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【ヨシダヨウコさんに相談!】「朝までぐっすり眠る」という睡眠を、まだあきらめたくありません

若い頃のようにぐっすり眠れない…更年期世代ともなると、睡眠になんらか問題を抱えがちに。今回は、なんとなく行っている日頃の習慣が、いかに睡眠に悪影響を与えているか、「OurAge賢者」快眠コンシェルジュのヨシダヨウコさんが「見直しポイント」を伝授します!

 

 

ヨシダヨウコ
快眠コンシェルジュ。漢方、発酵食、アロマ、呼吸、瞑想などを取り入れ、日々「質の良い睡眠」を探求しながら、各方面へ発信中。代表を務めるネムリノチカラでは、企業の健康経営セミナーや個人の睡眠相談に応じるなど、睡眠全般についてのサポートを行っています。連載「ニッポンマダムの睡眠改革」では、ひと味違う「質のいい睡眠のための提案」が好評!著書に『眠りのチカラ タイプ別睡眠改善&リッチ睡眠TIPS 101』(みらいパブリッシング)

 

<お悩み>

「最近“朝までぐっすり”という、質のいい睡眠が取れません。眠っても2時間ほどで目が覚めるので、枕元にあるスマホをチェックしたり、読書をしたりして寝落ち…を繰り返す日々。朝スッキリ起きられないので、疲れが取れず。寝るのが大好きなのに、最近は毎朝ガッカリです」(57歳・会社員)

 

<回答>
「リベンジ夜更かし」や「うたた寝」の習慣が原因かも?

 

睡眠にも「個性」があります

 

ご相談者さんの、「一度も目が覚めずに朝を迎える睡眠が正解!」という思いが、とても伝わってくるお悩みですね。けれど、「必ずしもそうとは言えない」というのが、最初のお答えになります。

 

なぜなら、一般的に「睡眠のサイクルは90分」とされてはいるものの、厳密に言えば、それは個人によって違うからです。1時間の人もいれば3時間の人もいて、睡眠サイクルはみんなバラバラ。睡眠にも個性がある、と捉えてください。

 

そして、年齢を重ねれば、「睡眠も老化する」というのが大前提。眠りの深さも、大人と子どもとはまったく違うので、「昔のようにぐっすり眠れない」というのも当然のこと。でも、「寝るのが好きだったのに、いまはつらくなってきた」という状態は悲しいですね。ご自身の、「今現在の睡眠の個性」を前提とした上で、改善策を探ってみましょう。

 

原因その1 日中の時間、圧倒的に「動いていない」

 

「夜の良質な睡眠は、昼間時間の通知表のようなもの」とは、私がいつもお伝えしている言葉です。「昼間どういう生活をしたかによって、その日の夜の睡眠で、どれだけいい成績を残せるかが決まる」という意味を込めていますが、日中は「活動的である」ことが、いい成績の絶対条件。

 

コロナ禍の3年間、テレワークなどでライフスタイルが変わった方は多く、その生活習慣がいまだ続いている人も少なくありません。職業によっては出勤していてもずっと座りっぱなし…という方もいて、「日本人は世界一、座っている時間が長い」というデータもあるほどです。そうすると圧倒的に、「運動量は足りていない」。単純に、体もさほど疲れてはいないので、「深い睡眠を要求してこない」ということは十分考えられます。

 

 

そういった背景を考えると、自宅にいることが多い方は、「スーパーは、少し先にあるところまで歩いてみる」。オフィスにいる方は、「コンビニは近所ではなく、2軒先にあるコンビニまで行ってみる」「用件がある階には、エレベーターではなく階段を使う」など、意識的に体を動かすことを心がけてください。日中、体を怠惰にさせているから、(睡眠の)成績表が悪く、よく眠れないのかもしれません。

原因その2 うたた寝をして、「睡眠圧」を放出している

 

夕食後〜入浴前など、本格的にベッドに入る前に、ソファーなどでうたた寝をしていないでしょうか。

 

帰宅時の電車で座ることができた際、非常に深い眠りに落ち、短時間でスッキリ!という経験は、多くの人にあると思います。この時、何が起きているのかというと、一日を通じて溜めてきた「睡眠圧」が、一気に放出されてしまっています。

 

朝、起きてから夜眠るまで、私たちは一日中体を使っているわけですが、そうすると、疲労とともに「眠りの圧」も一緒に溜まっていく。「鹿威し(ししおどし)」のように、竹筒に水が溜まり重たくなったら一気に反転して、筒から水が放流されるようなイメージです。

 

本来であればベッドに入った瞬間に、一日で溜めた睡眠圧を一気に放出できれば、眠りはぐんと深まります。けれども、夕食後やお酒を飲んだ後、ベッドではないところで「眠いから、少しくらい寝ちゃおうかなぁ…」とうたた寝をすると、その時は気持ちよくても、間違いなく、睡眠圧はそこで外れてしまいます。その後、本格的に寝るモードに入っても、途中で覚醒してしまうなど、睡眠の質が悪くなるのは明らか。お昼寝として「午後3時まで」睡眠の圧を限界まで溜めて、いちばん「良い圧」のところで眠るよう、意識して過ごしてみてください。

 

原因その3 眠る直前の「リベンジ夜更かし」が習慣になっている

 

本格的に眠る1時間前には、「スマホやPCなど、ガジェット類の光を目に入れない」というのは、良質な睡眠のための鉄則です。理由は「光の影響と脳への刺激」。相談者さんのように、途中で目が覚めると「ついスマホチェックをしてしまう」という方は、まずは数日でも、以下の3つにトライしてみましょう。

 

①寝る1時間前になったら、スマホやPCの電源を切る
②寝室にはスマホも本も持ち込まない
③途中覚醒した時は、一旦ベッドから離れて、リビングなどでぼんやりと、楽しいことを考える

 

夜中のスマホ イメージ写真

 

①や②が難しい、という人は、日中に自分のやりたいことが出来ていないため、「夜にその時間を取り戻そう」という、リベンジ夜更かしの習慣に陥る傾向があります。仕事や家事、育児等でそうなってしまうご事情はとてもよくわかるのですが、「睡眠時間を削ること」=「命を削ること」と考えてみませんか? そして遅くとも、寝る1時間前までの間で、自分の時間を取るよう調整したり、分散したりするよう、心がけてください(寝落ちするまで「動画イッキ見3時間!」の習慣も、ぜひべつの時間帯への移動をお願いします)。

 

③も、ベッドから移動した後は、スマホも本も禁止です。15分以上ベッドで眠れない時はリビングなどに移動し、ネガティブな考え事はせずに、「今度の休日は、気になっていたカフェに行こうかな」「映画を観に行こうかな」など、をぼんやりと考えながら白湯でも飲んで、思い描いて過ごすのがおすすめです。

 

そのうちまた、ふわっと眠気のリズムがやってきたら、そのサインを見逃さずにキャッチして、再び寝室・ベッドに戻りましょう。

 

では、今宵も良い眠りを。

 

取材・文/井尾淳子

 

 

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