小野アムスデン道子
日本旅行作家協会会員。世界有数のトラベルガイドブック「ロンリープラネット日本語版」の編集を経て、フリーランス・ライターへ。旅と食や文化、アートなどライフスタイルについての執筆や編集、翻訳多数。OurAgeでも「大人ならではの旅の楽しみ方」を提案する連載「世界中からいただき！美＆元気のモト」が大好評。夫は米国人男性、米国ポートランドと日本を行き来しながらの生活を送っている
＜お悩み＞久々に旅行に行きたく、スーツケースを新調したいのですが、オススメはありますか？容量が大きいのがいいけれど、重いのはイヤ。そんないいとこどりなスーツケースってあるのでしょうか？また、旅のプロはパッキングの際、どんなテクニックを使うのでしょうか？（53歳・会社員）
＜回答＞日数や旅先、目的によって変わりますが「機内持ち込み最大サイズ」がおすすめです！
国内も室内でのマスク着用が任意になり、今年のゴールデンウィークこそ旅行に行こうという方が多いかと思います。まずは、旅行の日数や航空会社の違い、また飛行機の乗り換えのあるなしでどんなスーツケースを買うかの判断は変わります。
ただ、サイズでいうと私は国内外で何百回と旅行をしていますが、後述する「機内持ち込み最大サイズ」のスーツケースで収まっています。寒い時期の旅行で、５日間を超えるとさすがに満杯にはなりますが。それでも圧縮袋代わりになるような小分けバッグに衣服を詰めるなどパッキングの工夫でなんとか収まっています。
機内持ち込みサイズのスーツケースの「メリット」とは？
スーツケースの機内持ち込みをおすすめする理由は、ターンテーブルで荷物が出てくるのを待たないで済むことやロストバゲッジの危険性がないこと。特に国際線の乗り換えはコロナ以降、イミグレーションで時間がかかるケースもあるようです。ただし、国際線では100ml（g）を超える容器の液体物は機内持ち込みができませんので、ワインや酒瓶、液体の化粧品など、これ以上のサイズのものを運びたければ、預け入れ荷物にする必要があります。
一般的に、国内線・国際線の機内持ち込みが可能なスーツケースのサイズは、3辺の合計が115cm(JAL/ANA 55×40×25cm）、航空会社によって微妙に辺の長さに違いがあり、また国内線の100席未満ですとJAL/ANAとも幅45cm×高さ35cm×奥行20cm以内となります。
ソフトかハードかどちらを選ぶ？
私のスーツケースは、「トラベルプロ」の機内持ち込み最大サイズのソフトスーツケースです。サイズとともに、このソフト（布製）かハード（プラスチック・アルミ製）のどちらにするかというのも悩みますね。
ソフトは、片面開きで外ポケットがあるものも多く、容量が増えても多少なら膨らんで入れ込みやすい、軽量で持ち歩きしやすい。一方で、衝撃に弱く、四隅などを中心に傷みやすくはあります。ハードは、両面開きで収納スペースが分かれます。耐久性や対衝撃、セキュリティも外側が強固な分、優れています。
私は、国際線の短時間での乗り換えなど自分で荷物を運ぶ方ケースが多いことや、いろんなところ（時には夜行列車なども）に泊まるので、スーツケースを開けるのにスペースを取らないソフトタイプを選んでいます。最近は、ハードタイプでも超軽量のものもありますので、それぞれに重視する性能やデザインで選べばよいと思います。
黒のスーツケースは黒い汚れや傷は目立ちにくいのですが、自分のスーツケースを見つけにくいという難点も。私はかなり目立つ白いハンカチを結びつけ、誰のものかすぐ見てわかるようにネームタグと航空会社の会員タグも２つつけています。
パッキングには「洗濯ネット」を利用して！
私は、荷物でいちばんスペースを使う衣服は、メッシュの洗濯ネット（35×30cmくらい）に入れます。これ２つにTシャツやセーター、パンツやワンピースを分けていれると、かなり膨らみます。真ん中に空きが少しできるので、そこに化粧品など入れたポーチや、写真のように衣類やタオルで巻いたワインの瓶などがはまります。
液体の入った瓶は、実際はさらにこれをポリ袋に入れるか、プチプチとビニール包装が一緒になった専用の袋に入れます。下着などは、もう少し小さいメッシュ袋に入れて隙間を詰めるようにします。特に液体物を入れる時は中で動かないようにパッキングするのがポイント。チェックインの際には、割れ物「Fragile」というタグをつけてもらいましょう。私は、今のところこれで中身が割れていたことはありません。
あと常備品として、軽量折りたたみ傘、軽量のルームスリッパ、３個口コンセント、海外用変圧・変換プラグ、軽量トートバッグまたはエコバッグ、ポシェットかサコッシュ、ポリ袋１枚（エコ対応でまったく見つからない国もあり）は必ず入れてます。
私のスーツケースはもうかなり古いのですが、アメリカではジッパーなどまでメンテナンスもしてくれるので、長く使っています。旅のお供になるスーツケース、長く使うのであればメンテナンスの有無もチェックして購入されるとよいと思います。
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