自分でもできる養生として、人気の「ツボ」押し。鍼灸師、深町公美子さんによるシリーズです。
体と心にきく 毎日のツボ
第7章 スポーツの自己ベストをあげる
最終第7章 では、スポーツのレベルアップに効くツボをご紹介します。
背中にはたくさんのツボがあるため、体の不調も出やすいそうです。
今回は、重要なツボが並んでいる背中の「背筋力」をアップするツボをご紹介します。
背筋力をアップすることはとても大事なことです。脊柱起立筋、いわゆる背骨が中心を通る背中にはたくさんの重要なツボが並び、五臓六腑の不調もそれらのツボでみることができるからです。かたくなっていたり、はれたりして不調を知らせてくれるわけです。
背中は膀胱経絡が流れる場所「精」と「生」をつかさどる「腎」に繫がっている経絡です。いかに大事なことかおわかりいただけるでしょう。背中の筋肉を鍛えつつツボ押しで気・血・水の流れを良くしましょう。
ツボは左右の肩甲骨を結ぶラインの飛び出た骨が第7、第8胸椎棘(キョウツイキョク)突起間から左右指2本分外側にあるツボ「隔兪(カ クユ)」と、同じく第9、10胸椎棘突起間から左右に指2本分外側にある「肝兪(カ ンユ)」と、そこから2つ下がった第11、12胸椎棘突起間から左右指2本分外側にある「脾兪(ヒユ)」です。
背中をのばし親指を届かせる姿勢は腕や肩の筋肉のストレッチにもなります。
背筋力のアップとともに、胃腸疾患にも効果が期待できます!
上から
「隔兪(カクユ)」
「肝兪(カンユ)」
「脾兪(ヒユ)」
「隔兪」、「肝兪」、「脾兪」とも大きくゆっくり息を吐きながらそれぞれ5秒間親指でいっしょに押してあげましょう。
このツボの組み合わせは「かく・かん・ひ」といって胃腸疾患にもきくツボとして有名です。元気の源ですね。
【もっとイイネ!】
腹筋や腕立て伏せのトレーニングも背筋力アップになりますよ。
次回は、「ひじの痛みを軽減する」ツボをご紹介します。
構成・編集/U T U . h i m u k a イラスト/丸山裕子