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温泉好きのイチオシ!大分県・長湯温泉「大丸旅館」で日本一の炭酸泉を満喫♪

温泉旅の相棒ミホさんを東京に残し、ひとり“温泉県”こと大分県を旅するミワさん。由布院の次へ向かったのは、連載第1回でも行きたいと叫んでいた日本一の炭酸泉「長湯温泉」。大正6年から続く老舗の「大丸旅館」で味わった、炭酸温泉の感動体験を熱く語ります。

温泉好きがこぞって推す! 念願の長湯温泉で日本一の炭酸泉を体験

「道の駅長湯温泉」

 

↑「道の駅ながゆ温泉」では、地元の野菜や工芸品など、お土産にピッタリのものが揃っています

 

ミワ ミホさん、とうとう私、念願の長湯温泉に行くことができたの!

 

ミホ 夢がかなったのね、おめでとうミワさん! でも、由布院から向かったのでしょ? 同じ大分県でも由布院からは遠かったのではない?

 

ミワ 今回、私はレンタカーを借りたから、由布院からは畑や山道を超えて車で1時間弱くらいかかったわ。電車を使うとJR大分駅から最寄りの豊後竹田駅まで60~70分ほど。そこから長湯行の路線バスで約40分かかるそうよ。

 

ミホ まあ、それはかなりの秘湯ね! 私の好み♡

 

ミワ 電車とバスを乗り継いで…と考えると躊躇する方もいらっしゃるかもしれないけれど、温泉好きなら絶対に行ってほしい温泉地。旅行媒体の編集をしている友人もプライベートで温泉に行くならココがイチオシって言っていたし。先日もまた血流の取材で温泉好きドクターにお会いしたのだけれど、「血流は、長湯温泉に行けばよくなる」っておっしゃっていたもの。

 

ミホ 究極の血液サラサラケアね(笑)。

 

長湯温泉の老舗「大丸旅館」で女将テイさんの夢が掘り当てた不思議なお湯につかる

「大丸旅館」本館

↑こちらが大丸旅館本館。与謝野鉄幹・晶子夫妻や徳富蘇峰などの文豪も投宿したそう。建物は平成元年に全面改築して純和風の風情を残しながらより快適に

 

ミワ 今回は2つの炭酸泉を味わえる、大正6年創業の老舗旅館「大丸旅館」の別館「藤花桜」に宿泊して、朝から晩まで夢の炭酸泉三昧♡

 

ミホ 聞いているだけで贅沢だわ~。

 

「大丸旅館」客室

↑今回宿泊したのは創業当時の設計を復元した別館「藤花桜」の和洋室

 

ミワ 別館の和洋室に宿泊したのだけど、芹川(せりかわ)を見下ろし、川のせせらぎが聞こえる癒しの空間。温泉後、和室にゴロンとしたときの気持ちよさは格別だったわ~。

 

ミホ まずは旅の疲れを癒してひと休みってところね。

「大丸旅館」テイの湯

↑内湯と露天風呂を配した大浴場「テイの湯」。

 

ミワ いいえ。部屋に荷物を置いて浴衣に着替えたら、何はともあれ温泉(笑)。ここには家族風呂と大浴場があるのだけれど、まずは大浴場の「テイの湯」をいただいたの。

 

ミホ 「テイの湯」?  珍しい名前ね。何か意味でもあるのかしら?

 

ミワ ミホさん、よくぞ聞いてくれました! テイさんというのは三代目女将の名前なの。ある日テイさんの夢枕に白髪のご老人が現れて、隣の茶畑にすばらしい高熱泉が出るだろうと告げたのですって。掘ってみたらあら不思議! 50度の温泉が湧き出たのよ。だからその女将の名をとってここは「テイの湯」なの。

 

ミホ 日本昔話の頃のお話?

 

ミワ ところがそんな昔ではなくて、昭和30年代後半のお話なんですって。

 

ミホ えっ、昭和のお話?

 

ミワ そうなのよ。その頃、長湯温泉は温泉の乱堀で自噴できない源泉が増えて、こちらの大丸旅館の温泉も枯渇状態だったそうなの。そんなときに三代目テイさんの夢に従って掘ってみたら源泉が湧き出たという、昔話のような本当のお話。

 

ミホ 奇跡ね! きっとテイさんは日頃の行いがよかったのでしょうね。つかるだけで幸せなことが起こりそうなお湯だわ。

 

ミワ 本当! もうここのお湯をいただけただけで幸せですけど♡

 

ミホ 泉質はどうなのししら?

