたは開きました。そんな状況だったので「何か申告するものある?」「何も」で中身も見ずにスルーとなりましたけれど…。
25年前のリモワを使い続けた3つの理由
さて、お別れにあたり、このスーツケースのすばらしさ、なぜ他のスーツケースに乗り換えられなかったのかを書かせてください。
1. どこから見ても四角のシンプルなデザイン
縦にしても横に置いても美しい無駄のないフォルムにほれぼれ!
さりげない角丸でぶつかっても痛くないし、家具などを傷つけないつくりです。
当時はブルーがきかせ色になっていましたね。ちょっと昔のスーツケースっぽくてノスタルジーを感じます。現在は内布もグレーでよりスタイリッシュになっているようです。
2. 小さなキャリーハンドル
現在は大きなキャリーハンドルがついていますが、私はこの小さなハンドルを立てて持ってコロコロ動かすのが好きでした。
高さもちょうどよく、体にぴったり寄り添いやすい。空港でもカートに乗せず、自分でコロコロ運ぶほうが楽でしたよ。
3. この大サイズで5kgと軽い!
自分で測ったサイズですが、76×52×26.5cmという大きさで、ほぼ5kgです。
リモワの公式サイトで確認しまして、ほぼ同程度の<チェック-インL>サイズで4シリーズの重さを比べてみました。私の愛用のものに近いシリーズから、下に行くほどイメージが離れます。
1)オリジナル/アルミニウム素材(私のに最も近い)は6.2kg。今より1.2kg重くなっています。
2)ハイブリッド/アルミニウムとマグネシウム合金とポリカーボネート素材を融合したものが5.9kg。これもカチッとした雰囲気は似ていますが、今より1kg近く重い。
3)エッセンシャル/ポリカーボネート素材でファスナー仕様。4.8kg。私のより0.2kgだけ軽い。卵4個入りパック分か~。
4)エッセンシャル ライト/ポリカーボネート素材でファスナー仕様、キャリーハンドルがT字。3.7kgなので、今より1.3kg軽い。
今より軽いものにするなら3か4のポリカーボネート&ファスナー仕様ですよね。ただ、これは個人的な問題で、現在の色展開になぜかグッとくる色がないんです。時々新色が出て、昔見たあの色を買っておけばよかったかな~、と今更思っても5年以上手遅れ…こうなると、いつ何色を選んでいいのやら決められない!「大迷い時代(?)」に突入必至で、買えやしません…!
ということでして、過去にも数回調べはしましたが、今のまま使い続けよう、と思っていた次第です。
さて、今回サイトを熟読しましたら2022年7月25日以降に購入したリモワのスーツケースには「生涯保証」がついているとありました。おお、大手を振って修理し続けられるではないですか! これぞSDG’sです。
今のところ、旅の計画はないし、次にまたリモワを買うかどうかも決めてはいません。
でも、できたら次に買うスーツケースを人生最後の海外旅行(!)まで使いたいなあ、と願っています。
また愛着が持てるスーツケースに出会えますように。
では今回の「定年女子あるある(かもしれない)川柳」はこちら。もしかしたら、私にとっては…
愛着と SDG’sって 同じ意味!?
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