【今回のOurAge賢者】
吉川千明
美容家、オーガニックスペシャリスト。自然や植物の力に着目し、オーガニックコスメをはじめ、スパ、漢方、食にいたるまで、ナチュラルで美しいライフスタイルを提案。連載「ハッピー女神プロジェクト」でも、更年期の健康、美容について多角的に発信している。産婦人科医・対馬ルリ子氏との共著『「閉経」のホントがわかる本 ~更年期の体と心がラクになる!』が好評発売中
<悩み>
以前、「更年期になると、月経時のナプキンもかゆく感じるようになる」という、吉川千明さん回答のお悩みを読みました。私も最近同様に、ナプキンによってデリケートゾーン全般がかゆくなってきました…。ナプキンが問題なのか、それとも他の原因があるのでしょうか? フェムケアアイテムの選び方についても知りたいです」(47歳・会社員)
<回答>原因は生理用ナプキンではありません。更年期で乾燥が進んでいるため、正しい対策を立てましょう!
更年期に差しかかると、女性ホルモンであるエストロゲンの減少により、肌や粘膜が乾燥しやすくなる、というお話は以前もしましたね。とくに外陰部にかゆみや乾燥が生じる状態は、GSM(閉経関連泌尿生殖器症候群)の典型的な症状といえるでしょう。
私自身の経験からも思うのですが、更年期は初期段階の方が、何かとダメージが大きいように感じます。ホルモンの変化に体や心がまだ適応できておらず、症状が強く出ることがあるのではないでしょうか。そこで結論から先にお伝えすると、ナプキンの素材や形状が原因というよりも、更年期による影響で、相談者さんの乾燥状態が進んでしまっていることが原因ではと思います。
そこで、この乾燥の状態を念頭に置いて、具体的な対策をお話していきますね。
対策その① 洗い方を見直す
デリケートゾーンのケアにおいてまず考えたいのは、「どんなもので、どう洗っていますか?」ということ。デリケートゾーンには、専用ソープを使用することがマストですが、その点はいかがでしょうか? かゆみを感じていない人であっても、専用ソープ以外のもので洗うことは避けるべきです。
例えば、顔用の高価なソープとか、ボディ用ソープで洗うのはNGです。肌のpH値に着目すると、顔や体はおおよそ5.5程度の弱酸性ですが、デリケートゾーンはpH4~5の範囲が適しています。そのため、専用ソープ以外のものでデリケートゾーンを洗うと、pHが合っていないことから肌を傷めてしまう可能性があります。とくに、浴用石鹸のような、「汚れが落ちて、清潔そう!」という印象の製品でゴシゴシ洗うのは逆効果!
OurAge世代にも多い間違いは、「かゆみ=菌や汚れ」という思い込みです。強く洗うことで症状が悪化し、かえって皮膚が剥けたり、傷ついたりすることを覚えておいてください。
対策その② 良質なデリケートゾーン専用ソープを選ぶ
デリケートゾーン専用の洗浄剤を使用しても効果がない場合は、選び方をさらに慎重に行う必要があります。昨今のフェムケアブームによって、実にさまざまな商品が出ている現状ですが、「それだけに玉石混交である」という事実はお伝えしておきたいのです。
かゆみが出やすい時は特に、香りの良いものよりも、成分の安全性を重視することがポイント。正しい選択が症状の緩和につながる、と心得てくださいね。
多くの中から、私が特におすすめするアイテムをご紹介します。
インティメイト・フォームウォッシュ無香料 ¥3,520/YES
現在131カ国で展開されているブランドの「YES」は、イギリスの産婦人科でも使用されている信頼性の高い専用ソープ。オーガニック素材を使用し、防腐剤などの余計な成分が含まれていないため、とても安心。さらに、世界で最も厳しいとされるオーガニック基準を満たしており、製品の品質が保証されています。
フェミニンウォッシュ(350ml)¥4,950/明日 わたしは柿の木にのぼる
吉川さんも使用し、「成分の柿の抗酸化作用が気に入りました」とのこと。ユニークなブランド名の由来は、福島県中通り北部・国見町で栽培されているあんぽ柿から。製造⼯程で惜しくも廃棄されていた柿の⽪を原料に採⽤。菌バランスを崩さない、デリケートゾーンのpH値(3.8-4.5)を踏まえた弱酸性で、石油系界面活性剤をはじめ、防腐剤や鉱物油も無添加で安心。
対策その③ 紙よりも布を活用する
紙ナプキンは便利ですが、不織布の性質上、痒みの元となることがあります。最近は、デリケートな肌のために表面がコットン素材のものが出ています。そちらに替えてみるのも良いでしょう。
それでもダメなら、布を活用するようにしましょう。例えば、シルクやオーガニックコットン製の布ナプキン。私も使用していましたが、肌に優しく、摩擦や乾燥を軽減する効果もあり、おすすめ。漏れが心配なら、布ナプキンの下に月経パッドを敷いておいてもいいでしょう。
最近の商品で言えば、経血や尿漏れを吸収する機能を持つ吸水ショーツがあります。さまざまなデザインや素材のものが出ているので、ぜひ使用してみてください。
デリケートゾーンにかゆみが出てきた時には、慌ててかゆみ止めの軟膏などを使う前に、まずはこの3ステップから改善してみてください。寝ている間に掻いてしまい、皮膚粘膜のバリアが壊れている時は、かゆみ止め軟膏にもかぶれてしまうおそれがあります(軟膏を長く使用することについては、副作用の観点から、慎重になるべきだと思います)。
落ち着いて、まず洗うもの・日々使うものを変えてみること。それでもかゆみが残る場合は、お風呂上がりに水気を取った後、シンプルな成分で配合されたオイルやバームなどをつけて保湿もしましょう。私が愛用しているのは、専用ソープで紹介したブランド「YES」の「インティメイト・オイルローションOB」 。とにかく安心の成分なので、おすすめですよ。
これらの対策でずいぶん変わるのでは、とは思うのですが、改善しない場合は、専門医にご相談なさってくださいね。
取材・文/井尾淳子
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