 

ミワ ここでしか味わえない独特のお湯は、最高のひとこと♡ 泉質はミネラルたっぷり、マグネシウム、ナトリウム、カルシウムを含んだ炭酸水素塩泉。天然保湿成分のメタケイ酸もたっぷりの美肌の湯。

 

ミホ ヨーロッパの硬水みたいな成分ね。体に良さそ~。

 

ミワ 私はうちでときどきマグネシウムを経皮吸収するためにエプソムソルトを入れて入浴するけど、こちらのお湯に毎日つかれれば必要ないわ。

 

ミホ お湯は熱め?

 

ミワ 源泉は46度ほどで、湯船にくるころにはちょうど42~41度のお湯になっている、ちょうどいい湯温。

 

ミホ 源泉かけ流しの理想形ね。

 

ミワ 長湯温泉は、九州ではじめて源泉かけ流しを宣言した誇り高き温泉地よ。

 

ミホ 源泉かけ流しだもの、炭酸をたっぷり含んでいるのよね?

 

ミワ 実は炭酸ガスは温度が高くなってしまうと溶けてしまうんですって。炭酸ガスはお湯に含まれる量によって呼び名が変わるんだけど、温泉1㎏に溶け込んでいる水以外の成分が1000㎎以上のものを炭酸泉、1000㎎未満を炭酸水素塩泉と呼ぶそう。大丸旅館のお湯は炭酸ガスが溶け込みにくいといわれる高温度なのだけれど、高温域の限界値に近い炭酸ガスが溶け込んでいるそうなの。

 

「大丸旅館」炭酸泉

↑よ~く見るとお湯がぷつぷつと泡立っています

 

ミホ お湯につかるとどんな感じなのかしら?

 

ミワ 肌が微炭酸の泡で刺激されているからか、ほんの少しチリチリとする感じなんだけど、そのほどよい刺激で炭酸成分が肌に入っていくようで心地よくて。よく町の銭湯に炭酸泉風呂があるけれど、あれとは全く別物。先日取材をさせて頂いたドクターのお話だと、炭酸ガスはお湯に溶けてもその成分が肌から体内に吸収されて毛細血管を刺激するから血行がよくなるのですって。実際に短い時間つかっただけで、すぐに体が内側から温まる感じがしたわ。

 

ミホ ホットフラッシュが気になる私でも大丈夫かしら?

 

ミワ もちろん! ミホさんには露天風呂がおすすめ。芹川からの涼風を感じながらつかれば、暑がりのミホさんでもいつまでも入っていられると思うわ。

「大丸旅館」

↑深緑のにごり湯に白い炭酸膜の湯の花が散って、幻想的な趣

 

ミホ ところで、お湯の上にたまっているものは何かしら?

 

ミワ 温泉成分が空気に触れるとできる湯の花は濃い~温泉の証拠ね。時間が経つとお湯に溶けてしまうんですって。一番風呂の特権ね!

 

ミホ だからお部屋で休憩せずに大慌てで温泉に直行したのね(笑)。

 

ミワ ご名答! 炭酸が溶け込んだお湯は寿命が短くて、キレイにお掃除をしないと泡が消えてしまうそうなの。だから旅館の方々は毎朝お湯を入れ替えてキレイに掃除をして、鮮度を保っているんですって。おかげで宿泊者はいつでも新鮮なお湯を味わえるのよ。

 

茶室のような家族風呂は心も体も整う癒しの空間

「大丸旅館」ミドリの湯

↑お湯の入り口の階段を下りて肩までつかると…

「大丸旅館」ミドリの湯

↑芹川の風景が飛び込んできます

 

ミホ 「テイの湯」の後にはやっとお部屋でお休みされたのかしら?

 

ミワ いいえ。せっかくだから、そのまま家族風呂へ。四代目の女将さんの名前がついた「ミドリの湯」につからせていただきました。

 

ミホ 家族風呂もあるのね。

 

ミワ 私たちは貸切風呂と呼ぶけれど、大分県では貸切風呂を家族風呂と呼んでいて、だいたいどこの温泉にも家族風呂があるんですって。大丸旅館の家族風呂「ミドリの湯」は、より源泉に近いからなのか、その名の通りきれいな緑色のお湯。大浴場よりも川に近くて、まるで茶室のような作りの半露天風呂。

 

ミホ お茶をたてる茶室のように心まで整いそうね。

 

