↑3館周湯チケットは2日間有効で¥1400とお得
道後温泉に行ったら、3つの公衆浴場をコンプリートすべし!
↑7月11日に全館営業を再開した道後温泉本館の入り口。ライトアップされた夜の雰囲気も情緒があって素敵♡
ミワ 道後温泉というと、純和風の建物、威風堂々とした唐破風(からはふ)が出迎えてくる正面玄関が目印の本館、をイメージするでしょ。
ミホ そうね。道後温泉の公衆浴場といったら本館を指すのだと思っていたわ。
ミワ もちろん本館もそのひとつなんだけど、道後温泉にはほかにも2つ、合わせて3つの公衆浴場があるのよ。
ミホ へ~、そうなの? お湯はそれぞれ違うのかしら?
ミワ いいえ。3館とも共通して、肌に優しい美人の湯と呼ばれるアルカリ性単純泉。前回もお話したけれど、道後温泉は松山市が管理している約20度から55度の湯温の異なる18本の源泉から42度の適温になるようにブレンドしているお湯。まず、市民のための公衆浴場にそのお湯が分配されるから、3つのどこのお湯でも加温・加水なし、源泉かけ流しの極上の湯が味わえるわよ。
ミホ あらそうなのね。でも、だったら、道後温泉本館だけ行けばいいのでは?
ミワ ミホさん、その考え方がもったいないのよ! 多くの観光客がそう考えてしまうんだけど、お湯は同じでもそれぞれ雰囲気が違うの。ぜひ、3つすべての温泉に行っていただきたいわ。
ミホ それでミワさんは3館を館を周遊できるチケットを購入したのね。
ミワ 道後温泉本館と道後温泉別館 「飛鳥乃湯泉(あすかのゆ)」は、大広間や個室の休憩室を使えるプランも魅力なんだけど…。とりあえず3つの温泉が気になったから、湯巡りするために3館周湯チケットを買ったの。有効期限は発行日を含めた2日間で、それぞれ1回ずつ入浴することができるの。大人は1,400円で、通常の2割引きなんですって。
ミホ それはお得ね!
ミワ でしょ? まずは気軽に銭湯気分で地元の人に愛されている「椿の湯」をご紹介するわ。
石造りの浴槽はまるで日本版テルマエロマエ⁉な椿の湯
↑蔵屋敷風の外観が目を引く椿の湯
ミワ ここは松山市の市花「椿」がシンボルの温泉。地元の方にお話を伺うと、ご年配の方ほど道後温泉に行ったら椿の湯に入るとおっしゃるわ。
ミホ 私の今までの温泉経験から、地元で人気のお湯にはずれはないわね。
ミワ 今でも家のお風呂に入らずに、ほぼ毎日、椿の湯に通われている方もいるらしいのよ。
ミホ なんて贅沢!うらやましい!
ミワ 道後温泉本館から歩いて2分くらいで、道後商店街の真ん中にある蔵屋敷のような大きな建物が目印よ。
↑ちょうど七夕まつりの飾りがされていた椿の湯の入り口。朝から地元の方がたくさん訪れます
ミホ 玄関の大きなのれんも風情があるわね。
ミワ 温泉が混む前にと思って午前中に来たんだけど、もう地元のおばあちゃんたちが朝湯を堪能していたわ。私たちにとっては観光の湯だけど、地元の方にとっては銭湯だものね。こんな素敵な銭湯、家の近くにあったら天国だわ。
出たり入ったり、浴室で思い思いにゆったりした時間を過ごす
↑天井が高くて広々とした気持ちのいい浴室。
ミホ 浴槽は広々しているわね! 気持ちがよさそう。
ミワ そうなの。天井が高くて外の光も入ってくるから明るいし。浴室は花崗岩が使われた石造り。真ん中には道後温泉本館にもあった湯釜が鎮座していて威厳があるの。この雰囲気どこかで見たことあるってずっと考えていて思い出したのが、マンガや映画で有名になった「テルマエロマエ」のローマ風呂。雰囲気が似ていない?
ミホ あの顔の濃い人たちの湯? 私たちは平たい顔族でしょ(笑)。
ミワ そうなんだけど、地元の方が気持ちよさそうに湯に浸かったり、体を洗ったり、広々とした石造りの空間でお湯を思い思いに楽しんでいるでしょ。その温泉愛と石造りの浴室の感じがテルマエロマエなのよ。
ミホ ローマ人が入っていても違和感なさそう。それを聞いて、ますます行きたくなってきたわ。
ミワ もちろん入っても気持ちがいいのよ。本館同様に浴槽も深め。42度の熱めのお湯だから、少し肩までお湯につかったら、縁に座ってひと休み。浴槽が広いから、本当に気持ちがいいの。私の行った午前中は人が少なかったから、とても静かで落ち着いた時間を過ごせたし。
ミホ そんなに何回も出たり入ったりして、湯あたりは大丈夫だったの?
ミワ 私だけかもしれないけれど、道後温泉のお湯はやさしいからかしら。一日に3館はしごして、それぞれ数回ずつお湯につかったけれど、湯あたりはしなかったわ。
ミホ さすがミワさん。温泉ボディね(笑)。
ミワ それに椿の湯は外気にあたれるイスもあるのよ。体がほてったら、ぼんやりイスに座って外気浴。サウナの温泉バージョンで、すっかり整いました(笑)。
ミホ サウナ好きのミワさんがサウナナシで整うんだから、素晴らしいお湯ね。
ミワ しかも椿の湯は何と大人450円なのよ!
