新型コロナウイルスの拡大で「免疫力のある健康な状態の維持」を誰しも意識しているのではないでしょうか? 自宅で過ごす時間が増えて、食事も自分たちで作ってという人が増えたと思います。私も同じく、なるべく体にいいものをと意識することが前より増えたのですが、家族が住むアメリカのポートランドと比較して、意外に日本では見つけにくいのが“オーガニック”なものなのではないでしょうか。
アメリカ北西部オレゴン州の都市ポートランドは、市内をバスや軌道交通といった公共交通を使って移動できる街。緑も多くて住みやすく、サステイナブルでヘルシーな暮らし方への意識も高いです。スーパ―マーケットに行けば、その規模の大小を問わず、オーガニックのセクションが必ずといっていいほどあります。
生鮮食品はもちろん加工品や、スキンケア・化粧品、サプリなどもオーガニックのコーナーがあって選択肢が広いのです。日本では、生鮮食品のオーガニックコーナーを設けるスーパ―マーケットは見かけるようになってきましたが、やはりまだ専門店や直販で購入というケースが多いように思います。
オーガニックは国ごとに認証機関があって、アメリカの有機認証は「USDA (United States Department of Agriculture)」というもので、たとえば農作物でいうと「栽培地で3年以上農薬を使用していないことやオーガニック栽培計画書などの証明資料とオーガニック製品を提出し、政府の承認を得た検査官による現地査察が必要」と厳しく、認証後も、査察は毎年行われます。
それだけにお値段も少し高めではありますが、果実や野菜の葉ものなど全体を食べるものは、オーガニックを選ぶなどしています。
また、加工品などいろいろなものが含まれる場合の認証については、オーガニック原料の含有率により①100%Organic、②Organic(95%以上オーガニック原料の製品)、③Made with Organic ingredients(70%以上オーガニック原料の製品)の3種類に区分されています。
食品でUSDAのオーガニックのマークを使用できるのは、①と②の95%以上オーガニック素材を使用した食品のみ。シリアルのLOVE CRUNCH(ラブ クランチ)は、穀物類にドライフルーツやナッツや甘過ぎないダークチョコレートも入っている大好物なのですが、これにもUSDAマークがしっかり入っていて安心です。このラブ クランチは、日本の近所のスーパ―マーケットで輸入品を売っています。
日本の有機認証はJASマークがついていますが、アメリカと日本は2014年に国同士オーガニックについての同等性相互認証をしていて、どちらの国でもオーガニックであるという表示をして販売が可能になっています。
ワインは日本でも “有機ワイン”や“ビオ”などオーガニックなワインに比較的親しみがあると思います。日本でも売られているカリフォルニアの「Frey Vineyardsフレイヴィンヤード」のワインは有機ぶどうだけを原料にしていて、亜硫酸塩ほかの酸化防止剤を使用せず、熱処理もかけていません。身体にもよいし、ぶどうの果実味をストレートに味わえるのも気に入ってます。USDAのほかにCCOF(カリフォルニア オーガニック認定団体)の検査と認定も受けています。
Photo by Kengo Watanabe
アパレルもオーガニックコットンの優しい肌触りは、やはりいいなと思うのです。オレゴン州で家族経営企業の「ORGANIC THREADSオーガニックスレッズ」というオーガニックコットンソックスのブランドがあって、ちょうどよいしまり具合と柔らかな履き心地とのバランスや、生成りの自然な色がとてもいい感じです。
アメリカで身近な感じのオーガニックな暮らし。やはり手がかかっている分、お値段はやはり少し高めですが。日本でももっと選択肢が広がればいいなと思います。