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【ヨシダヨウコさんに相談!】熟睡できず、昼間も睡魔に襲われます。睡眠不足でしょうか? 

早く寝るようにはしているものの、途中で覚醒してしまい熟睡できない!(=だから疲れもとれない!)なと、OurAge世代にとって睡眠にまつわる悩みは尽きません。熟睡できない根本原因は何か、快眠コンシェルジュのヨシダヨウコさんと共に探ってみましょう。

 

 

ヨシダヨウコ
快眠コンシェルジュ。漢方、発酵食、アロマ、呼吸、瞑想などを取り入れ、日々「質の良い睡眠」を探求しながら、各方面へ発信中。代表を務めるネムリノチカラでは、企業の健康経営セミナーや個人の睡眠相談に応じるなど、睡眠全般についてのサポートを行っています。連載「ニッポンマダムの睡眠改革」では、ひと味違う「質のいい睡眠のための提案」が好評!著書に『眠りのチカラ タイプ別睡眠改善&リッチ睡眠TIPS 101』(みらいパブリッシング)

 

<お悩み>熟睡できず、昼間も睡魔に襲われます。

「年齢のせいか疲れやすく、夜は早く眠りにつくようにしています。けれど夜中に2度ほど、目が覚めてしまうのです…。朝も早い時は4時、大体は5時には目が覚めてしまい、熟睡できていないように思います。また、昼頃に睡魔が襲ってくることにも悩まされています」 (52歳・パート、アルバイト)

 

<回答>熟睡できていない原因をすべて洗い出してみましょう。

 

OurAge世代の睡眠推奨時間は、7〜9時間

相談者さんのお悩みから、まず「早く寝ている」という言葉が気になりました。文面からはわかりませんが、仮に夜は9時には寝ているとするならば、朝4時に目が覚めてしまうとしても7時間。朝5時であれば8時間睡眠をとっていることに。時間だけを見れば、睡眠は充分足りている、と言えるでしょう。

 

「朝は6〜7時くらいまでしっかり眠らなければ、寝たように思えない」という方は、私のセミナーにも多くいらっしゃいます。けれど夜9時から寝て、朝6時まで寝ていたとすると、9時間以上眠っていることになりますよね。

 

そこで知識として知っていただきたいのは、40代50代女性に必要な睡眠時間。米国財団National Sleep Foundationの推奨によれば、OurAge世代の人の睡眠時間は7時間から9時間が推奨されています(最低6時間、最長10時間)。その背景には、7時間から9時間くらい寝ている人の方が、体調を崩さず、よって亡くなることも少ないとされているからです。

 

まずはそこをご自身の睡眠時間の目安にしていただくといいのかなと思いますが、相談者さんの場合、睡眠時間としては足りているけれども熟睡感がない。ということは、量は足りているけれど質が悪い、というパターンではないかと思われます。とくに、昼間に眠気が襲ってくるというのがその証拠。では、この方の眠りの質が落ちている原因について、考えていきましょう。

 

可能性その1 眠りの環境が不安定

最初に振り返ってほしいのが、眠っている時の環境のこと。「夜中に二度程目が覚めてしまう」とのことですが、この方の年齢から、例えば大学生前後のお子さんがいて、夜中にアルバイトを終えて帰宅し、ドアの開け締めやお風呂の音がするなど、同居人の生活音についてはいかがでしょうか。

 

あるいは家のそばに大きな道路があり、車の音や外界の音が聞こえてくるということはありませんか?そういった音が耳に入ることによって覚醒し、睡眠の質が浅いまま朝を迎えている、という可能性も考えられます。

寝室の音 イメージ写真

 

可能性その2 更年期による不調

相談者さんの52歳という年齢から、おそらく現在は更年期の真っ最中ではないでしょうか。更年期の症状が不眠に出るというパターンの人も、決してめずらしくはありません。

 

睡眠中、「ホットフラッシュのような暑さで寝汗をかく」「手足が冷えて寒い」「体が痒くなる」といったことは起こっていませんか?更年期によって女性ホルモンのバランスが乱れると、自律神経のスイッチがうまく働かずに、暑さや冷え、痒みなどの症状が現れて睡眠の質も低下、熟睡できていない可能性は大いに考えられます。

 

可能性その3 昼間の活動量が少ない

不眠のお悩みで必ず確認するのは、昼間の行動はどうか、という点です。相談者の方は「パート・アルバイト」とのことですが、例えば事務職であったり、座りっぱなしの作業であったり、あまり体を動かすことのないデスクワークが中心ではないでしょうか。もしそういった仕事で日中の活動量が少ない場合、寝付きが悪く、深く眠れないということはよく起こります。

 

「熟睡できていない気がする」と文面にもあるように、深く眠れずうつらうつらしているだけで、ただ睡眠時間が過ぎているのかもしれません。私たちの体は原始の時代から、日中は動くことを前提としたシステムにつくられているもの。「昼間あまり動かない」というライフスタイルは、睡眠の観点から言えば、やはり問題と言えるでしょう。

 

可能性その4 睡眠時無呼吸症候群の影響

「昼間に眠気が襲ってくる」という状況から、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の可能性もあります。これは眠る際、舌が落ち込むなどの要因で気道が塞がれ、眠っている間に呼吸が止まる状態が繰り返される病気のこと。女性の場合は更年期のホルモンの変化により、気道を支える筋肉が弱くなり睡眠時無呼吸症候群になる可能性も。寝室を共にするパートナーも、「最近よくいびきをかいてるけれど、きっと疲れているんだな」という気遣いからあえて指摘せず、本人も気が付かないまま、というケースはよくあります。

 

「睡眠日誌」をつけましょう。
ライフスタイルと不眠の因果関係が見えてきます。

さて、この方のケースひとつとっても、熟睡できていない原因はいくつも考えられることがわかりますね。そこで私からの提案は、「睡眠日誌」をつけてみること。

 

何時に寝て、何時に起きたのか。前日の食事の時間や内容、どのくらい体を動かしたか。就寝前に湯船に浸かって入浴したか。動画配信を観ながら寝落ちしていないか……等々、簡単なメモ程度でいいので、ぜひ2週間分くらいの記録をつけてみましょう。睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は、耳鼻咽喉科あるいは呼吸器内科の受診が必要ですが、そうではない場合、案外シンプルな原因が浮かび上がってくるものです。

 

アプリよりも手書きをおすすめしたいのですが、その理由は、朝起きた時の気持ち、気分なども書き留めて欲しいから。「今日は寝起きがスッキリ!」という日があれば、前日の行動を振り返ることで、「日中に運動していた」「夕食を早く食べ終えていた」などの因果関係も見えてくるでしょう。自分のことは案外、自分でもわかっていないものなのです。

 

 

「ネムリノチカラ」のLINEにお友だち登録いただければ、オリジナル睡眠日誌がダウンロードできます。ご興味のある方は、ぜひLINEでネムリノチカラを検索してみてくださいね。

 

では、今宵も良い眠りを。

 

取材・文/井尾淳子

 

 

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