「でも」「だって」というのは、自分を肯定したいから言う言葉です。「私は悪くない」と。でも!言い訳がましい女は嫌われるし、しかもたいていの女性は「でも」「だって」を言うタイミングが早すぎると、いつも思うのよね。
たとえば恋人との待ち合わせにあなたが30分遅れたとします。「ごめんね、待った!?」「うん、心配したよ」と彼。すると「でも私は時間通りに家を出たんだけど、電車が事故で遅れて~」と話し始める人が多いんですね…っていうか多い!「攻撃されたくない」という意識が強すぎる。それでとにかく早く「私、悪くないもん」と言いたいんだと思うんだけど、これがひどくなると、「逆ギレ」します。余裕のない、防御意識が強すぎる人が多いのよね。
たとえ遅刻の原因が電車の遅延で、自分に非がないとしても、とにかくまずすることは、「心配したよ」という彼に、「ごめんごめん。30分も遅刻だもんね」「何して待ってたの?」などと、まず相手への気遣いを見せる。これができなきゃ子どもです。
そのうえで、「じつは~」と話しはじめると、相手も受け入れやすいと思うんだよね。自分は悪くないと主張したいのはわかるけど、ちゃんと義務(気遣い)を果たしてから権利(言い訳)を主張しないと、かえって嫌われますよ。
最近の若者は、「違うんだよ!!」と真っ先に言うらしいけど、これも「でも」「だって」と同じですね。あと、同じように負のオーラが漂っている言葉に、「どうせ私なんか」というのがあるけれど、私の場合、「どうせ私なんて」と言われたら、「そうだね~」と、たまに答えています。
「どうせ私なんてお金ないし」「そうだねー。どうせ私金持ちだしー」って切り返す(笑)。相手は予期せぬ回答に口あんぐり。「そんなことないよ」と相手は答えてほしいんだろうけど、「どうせ」の人にそこまで優しくするのはめんどくさい。「あっ、そうなんだ」もたまに言う。私ってやっぱり意地悪かしら(笑)。
「砂の城」りぼん1977年9月号扉
取材・文/佐藤裕美