ミホ そんなにお安いの? 近くに住んでいたら、私も毎日通ってしまうわ。何度も言うようだけど、地元の方が本当にうらやましいわね。
聖徳太子も訪れた飛鳥時代をモチーフにした「道後温泉別館 飛鳥乃湯泉(あすかのゆ)」
↑入口を入って1階が浴室、2階が大広間
ミワ 椿の湯の隣にあるのが、もうひとつの公衆浴場「道後温泉別館 飛鳥乃湯泉」。椿の湯とはまた違った雰囲気なの。
ミホ ほんと! 外観からして全く違うわね。
ミワ 道後温泉は西暦596年に聖徳太子も訪れたという日本最古の温泉。そんな飛鳥時代の建築様式を取り入れて、2017年にオープンしたのがここ。明治時代の近代建築の代表・道後温泉本館と飛鳥時代の建築様式を取り入れた飛鳥乃湯泉、2つの時代の雰囲気を取り入れたお風呂が楽しめるのも、ほかの温泉地にはない道後温泉の楽しみ方のひとつね。
ミホ 温泉タイムトラベルね、面白いわ。お湯は本館や椿の湯と同じ美人の湯なのでしょ?
ミワ 道後温泉は3館とも同じ泉質よ。違うのはその浴室ね。
美しい砥部焼(とべやき)に囲まれた美術館のような浴室
↑道後温泉発見のきっかけとなった、シンボル白鷺を描かれた砥部焼の陶板壁画
ミワ ここの浴室も広いんだけど、浴槽を囲むように設置された大きな砥部焼の陶板壁画が圧巻! また椿の湯とは違った、伝統工芸品が並ぶ美術館の中でお湯につかっている気分になるのよ。
ミホ 全国の温泉を渡り歩いているけど、そういうタイプの温泉にはつかったことがないわね。
↑和の雰囲気たっぷりの露天風呂はこじんまりしていて落ち着いています
ミワ 全国でも珍しい温泉じゃないかしら。そして道後温泉の3つの公衆浴場のうち、ここだけ露天風呂があるの。そこにも「媛ひのきデコラパネル」という、松山市の伝統工芸の木の彫刻が壁に飾られていて、こちらも気持ちのいい空間だったわ。
ミホ 道後温泉と伝統工芸の融合している温泉なのね。
ミワ そう。愛媛や松山市の伝統工芸品を勉強することもできるわよ。
ミホ 温泉のそういう楽しみ方もユニークね。
大広間でぬるめのお茶を飲みながら、ゆったり過ごす
↑伊予竹細工やグルディング和紙など、伝統工芸品がふんだんに使われた美しい休憩室
ミワ そして、ここに行ったらぜひ二階の大広間で休憩してほしい! 60畳もあるから広々としていて、癒されるから。本館と同じようにお風呂から上がると、ぬるめのお茶とお茶菓子のおもてなしがあって。友だちや家族とわちゃわちゃするより、ここはひとりでゆったり、貸し浴衣を着てお茶を飲んでゆっくり過ごしてほしいわ。あまりの気持ちよさに時間を忘れそうになるわよ。
ミホ えっ? ミワさん3館館周湯チケットじゃなかったかしら?
ミワ あら、ミホさんするどい。飛鳥乃湯泉の休憩室がいいってあとから聞いて、翌日にもう一度行ったの。でも何度行ってもよかったわよ。2階の大広間の周りには、愛媛・松山の伝統工芸品が紹介されていて、見るのも楽しいし。椿の湯はお湯だけでも十分堪能できるけれど、飛鳥乃湯泉は温泉と休憩室をセットにして、楽しんでほしい施設ね。個室もあるから家族でゆったり過ごしたい人にはそちらもおすすめ。
ミホ 道後温泉本館、椿の湯、飛鳥乃温泉、3館ともお湯は同じだけど、それぞれ違って面白いわ。温泉好きとしては、一度は行かないとダメね。
ミワ ぜひミホさんには、2泊くらいして、3館をゆっくり巡って道後温泉を満喫してほしいわ。次の温泉巡り候補にぜひ加えてくださいね!
Data
■椿の湯
住所 愛媛県松山市道後湯之町19番22号
☎ 089-935-6586
料金 大人¥450/60分
営業時間 6:30~23:00
■道後温泉別館 飛鳥乃湯泉
住所 愛媛県松山市道後湯之町19番22号
☎ 089-932-1126
料金 大人¥610(1回浴室入浴のみ/90分)、大人¥1280(2階大広間・お茶、お茶菓子、貸浴衣含む/90分)、大人¥1690(2階個室・お茶、お茶菓子、貸浴衣、貸しタオル含む/90分)
営業時間 6:00~23:00(休憩室は22:00まで)
https://dogo.jp
【ミホ&ミワ プロフィール】
ミホ
健康、医療、美容、ダイエットをテーマに雑誌やWEB、書籍で執筆するヘルスケアライター。ワインエキスパートの資格あり。20年以上前に温泉ソムリエを取得。温泉と酒と鉄道をこよなく愛す。特に秘湯が好きで、過去に「日本秘湯を守る会」のスタンプ帳を2回コンプリートした経験あり。最近ハマっているのは推し活(平野紫耀くん強火担・Number_i箱推し)。
ミワ
ダイエット、美容記事のほかトラベル媒体でラグジュアリーホテル、宿の取材歴多数。健康と美容と旅を追求するヘルスケア&トラベルライター。温泉好きが高じて温泉ソムリエを取得。温泉とマッサージと猫をこよなく愛し、いいお湯を求めて、全国の温泉を渡り歩く。
画像協力/道後温泉事務所 取材・文/山本美和