前回、12月の終わりに大根地中保管作戦を決行したことを書きましたが、なぜにせっかく育てた大根を再び地中に戻し、保管しておきたかったかというと、畑での作業が少ない2月に夏休み(2017年度分)を取り、海外旅行に行くことに決めたから!
日本にいない間、どうにか新鮮なまま大根を保存できないか?と考えた結果の作戦、土の中の大根が静かに帰りを待ってくれていると良いのですが・・・。
さて旅行く先はフランス・パリ、そして20年ぶりのモロッコはフェズとシェフシャウエン。
遡ること17年前、フレンチポップスやフランス映画にスッカリ心奪われていた私は、仕事を一旦休むことを決め、フランス語を学ぼうと、2年間パリに留学しました。
その頃の私は一言でも多くフランス語を覚えよう、話せるようになろうと必死の毎日で、食を楽しんだりするような余裕がありませんでした。
がしかし、時は過ぎ歳を重ねて大人になった私が、この旅最初の滞在地であるパリで、どうしても楽しみたかった場所が!
そう、マルシェ!!
パリのあちこちのエリアでは午前中を中心に、週に2、3回、マルシェと呼ばれるテントの中に野菜やお肉、お魚などの生鮮食品からお惣菜、チーズにワインまで様々なお店がズラリと並びます。
滞在中どこかのタイミングで覗けたらなあ・・と思っていた到着翌朝、パンを買いに行こうとステイ先から一歩外に出たら、まさかの奇跡、目の前でマルシェが始まっていました!!
綺麗に陳列されたフルーツ!
紫、緑、白のカリフラワーの隣に並ぶは「明確なフラクタル図式」のロマネスコ!
その隣のラディッシュも、バターをつけて食べると美味しい前菜になるって言ってたなあ。
ああ、待ちに待ってたこの景色、どんなブランドショップよりもテンションが上がる!!
そうだ!お部屋にはキッチンが!!
喜び勇んで、キノコ専門店でミックスキノコ、八百屋さんでスープに載せたいハーブなども購入し、
美味しいパリ滞在のスタートを切ることが出来ました。
(「スープにするにはどれがいいですかね?」などと相談に乗ってくれたり、欲しい分だけ購入できたりするのがマルシェの嬉しいところ)
続いて次の旅先であるモロッコ・フェズでの街歩きでも、当然チェックしたいのは市場。
スークと呼ばれる旧市街の中には、これまた所狭しと言わんばかりに、生活に必要なお店がみっちりと並んでいました。
たくさん野菜を使うのがモロッコ料理、
勢いよく売るおじさん、たんまり買い込むお母さん、万国共通の嬉しい光景。
「このミント、これで10ディラハム(およそ117円)でいいよ」
しっかり香りまで嗅がせてくれました(よほど買いたそうな顔をしていたんだろうなあ)。
最近、旅に出ると、「この野菜があるなら、私ここで暮らせるかも」と思うのと同時に、「うちの畑の野菜は元気かしら、大丈夫かしら、泣いてないかしら・・」とソワソワする気持ちが芽生えるようにもなり、帰国して畑へと向かい、一目散に大根へと駆け寄り、2ヶ月後ぶりに土をどかしてみると・・・
紅しぐれ大根が姿を見せ、
綺麗な状態で帰国を、はたまた掘り出すことを
抜いた時と何ら変わらない状態で待っててくれました!
地中保管大成功!!良い保存法知った!!ナイス経験!!
とはいえ、これが許されるのは気温が上がる3月いっぱいぐらいまでとのこと、しっかりと今年度最後の大根を味わい尽くそうと思います。
にしても、出番が来るまで静かに待つあたりも・・・
さすが大根、名役者!!
加藤紀子
公式ブログ 「加藤によだれ」 https://ameblo.jp/katonoriko/
Web連載 「加藤紀子@山形」 http://www.okaze-gatta.jp/essay
「加藤紀子のエスプリ カフェ プラス」 http://www.ellebeau.com/electore-journal/n_kato/
フリーペーパー 「月刊てりとりぃ」 でも連載中