【登場OurAgeライター】
ミホ
健康、医療、美容、ダイエットをテーマに雑誌やWeb、書籍で執筆するヘルスケアライター。ワインエキスパートの資格あり。20年以上前に温泉ソムリエを取得。温泉と酒と鉄道をこよなく愛す。特に秘湯が好きで、過去に「日本秘湯を守る会」のスタンプ帳を2回コンプリートした経験あり。最近ハマっているのは推し活(平野紫耀くん強火担・Number_i箱推し)。
ミワ
ダイエット、美容記事のほかトラベル媒体でラグジュアリーホテル、宿の取材歴多数。健康と美容と旅を追求するヘルスケア&トラベルライター。温泉好きが高じて温泉ソムリエを取得。温泉とマッサージと猫をこよなく愛し、いいお湯を求めて、全国の温泉を渡り歩く。
箱根「はつはな」で、温泉版「ホカンス」大満喫の旅
ミホ このところ、原稿書きに追われてヘトヘト。いつもなら鄙びた温泉へ湯治に行くところだけど、そんな場所に行く元気もないのよ。ラグジュアリーホテルに詳しいミワさん、上げ膳据え膳でいろんなお風呂に入れて、東京から近い大人のための宿ないかしら?
ミワ いいところがあるのよ、ミホさん。ラグジュアリーホテルで温泉にこだわっているところってそう多くないのね。でも、箱根のホテル「はつはな」が「館内だけで湯めぐりできる」と聞いて、ずっと行きたいと思っているの。今、流行っているホテルから一歩も出ずにバカンスを楽しむ「ホカンス」の温泉版がここならかなうわよ。
ミホ 箱根で「ホカンス」! 近くていいわ~。ミワさん、行ってしまいます?
ミワ そうねミホさん、行きましょう!
新緑パワーをいただきながら、極上の温泉体験
ミホ バスでかなり山をのぼった気がするけれど、平屋の建物なのかしら?
ミワ それがミホさん、エントランスは6階建ての建物の最上階なんですって! ほらロビーの前に展望テラスがあるわ。
ミホ 湯坂山の新緑が広がって、絵画のようじゃない! 素敵…。
ミワ 展望台の前に立つミホさん、まるで某有名鉄道会社の某大女優のCMのようよ、お美しいわ。4月末の今は新緑だけど、桜の時期はヤマザクラがキレイなんですって。
ミホ 桜もロマンがあるわ~。でも私は新緑が好き。お風呂に入る前から癒されてきたわ。
ミワ 早すぎ(笑)。ここには男女入れ替え制の大浴場がふたつ、趣向の違う貸し切り風呂が4つ、部屋にも露天風呂がついているのよ。湯治エステも予約したから、バンバン温泉に入らなければ。急いで、ミホさん!
ミホ その極楽プラン素敵すぎるわね。まずは部屋で浴衣に着替えましょう。
露天風呂付きのラグジュアリーな部屋に大興奮
ミワ (部屋に入った二人)わぁ~何、この湯坂山の新緑で埋め尽くされた広い窓とゆったりしたソファ♡ ラグジュアリー感爆発だわ。私、財閥令嬢だったかしら。あとはイケメンがダンプカーにひかれないで、ここに迎えに来てくれれば完璧よ。
ミホ ミワさん、韓流ドラマの見すぎよ。私ならこんな素敵な部屋の大きなテレビでNumber_iのMVを見られたら、それだけで幸せ♡(妄想中)
ミワ そんなことより、こっち見て! 畳の部屋もあるわ。二人でみかんを食べたくなるわね、ミホさん。
ミホ こっちのベッドルームもとても広くて、いい夢が見られそうよ。窓辺にはワーケーション用のデスクも! 作家先生のように「ホテルで缶詰め」をさせてくれないかしら。あっと驚くような原稿が書ける気がするのだけれど。
ミワ 見て見て! 私たちが求めていたのはコレよ。山のマイナスイオンを浴びながら、部屋付きの露天風呂に入れるなんて夢のよう♡ 周りから見えないし、裸族になってもいいくらいね。
ミホ それだけはやめてくださいね、ミワさん。ところで、まずはどのお湯から入る?
