『Never Ending Note』更新!! 娘の成人を機に…
子供が大学生ともなると、家にいるのかいないのかわからなくなり、にわかに空の巣症候群の我が家。
さらに来年度から一年間、イギリスの田舎に交換留学も決まってしまった。ロンドンから二時間半もかかる地方都市で、その大学にしか学びたい学科がないのだとか。
ほんとうに、いなくなっちゃうんだね・・・。
と、寂しい気持ちになったが、交換留学制度の審査に見事受かって、誇らしい気持ちもある。
あとは残された老夫婦と、猫だけの暮らし。今の大学を卒業するには、帰国してから一年間は家にいるだろうが、その後はまた海外に羽ばたいてしまいそう・・・。
「季節の記憶」のページには四季のイベント写真を。子供時代はあっという間に過ぎ・・・
昔は海外に行く家族や仲間とは水盃を交わすものだった。と、母によく言われていたが、私も外国に行ったり来たりして、ニューヨークに二年住んだ。
その頃、母がよく日本食材を送ってくれ、様子を見に叔母と訪ねても来た。なんとまぁ大袈裟なと思ったが、いざ送り出す身になってみると、その気持ちが分かる。
海外旅行大好き♥の我が半生。「My Life’s Best 10」のページには思い出深い旅ベスト10をまとめた。
あっという間だった子育ての日々。忘れずに今、書いておかないと…
子育ても、もう卒業が見えてきた。あっという間だったな。5月には還暦だ。
ここにきて、また『Never Ending Note』(以下、ネバエン)を更新する。
大切な人へのメッセージのページを、書き込むことにしたのだ。
書いとかないと、いつ何があるか分からないし、大切なことも忘れてしまいそうだから。
ネバエンが発売されたころはまだ四十代で、
「えー、遺書なんて縁起でもない書きたくないよー」
と思ったが、ミントブルーの令和バージョンが発売された頃には、すっかりアラカンでしかもコロナ禍だった。
今でこそ感染しやすく重症化しづらいウィルスになったが、最初の頃はもしかして自分も、コロナにかかって死ぬ可能性があるのではないかと不安になった。
やり残したことはないかと思い始め、コロナ禍を舞台にした大人女子リアリティ小説「ミスト」を書き始めた。
仲の良かった従姉が突然の死を迎えた主人公は、自粛生活中に自室でこそこそと過去を振り返り、エンディングノートを付け始める。大好きだった恋人との、若かりし頃の鮮烈な想い出・・・しかし、そんなことは夫や娘には知られたくない。大人女子のリアルな姿を書いたこの小説は、アワエイジで一年間、連載された。
そうこうしているうちに娘は高校を卒業し、大学生になった。するとますます、仕事以外にやることがない。
夫は年齢のせいとコロナ自粛も相まって、仕事がないときは日がな一日、テレビの前でゴロゴロいるようになった。
娘は部活やバイト、友達との予定が盛りだくさんで、家族の行事はほぼなくなってしまった。
「Message」のページに、成人式前撮り写真と娘への言葉を。恥ずかしくて口では言えないことを、忘れないうちに書き込もう。
だから久しぶりのイベントだったのだ。娘の成人式前撮りは。
娘が小さいときよく散歩に連れてったホテルニューオータニのお庭にて、カメラマンの夫は張り切って撮影した。
それを、頼んでもいないのにレタッチしまくって、すばらしい作品に仕上げた。折しもこの日は夫の誕生日。いい誕生祝いになった。
「My Favorite 私のお気に入り」のページ。二十歳の誕生日にティファニーのプチダイアモンドネックレスは委ねたが、ごついのは私が死んでからで。
大人女子、いよいよ「自分育て」の時!
子育て卒業となったら、あと何をして生きていこうかと、考える節目の大人女子。
今年はそのテーマで、「大人女子手帳2023」を製作し、新刊エッセイ「これから30年をゴキゲンに過ごす。」を書いた。
これまで家族のため、会社のために尽くしてきた大人女子たちが、これからは「自分育て」をするために。
終わらぬコロナ禍で自粛中だった夏、引き出しから母のメモ、「おタミの啖呵」が出てきた。
明治生まれの祖母、おタミさんの荒っぽい言葉が書かれたメモなのだが、それが実に今、コロナ不況で凹んでいる私たちに生きる力を与えてくれる。それを八本の軸にしたエッセイ本なのだ。
その中に「子育て」の章があるが、おタミさんと母と私の子育てポリシーは、その子を良く見て、真に理解し、その子らしい生き方ができるようにしてあげること。
だから娘に伝えたいメッセージも、「世界のどこにいても、貴方らしく生きてください」と書き残した。
「ファミリーマップ」のページ。 おタミさんが46の時、母が最後っ屁で生まれたため、80ン歳で大往生したとき、私はまだ2歳。
私は祖母を覚えていないが、母曰く私は祖母に似ているのだという。そして私の娘は、母に似ている。学校と勉強が大好きで、食べることが大好き。
女系家族の隔世遺伝――もし孫娘が私に似てたら、心配だけどw可愛いだろう。こうやって命は、つながれていくのだ。
「Memories of Family 家族の記憶」のページ 孫娘が生まれたら、またマウイに連れて行きたいな♪
娘の振り袖姿は、子育て終了の勲章だった。20年間、よく頑張りました!!
もぬけの殻になっている場合ではない。これから三十年をゴキゲンに生きるために、これまでの半生を振り返り、思い出を記録。
やり残したことを書き込んで、自分らしい未来を作って行こうではないか。
文・横森理香
★今回、横森さんが更新したエンディングノートはこちら。
『Never Ending Note~未来に残すエンディングノート 令和ブルーVer.』
2012年発売し、世代に関係なく書ける、新しいスタイルのエンディングノートとして話題になり、ロングセラーに。もしもの時の連絡先や保険や預貯金などの必要な情報はもちろん、自分年表、料理レシピ、旅の思い出、なんでもベスト10など、自分の記録ができる1冊。今までを振り返って書くほどに、これからやりたいことが見えてくる、元気になれるとの声も。2020年に相続などの法律などのコラムを改定し、ミントブルーの令和バージョンを発売。お友達や、パートナー、ご両親へのプレゼントに購入するかたも多い。
★横森理香さんが更年期との闘いを描いた著書
『コーネンキなんてこわくない』の詳しくはコチラ!