閉経過ぎたら「肝臓」に無理はさせない
女性は「閉経」を境に「生活習慣病」がでます。
「血圧」、「中性脂肪」の値が上がります。
「耐糖能」が下がり「糖尿病」にかかりやすくなります。
そして「肝機能」が落ち「肝機能異常」の数字が上がってきます。
「女性ホルモンのエストロゲンが落ちると病気に罹りやすくなりますよ」
お経のように習って、私がみなさんにお伝えしてきたことですが、私自身がまさに今、身をもってこのことを体験しています。
『まさか私が?』と思っていましたが、私もれっきとした糖尿病予備軍ですし、最近一番怖いおもいをしたのが、「肝機能の低下」。
今日は肝臓のことについて書きたいと思います。
写真は表参道のベジレストラン「ブラウンライス」で。
玄米に野菜のおかず。体に優しいホッとするランチです。よく行きます。
女性ホルモンは肝臓の健康とも連動しています
私はドクターではないので、病気のことを深く書くつもりはありません。
しかし、対馬ルリ子先生との130回に及ぶセミナーの中で学んだことと、メノポーズカウンセラーの勉強の中で学んだこと、そして自分に起こったことで、閉経前後の皆さまにとっても重要だと思われることをお伝えしたいと思います。
肝臓は本当に大事な臓器です。右のお乳の下に位置する大きさとしてもとても大きな臓器です。
男性と一緒の医学の中で、あまり言われてこなかったことですが、免疫や代謝とも関連し、女性の健康全体を支えている女性ホルモンは、「閉経」までの肝臓の健康も守っていると言えると思います。
「閉経」後は肝臓もダメージを受けやすく、「弱くなる」ということは、知っておくべきことだと思います。
写真は対馬ルリ子先生と。ハワイでも「ホルモン塾」セミナーをしました。
先生には本当にいつも助けられてきました。
そもそも、肝臓はこんなに大事
先日、NHKの朝番組で「脂肪肝」を特集していましたね。
私も見ていましたが、たくさんの人がご覧になったのではないでしょうか。
脂肪肝から肝硬変へ、肝硬変から肝がんへ移行するリスクがあると聞けば、みなさん『私は大丈夫かしら?』と心配されたのではないでしょうか?
肝臓は体の化学工場です。
胃腸で分解された食べ物はすべて肝臓で解毒、浄化されて使えるエネルギーとして体に回されます。
血糖の調整をし、余れば肝臓に蓄えて、血液循環の調整もしてくれます。
それをモクモクと黙ってやっているのが「肝臓」です。
こちらが気をつけてあげなければ、静かに病気も進行していきます。
太っていなくても脂肪肝のこともある。
外からはわからないのに、重要な働きをしていたのですね。
写真は、先日行った別府のスパホテル「ベネフィットフォーユー」で。
望診と言って、顔の形や様子から、体の中の状態を見る診断をしていただいているところです。
よく!当たっていました。
閉経後、ジリジリと肝機能が悪くなるのは本当です
私は、2016年から毎年秋に大学病院の人間ドックを受けておりました。
2015年に父が亡くなってからの私の新習慣!です。
毎年必ず血液検査で印がつくのが、肝機能のγ—GTP(ガンマジーティーピー)という項目です。
肝臓のダメージを示す値なのですが、アルコールに敏感に反応しても上がる項目で、
私の周りの悪友たちは、
「大丈夫、大丈夫。私も高いから。ワインを飲んでる人はみんな高いのよ。千明さんはワインのせいだから。気にしなくていいのよ!」。
そんなものかと思っていたら、2018年、昨年の秋は、γ—GTPだけでなく、ALT、AST、LDHと肝機能の4項目がいっぺんに正常値から飛び出して、要注意マークがついているではありませんか。
『もしや私は肝障害?』
この3年を振り返ってよく見るとどの項目もギリギリで正常値には入っているものの、ジリジリと毎年上がってきていたのです。
それを見ておらず安心していたのですね。
即、MRIと肝炎の検査。病名は「慢性肝機能障害」
実は、大学病院で受けた人間ドック担当のドクターからは「治療の必要はなし。今やることはありません。」と帰されました。
しかし、『そんなはずはない』と思い、私の主治医でホルモン塾の長年の相方さんでもある産婦人科医の対馬ルリ子先生のところに人間ドックの血液検査を持って行き、見ていただきました。
パッと見て、即「肝炎」の検査とMRIのオーダーを書いてくださって。