ミワ そうね…部屋のお風呂はいつでも入れるから、まずは大浴場へ行きましょう。
レトロなスロープカーに乗って美肌の湯へ
ミホ 私たちは客室棟3階のお部屋だから、温泉棟1階の大浴場「竹の葉」へは、連絡通路を渡ってスロープカーに乗って行くんですって。このレトロなスロープカー、ワクワクするわね。
ミワ これだけ大きな施設なのに本当に静かね。ここのお湯は「はつはな」のためだけに引いている自家源泉。贅沢よね~。アルカリ性単純温泉で、特にpH(水素イオン)値が9.1と高濃度だから、かなり質の高い美肌の湯だわ。肌の弱いミホさんにもピッタリのお湯ね。
ミホ 手でお湯をすくうと、少しとろみがあるものね。青々とした竹を眺めながら、お湯につかれるなんて本当に気持ちがいいわ~。
ミワ こっちの檜風呂からの景色も素敵よ。須雲川のせせらぎの音と極上のお湯、そして新緑……。世俗の毒にまみれた心と体が浄化されていくのを感じるわ。
ミホ 自分が山の一部になった気持ちがするわね。こういう自然の地形を生かして造られた施設、とても好感がもてるわ。それに日帰り温泉をやっていないというのもうれしいわよね。
ミワ だから静かなのね。日帰り温泉を受け入れていると、18時頃まではざわざわしているものね。
ミホ こんな温泉があと5つもあるなんて、ここは温泉マニアにとって天国のような場所。いつまでも入っていられるわね~。
ミワ あら、もう16時じゃない⁉ ミホさん、大変! 夕食前にトリートメントの予約をしてあるのよ。
ミホ さすがミワさん、抜かりがない!
ミワ ここのリラクゼーション「まほろみ」の「季節の一夜湯治」トリートメントを予約済みよ。人づてに聞いて、以前から気になっていたのよ。
ミホ ミワさん、仕事柄マッサージにうるさいものね。
ミワ ここのトリートメントは都内では味わえない、温泉地専門につくられた、少し変わったものらしいわ。たったひと晩で、何日も湯治をしたようなデトックス感とリラックス感が味わえるそうなの。それを聞いたら、行くしかないでしょ。さあ、いざ客室棟5階の「まほろみ」へ!
寝落ち必須!「一夜湯治トリートメント」はプチ湯治効果倍増
ミホ 今回の旅のテーマは「ラグジュアリーな湯治」でしたわよね、ミワさん。温泉+トリートメントなんて、ラグジュアリーの極みね。
ミワ まさにそうね! ここ「まほろみ」は、漢方がベースのトリートメントなんですって。温泉の効能を十分に巡らせられるように体を整えるトリートメントだから、たった1日でも温泉効果を実感したいプチ湯治には、ぜひ取り入れたいセラピーなの。
ミホ カップルルームもあるけれど、今日、私たちは別々のお部屋ね。では、サヨウナラ、ミワさん。
(「季節の一夜湯治」(90分)¥25,000(税・サ別)を体験。その後……)
ミワ あまりの気持ちよさに90%くらいは寝てしまって…。うつ伏せからあお向けになったときの記憶しかないのよ。でも、体が雲の上を歩いているくらい軽いわ~。
ミホ ミワさん、なんてもったいない! でも、私、あなたに謝らなければいけないわ。実は温泉宿に高いレベルのトリートメントを期待していなかったの。でも、ここのは別格! マッサージの力加減やもみ方が絶妙で、私も後半、寝落ちしてしまったわ。体の中の悪いものが浄化されたのか、体が軽くて空を飛べそうよ。
ミワ 呼吸に合わせて、背中をさするセラピストさんの手のストロークがゆっくり、長くなっていって、呼吸が深くなったときにはもう寝落ち。
ミホ 湯治に時間をとれないときには、温泉+エステという奥の手もおすすめね。
ミワ 温泉とエステで悪いものが全部出切ったから、お腹が空いてきたわ。ご夕食をいただきにダイニング「はなゑみ」に行きましょう。
見て眼福、食べて口福。五感で楽しむ夕食
ミワ ダイニングの席から見える緑もキレイだわ~。
ミホ 見て、ミワさん。ワインや日本酒とのペアリングも充実しているわ。酒好きにはたまらないわね。
ミワ さすが、のんべえミホさん。視点が違うわ。私は「はつはな」オリジナルのビールで。