ミワ まさにその通り! 1~2人がちょうどいい小さな湯船は、本当に落ち着ける空間で、呼吸が深くなるのを実感したわ。湯船の階段を数段下りて肩まで身を沈めながら進むと、目の前にパーッと川と緑が開けるの。最高のお湯につかりながら山奥の自然を愛でる、とても贅沢な空間。いつまでも入っていたくなったわ。

 

ミホ でも長湯しすぎると、血流がよくなりすぎてしまうものね(笑)。

 

ミワ そうなのよ、炭酸水素塩泉のパワーは恐るべし。部屋に戻ってからもずっとポカポカ効果が続いていたもの。

「大丸旅館」ミネラルウォーター・マグナ

↑濃度の違いでマグナ300とマグナ1800の2種類があります。通販もあるそう

 

ミワ 部屋に戻ると、冷水、常温、たくさんの水が用意されていて、それがとてもありがたかったわ。中でも「マグナ」というミネラルウォーターは長湯温泉の源泉をブレンドしたもの。外からも中からもミネラルを吸収した、過去イチのミネラル体験だったかも(笑)。

 

ミホ どうりで東京に帰ってきてからのミワさん、お元気だと思ったわ(笑)。

 

温泉後のほぐれた体に染みる、地元産食材を使った滋味深い料理

「大丸旅館」夕食

↑個室の窓からは季節ごとに変わる自然を楽しめます

 

ミワ お湯はもちろんのこと、お料理にも癒されたわ~。夕食、朝食ともに川を臨む、落ち着いた雰囲気の小さな個室でいただいたのだけれど、温泉でほぐれた体にじわじわと染みる、地元の食材を使った胃にも心にも優しいお料理ばかり。耳をすませば川音と虫の声が響いて、ミホさんを思って一句読みたくなるような雰囲気の中で静かにお食事をいただきました。

 

ミホ ミワさんもここに宿泊された文豪のように一句読んだとか?

 

ミワ 残念ながら一泊だと温泉に入るのに忙しくて、それどころじゃなかったわ(笑)。

「大丸旅館」朝食

↑朝食。地元の食材を使ったお料理はどれもおいしくて、朝から完食

 

ミワ そして、朝食の温泉がゆが、今まで食べたおかゆの中で3本の指に入るほどおいしかった~。

 

ミホ それほど?

 

ミワ こちらの源泉で炊いている温泉がゆなんだけれど、ほどよくつぶつぶ感も残っていて、甘みもあって。朝からおかわりをしてしまったほどのおいしさよ。

 

ミホ たった1泊2日でも、ミネラル成分たっぷりのお湯とお食事で健康になりそうね。

 

ミワ 旅先でいつも便秘になる私のお腹が翌朝、快腸! 汗もたっぷり出たし、元気になったのは間違いないわね(笑)。

ラムネ温泉

↑大丸旅館から歩いて5分ほどのところにあるラムネ温泉

 

ミホ きっとミワさんのことだから、チェックインからチェックアウトまで、何回も温泉に入ったからじゃないかしら?

 

ミワ そうね、そうに違いないわ。ただ、夜はこちらの内湯ではなくて外湯の「ラムネ温泉」へ出かけたの。それが2種類の温泉のもうひとつ。こちらは炭酸濃度の高い、炭酸泉の温泉。

 

ミホ まあ! そちらはどんな温泉だったの?

 

ミワ 「ラムネ温泉」もお話ししたいことがたくさんありすぎて。次回、お話しするわ。

 

ミホ 楽しみすぎて、待ちきれない♡

 

大丸旅館・大丸別館藤花桜
住所 大分県竹田市直入町大字長湯7992番地1
TEL 0974-75-2002

 

【ミホ&ミワ プロフィール】

 

ミホ
健康、医療、美容、ダイエットをテーマに雑誌やWEB、書籍で執筆するヘルスケアライター。ワインエキスパートの資格あり。20年以上前に温泉ソムリエを取得。温泉と酒と鉄道をこよなく愛す。特に秘湯が好きで、過去に「日本秘湯を守る会」のスタンプ帳を2回コンプリートした経験あり。最近ハマっているのは推し活(平野紫耀くん強火担・Number_i箱推し)。

 

ミワ
ダイエット、美容記事のほかトラベル媒体でラグジュアリーホテル、宿の取材歴多数。健康と美容と旅を追求するヘルスケア&トラベルライター。温泉好きが高じて温泉ソムリエを取得。温泉とマッサージと猫をこよなく愛し、いいお湯を求めて、全国の温泉を渡り歩く。

 

取材・文/山本美和

 

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