OurAgeが誇る6人の「賢者」が、読者から寄せられたお悩みやグチに、月替わりでおつき合いする“大人のシャベリ場”。第2回のお悩みは「セックスで感じにくくなってきた…」です。回答者は、美容家・オーガニックスペシャリストの吉川千明さんです!
吉川千明
美容家、オーガニックスペシャリスト。自然や植物の力に着目し、オーガニックコスメをはじめ、スパ、漢方、食にいたるまで、ナチュラルで美しいライフスタイルを提案。連載「ハッピー女神プロジェクト」でも、更年期の健康、美容について多角的に発信している。産婦人科医・対馬ルリ子氏との共著『「閉経」のホントがわかる本 ~更年期の体と心がラクになる!』が好評発売中
<お悩み>閉経してからセックスの際に感じにくくなってきました
「閉経してから筋肉が痩せて骨盤底筋も薄くなり、柔軟性がなくなってきたように思います。それに伴って膣の収縮も弱くなり、セックスの際に感じにくくなってきました。何かいい対処法はありますか?」(51歳・パート・アルバイト)
<回答>婦人科に相談しつつ、フェムテックも活用しましょう
更年期の症状のひとつ「GSM(閉経関連泌尿器症候群)」
更年期は、女性ホルモンが急激に低下する時期です。骨盤底の筋力が低下、弛緩し、反対に骨盤底の緊張が増して、性機能障害が起こることもあります。また、閉経後はエストロゲンの分泌量の低下により、膣の粘膜が萎縮乾燥し、膣内に炎症などの症状が出るようになります。あなたのようにセックスの際に感じにくくなるというトラブル以外にも、性交痛、性交後の出血、乾燥によるデリケートゾーンのかゆみやヒリヒリした痛み、頻尿、尿もれ、反復する膀胱炎などの症状を訴える人もいます。
こういった症状の総称を、最近では「GSM(閉経関連泌尿器症候群)」といいます。以前は膣の乾燥、炎症も「老人性膣炎」などと呼ばれていました。…老人性って、すごい言い方ですよね!
でも最近は、こういったトラブルは全て、老人じゃなくて、更年期からみんなに起こる「困りごと」だと認識が変わったので、ご安心を!
ただでさえ外見の変化や体力の衰えに落ち込むことが多いのに、セックスが楽しくなくなったり、性交痛で痛い思いをするようになるなんてつらすぎる。人に相談しにくいことだけに、「閉経したんだからしょうがない」と無理やり自分を納得させている人もいるけど、閉経したら楽しいこと、気持ちいいことを諦めなきゃいけないなんて誰が決めたのかしら!?快楽、追求していきましょうよ!
対策としてはHRT(ホルモン補充療法)が有効ですが、普及率を見てみると欧米の30~60%に対し、日本では約2%ほど。HRTには抵抗があるという人が、まだまだ多いのが現状です。だけど諦めちゃダメ。他にもいろいろできることはあります。今回は、それをご紹介していきますね。
フェムテックで更年期を楽しもう
まず骨盤底筋を鍛えるには、尿もれの改善にも効果があるエクササイズがおすすめ。やり方については、過去にOurAgeで対馬ルリコ先生と対談した際にご紹介しているので参考にしてくださいね。膣トレボールも使うと、1日20〜30分入れて置くだけで膣トレ、骨盤底トレーニングになります。
↑「私のオススメはコレ!」と吉川さん。アジア人女性の体に合ったサイズで、使いやすい膣トレボール。ラブパール・ライト3,300円/ラブピースクラブ
膣のトレーニングに、「フェムテック」を利用するのはいいんじゃないかしら。このフェムテック(FemTech)とは、女性(Female)とテクノロジー(Technology)をあわせた造語で、女性が抱える月経、妊娠出産、更年期、セックス等の問題をテクノロジーで解決し、QOLを向上させる商品・製品やサービスを指します。
私がおすすめするのは、膣の入り口が狭くなるのを予防して広げるトレーニンググッズの「膣ダイレーター」。これは膣の閉塞・萎縮・硬化のケアやトレーニングに使われ、挿入することで膣を広げ、柔らかくするというもの。興味がある人は婦人科で相談してみて。シリコン製でサイズも細いものから太いものまであって、自身のサイズに合わせて使えます。
またセルフプレジャーのためのバイブレーターも、かわいいデザインのものがいろいろ出ているので、ネット等でチェックしてみるのもいいと思います。「感じることから遠のく」と、復活できなくなってしまうでしょ。それに気持ちいいことをガマンするなんてもったいない。セルフプレジャーは悪いことじゃないのよ。精神安定にも、眠りにもよいと海外ではかなり研究されているし、推し!なのよ。
↑吉川さんのオススメより。こんなおしゃれなバイブレーターがあったなんて!さすがフランスブランド。バイブレーター18,700円/ピュイサント・ココ(ラブピースクラブ)
↑本体もパッケージも、リサイクルや再生可能素材にこだわった、こちらはイギリス製。美しいデザインはもはやビューティギアと言えるくらい。ミニトイGra(グラ)15,400円/ラブノットウォー(ラブピースクラブ)
GSM、デリケートゾーンの悩みは婦人科で相談を
GSMに悩んでいる人のなかには、間違った方法でデリケートゾーンをケアしている人が結構います。たとえばあなたは、体を洗うせっけんやボディソープで外陰部をゴシゴシ洗っていない?これは必要な潤いまで落としちゃう洗い方だから即やめて!デリケートゾーンは専用の洗浄料を使って、手でやさしく洗うのが正解です。
そして性交痛対策に欠かせないのが潤滑剤。体に害がない成分でできているので、安心してセックスが楽しめます。サラッとした水ベースのものや、しっとりしたオイルベースのものなど種類があるので、自身の好みで選ぶといいです。躊躇しないで毎回たっぷり使うことです!
↑吉川さんが絶大な信頼を寄せるブランド、「YES」。上がオイルローション、下がウォーターローション。自然成分にとことんこだわったイギリスブランド。【上】インティメイト・オイルローション3,960円・【下】インティメイト・ウォーターローション3,300円/YES(ラブピースクラブ)
また、全身に作用させるHRT以外に、局所に膣錠や膣座薬を入れたり、デリケートゾーンにホルモン外用薬を直接塗ったりする方法もあります。それにより膣粘膜の状況が改善し、不快な症状が良くなります。昔からあるポピュラーな治療法です。おすすめします。
いずれにしても、GSMはもちろん、デリケートゾーンの悩みやケア方法などは婦人科で相談するのが一番です。「こんなことくらいで…」と遠慮する必要なんてナシ!日々生活していくうえでQOLを上げるのはとっても大切なこと。ましてやそれが、心身の調子が激変する更年期ならなおさらです。おすすめの潤滑剤なども紹介してもらえるので、ぜひ気軽に相談してみてくださいね。
GSMは何の対策もしないまま放っておくと、骨盤底の筋力は低下し、膣粘膜の萎縮が進み、生活にも影響が出てきます。これまでは「年齢のせい」と諦める人も多かったトラブルだけど、幸い今はいろいろな治療法があります。まずは婦人科、または女性泌尿器科で相談し、正しいケアをすることから始めましょう。
月経がなくても、私たちが女性であることには変わりありません。自分の変化を受け入れながら、できることを工夫しながら、色々試してみるというのがとても素敵!と思います。
取材・文/上田恵子
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