ミホ 私は、せっかくだから神奈川県地酒3種(¥5,800(税・サ別))をいただく。神奈川県でも日本酒を造っているのね~。
ミワ 温泉だけでなく、ここのお食事を目当てに訪れる人も多いんですって。今日のメニューは「モダン懐石 はなゑみ」の卯月のお献立よ。
ミホ わ~、かわいい~、この器♡ 開けて組み立て直すと桜の花びらの形よ。
ミワ 季節のお花があしらわれて彩りもキレイね。いただくのがもったいないくらい。
ミホ お酒のおつまみにも、ちょうどいいサイズと味加減。
ミワ だしの効いた繊細な味つけで、どれもこれもおいしいだけでなく胃に重たくないのも、私たち世代にはうれしいわ。
ミホ そうなのよ。旅館の食事はたいてい品数が多すぎて残すのが悪いと思いながら、年齢的に完食は厳しいじゃない。ここの食事はたくさんの種類の地物や旬の物を、少しずついただける最適な量ね。最後のご飯までしっかり完食♡
ミワ お食事が来るたびに気の合うミホさんとお話が弾んじゃうし。ゆっくり2時間かけてお食事をするなんて、何年ぶりかしら? 幸せな時間ね。
ミホ この続きはラウンジでお酒を飲みながらお話ししましょう。
ミワ ミホさんたら、まだ飲むの? このあとにお部屋の温泉に入るから、ほどほどにしましょうね。
ラウンジタイムには、ビール、ワイン、日本酒などのお酒のほか、ソフトドリンクやコーヒー、お茶などもフリーでいただけます。
部屋の露天風呂につかれば、夜のおしゃべりも弾む
ミホ 外の景色は真っ暗だけれど、樹木の香りをかぎながらの露天風呂も最高。
ミワ 熱くなったらバスローブをはおって防水ソファに寝転び、冷えたらまた温泉。究極のラグジュアリー湯治ね。
ミホ 誰にも邪魔されず、人に気を遣う必要もなく、気心の知れた二人でのんびりおしゃべりしながら、ずっとお風呂に出たり入ったりを繰り返すことができるなんて。大人女子の二人旅の最高のスタイルじゃないかしら。
4つの貸し切り風呂で、湯巡りを楽しむ!
ミワ 朝食前にも部屋の露天風呂をいただいたけれど、まだ私たちやり残していることがたくさんあるのよ。
ミホ 残り4つの貸し切り風呂ね。でもチェックアウトまで4つは入れないわ。ひとつを選ぶなら、私は立ったまま入れる深湯があるという露天風呂「川音(かわと)の湯」に行きたいわ。
ミワ 立ったまま入れるインフィニティスタイルの露天風呂は初体験♡ 湯船の中の階段を下りていくと、緑の中に溶け込んでいくような不思議な感じ。
ミホ 寝湯もいいわね~。貸し切り風呂なのにくつろぎスペースも広いし、1回45分も時間があるし、カップルや家族で一緒にゆっくり温泉を楽しめそうね。
ミワ ほかの3つの貸し切り風呂も素敵なんでしょうね。入れなかったのが悔やまれるわ…。
ミホ 次回のお楽しみにとっておきましょうね。
こちらが入ることのできなかった貸し切り風呂「水面(みなも)の湯」「静寂(しじま)の湯」「明灯(あかり)の湯」。
「水面の湯」
静寂の湯
明灯の湯
大人女子世代の親孝行にもぴったりな宿
ミワ 1泊2日だったけど、完璧なプチ湯治だったわね、ミホさん。
ミホ お風呂のお湯は肌に優しいし、お湯は同じでもそれぞれのお風呂で雰囲気が違うから、まるで何カ所も湯巡りをしたような気分。ミワさんのようなお友達との二人旅も良いけれど、今度は母を連れてきてあげたいわ。
ミワ それはいい提案ね! とても静かだし、私たち世代の高齢の親も安心してゆっくり過ごせそうだもの。
ミホ 「はつはな」は大人女子世代の親孝行旅行にもぴったりね。
ミワ 疲れも取れたし、そろそろ現実世界に戻りましょうか。でも、せっかく箱根まで来たんだし、日帰り温泉にも寄っていきません?
ミホ そうね、箱根にはいい施設がたくさんあるものね。
ミワ では、“おかわり温泉”してから帰りましょう!
DATA
はつはな
住所 神奈川県足柄下郡箱根町須雲川20-1
電話 0460-85-7321(受付時間10:00~19:00)
取材・文/山本美和