京都の真ん中に畑が? サスティナビリティで有名なラグジュアリーホテルの、朝から上がるメニューとその秘密とは?
ウェルネス&サステナビリティのレベルの高さで、自然派ラグジュアリーホテルとして一躍有名になった、シックスセンシズ。
自然との共生を謳うだけあって、京都でもロビー前に広がるガーデン、レストランから眺めるテラスも緑の生かし方が素晴らしく、客室の廊下からは水を引いた庭に出られたりもします。
これは、メインダイニングから眺めるテラス。ここでもお茶を飲んだり、食事をしたり、アペリティフを楽しんだりもできます。
自然との共存を謳っているシックスセンシズは世界各国で自家菜園を持っており、中にはハーブや野菜を50%以上自家供給できるところも多いことでも有名ですが、都市型の京都はどうするのだろうと考えていたら、ありました。
隣の豊国神社の緑は借景としても見事で、よき立地だなあと思っていたところ、なんとこの神社の敷地でハーブと京野菜など栽培していました。ほんとうに緑が美しく、植物がみな元気に育っているのがわかります。
収穫された素材はダイニングで使われることはもちろん、「アルケミーバー」というハーブを使ってバスソルトなどを作るスペースでのワークショップなどでも活用されています。
テラスを臨む「オールデイダイニング Sekki(節気)」 は天井も高く広々としていてオープンキッチンもあり、気候のいいときは窓が開け放たれ、気持ちのいい空間。
Sekkiという名のとおり、日本古来の暦である二十四節気ごとの旬な自然の恵みをいただける場所で、「Eat With Six Senses」という「天然由来で、地元での持続可能な栽培法による食材を最大限に生かす」シックスセンシズの食体験のこだわりはそのままに、京都伏見の無農薬栽培農家、山田ファームなどの地元野菜を使って、独創的なイノベーティブ料理を仕上げています。
こちらのお料理、イノベーティブといっても、斬新な印象というよりは、野菜の皮や茎、根なども最大限生かして使うことを大切にしていて、滋味深く優しい料理に仕上がっているのが嬉しいところ。
これはディナーのスープですが、野菜のパワーが凝縮されていて、体に沁み渡ると、元気が出る気がします。
そしてシックスセンシズ京都においては、朝日を感じながら朝食をゆったり食べるのが、実は狙い目の最高の贅沢なのではないかと思うのです。
宇治の平飼い卵料理などのアラカルトメニューも大充実、どれでも好きなだけオーダー可能。和定食まであります。ビュッフェもどちらも水準がとても高く、和食、洋食ともに、野菜をはじめ、質、量ともに他にないくらい充実しています。
自家製のお豆腐はやみつきになりそうに濃ゆくふるふるとした食感で、お出汁も澄んで深みがあり、御菜も種類が多くていねいに作られています。味わいも上質感があり、これぞ京都のシックスセンシズ、という印象。
洋食も野菜の種類が多くフレッシュなのはもちろん、数種あるフムスが驚くほど完成度が高かったりします。
ソースやドレッシング、それにお漬物のレベルも高く、これもまた種類も多いので、嬉しくなる人も多いはず。
朝食なら、最高級にしてもディナーの予算よりはずっとリーズナブルと思えたら、コースに匹敵する組み立てもできて、お料理が相当楽しめます。朝食¥7,000
朝は、隣接する「Café Sekki(カフェ 節気)」には、自家製コンブチャ、ホテルで絞っているスロージュース、スムージーなど豊富なドリンクが充実。このほかにもまだまだレパートリーがあります。もちろんこちらもいくつチョイスしてもOK!