私はそれを持って画像センターにMRIを取りに行きました。
画像センターの丁寧なコメントからは、やや肥大した肝臓の画像から「慢性肝機能障害」が疑われます、脂肪肝や悪性腫、胆道系の異常はなし。
血液検査からは「肝炎はなし」、の結果をいただき、少しホッとしましたが、これはちゃんと治さなくてはまずいなあ。
ここはまさに肝腎要の大事な瀬戸際です。
ピタリと禁酒。お薬はウルソとビタミンE
対馬先生からは、「千明さん、アルコールに弱かったのね」。
むしろ私は、自分がアルコールに強いと思っていたほど。大きな勘違いでした。
私の肝臓は我慢していたのですね。閉経まではなんとか頑張っていたもののもう限界だったのでしょう。
ストレス満載の毎日に深酒をしていた時代もありますが、健康や命のことを考えたら、お酒もピタリと辞めましょう。即刻禁酒することにしました。
ビタミンEとウルソという昔からある有名なお薬を処方していただき、2ヶ月後に再検査したところ、肝機能の4項目とも正常値になりました。
本当によかったと思っていますが、正直、とても怖かったです。
数値がよくなってから、「顔色がよくなりましたね。」と言われます。
そんなに悪いとは思っていませんでしたが、やはり疲れていたのでしょうね。
検診を習慣に。産婦人科医にプラスして、閉経後は内科のかかりつけ医を持ちましょう
閉経からは自分の内側が変化していきます。ジリジリと。
ジリジリは肝機能だけでなく、血圧や中性脂肪、血糖値や甲状腺の値にも少しづつ変化がでていきます。
以来、私は、対馬ルリ子先生のアドバイスで、同じクリニック内の内科医、中村節子先生の診察を受けるようになりました。
血液検査で細かくチェックしていただいて、女性に特化した視点で丁寧に診ていただいています。
閉経以降、女性は変わります。
大きな病気になる前に予防し、小さいうちに治療していけば、自分自身が楽ですし、日本の医療費!も節約できますし。
年に一度の婦人科検診と産婦人科医のかかりつけ医を持ってください。
そして閉経を過ぎたら、女性のことを丁寧にチェックできる内科のかかりつけ医を持つことをお勧めします。
QOL、人生の質は必ず変わると思います。
写真は、中村節子先生の著書。
食事に思うこと-体の作りは変わっていないのに・・・
生活習慣病は、昔は成人病と言っていましたが、産業革命後に起こったと何かに書いてありました。
細かい網の目のふるいができて、食べ物の黒い部分が捨てられて。
何でも精白されて、繊維質や胚芽や皮や大事なところが捨てられて。
ゆっくり噛んで甘みを感じるはずの糖分が、精製された白い砂糖がいつでも大量に手に入るようになり、霜降りのご馳走のお肉が毎日の食宅にのることも珍しくなくなりました。
日本で使える食品添加物の種類は世界一とも聞いています。
生物としての私たちの体のつくりは10年、20年どころでなく、1000年、2000年も変わっていないような気がします。
甘い飲みもので上がったり下がったりするのは血糖値だけでなく、肝臓も解毒作業に忙しく、過剰な脂肪や糖分は肝臓の中に知らず知らずのうちに蓄えられていくのだよなと。
私も果物が好きですが、量と摂る時間を考えなければ脂肪肝や糖尿病の原因ともなるでしょうね。
写真は、料理家の有元葉子さんが糖尿病のドクターと書かれたお料理の本。
糖尿病のためですが、肝臓のためにもなる料理本です。
有元さんのレシピは美味しいので、治療食と思わずに、普段の食事にも最適です。
ノンアルがおいしいから、禁酒は辛くない!
夏ですから、ビールが美味しいですね。
冷えた白ワインもいいなあ。
基本私は、のんべえさん気質なのだと思います!!
でもね、今は、ノンアルコールビールにしています。
ノンアルでも結構酔えるから!!?不思議です。
私はメーターを振り切ってしまったので、もう飲みませんが、まだ飲める人は、肝臓を大事にしながら、美味しいビールとワインを楽しんでくださいね。
閉経を怯えることはない!
次々と出てくることを楽しんで行きたいと思います。
写真は、ヨガの写真。集英社の「マイエイジ」2019 夏号に
最近復活しているヨガのことや私の自己管理、セルフケアについて取材していただいています。
HRT(ホルモン補充療法)や漢方、西洋医学のことなども出ています。ぜひ読んでみてくださいね。