ベーカリーも、グラノーラや、チーズ、フルーツなども多種多様。
夕食のボリュームが増えがちな京都において、朝ゆったりとダイニングでテラスを眺めながら、またはテラスで寛ぎながら、上質でバランスのいい食事を楽しむというのも、過ごし方として新鮮な気がしました。
寛いでいると、ほぼブランチ気分に。
野菜のおいしさが際立つシックスセンシズにおいて、ランチやディナーに行くなら、コースで味わうとそのよさがより楽しめそうです。
カサゴには、大原つくだ農園の野菜がたっぷり。バターソースもあおさが香り高く、さっぱりと仕上がっています。
京都の経産和牛が使われていますが、これも丁寧に飼育しなおしていて肉質はとてもしなやか。無花果やデーツのソースと、やはりパワーのある野菜と相性よしです。
「野菜といつも向き合っていますね」というエグゼクティブシェフ 宍倉 宏生さんは、地元京都出身。
5つ星ホテルに長くいらしてフランス・イタリア料理のテクニックを培い、その後、薪火料理が人気の京都八瀬のホテル「moksa」のダイニングで総料理長を務めた方ですが、ここでは炭火を駆使、京都宮津の魚や経産和牛の火入れをしています。
伝統的日本料理も大切にしながら、シェフの発想でシームレスに組み立てている料理は、野菜愛を十二分に感じる、体が喜ぶ料理に仕上がっています。
地元の生産者・職人の方々とのつながりを大切にしながら、旬の食材を探し求め、最高の状態で提供するのに、奔走しているのが伝わってきます。
あと是非、扉を開けてみていただきたいのが、カクテルバー。
アンティークとコンテンポラリーがミックスされた不思議なバランスで、ほのかな灯りとともにちょっとミステリアスな雰囲気。密やかな雰囲気で、なんだか大人がほっとできる場所です。
カウンターは、かつての薬屋にあった百味箪笥をイメージしたそうで、ちょっと日本の懐かしさも感じるような。
シーティングエリアはゆったりしたソファ席もあって、まったりできます。
SAKURAやYUZU、SANSHOなど、和のネーミングのカクテルも、甘すぎない大人の味わい。
それと、おつまみに京都・関西風味の海老串カツや、からしレンコンのカツレツ、稲荷寿司などもあり、ついつまみたくなる楽しさも。
最後に81室しかない、コージーなホテルのお部屋を。
「デラックスキング」(42㎡)は、ベランダにガーデンソファがあって、窓を開けると風が通って清々しい。
朝は部屋に備えてあるヨガマットを引いて、ストレッチしたくなります。
ツインだとこんな感じです。
隣り合うバスタブとトイレ、扉と仕切りにちょっと透け感があるために、奥行き感が出て、かつ涼やか。
まずはウェルカムドリンクのグリーンスムージーの野菜の濃さでパワーチャージ。
水はすべてガラスの瓶に、ホテルのろ過システムを通して詰められます。歯磨き粉もチューブレスのペーパー仕様で、歯ブラシは竹製。プラスティックは使わない、サスティナビリティの徹底ぶりが、シックスセンシズ。
「Sleep With Six Senses(快適な安眠環境を提供するシックスセンシズ式快眠プログラム)」を謳うだけあって、睡眠まわりも大充実。
パジャマはガーゼ素材で、柔らかな肌触りと、汗もさらっと吸収して逃してくれる優秀さ。リカバリーウェア BAKUNEを作っている「TENTIAL(テンシャル)」とシックスセンシズ 京都とのコラボレーションです。思わず買おうかと悩みます。(¥30,000 ブティックにあり)
オーガニックマットレスは、「ナチュラルマット」で作られたハンドメイド。もちろんシーツも100%コットン。
とてもぐっすり眠れるので、家用に買いたいというゲストがいるのも、さもありなんです。
加えて、シックスセンシズには、スリーププログラムもあって、睡眠計測デバイスを借りることもできます。
朝食に行くもよし、ランチ、アフタヌーンティー、アペリティフ、ディナー、バー、それぞれ違う楽しみが待っていて、ビジターもウエルカムなのはありがたい!
クローズドな雰囲気のコージーなホテル、シックスセンシズ京都だからこそ、その扉を開けるとき、ワクワクした気持ちになれることも確か。
もちろん深い眠りを求めての宿泊も。
ちなみにオールデイダイニング「Sekki(節気)」(B2F)で提供されている暦アフタヌーンティーは、現在は小雪バージョンで、写真の冬至バージョンは、2024 年 12 月 21 日~2025 年 1 月 4 日。一人¥7,200 (ティーフリーフローを含む)
予約はWEBから。
充実のスパについては、前編を参照くださいね。