ため息が止まらない〜、ルーシー・リー展
こんにちは、小暮美奈子です。
いやいや、今年の夏は本当に暑いですね〜。
ふ〜っ、とため息をつきつつも、気がつけば早くもお盆が過ぎました。
7月7日から始まった、千葉市美術館でのルーシー・リー展が8月30日で終了なので、時間を作って見に行ってまいりました。
千葉市美術館に行くのは初めてですが、まず驚いたのはその建物です。中央区役所との複合施設として設計、建築されていて、昭和2年に建てられた旧川崎銀行千葉支店の建物が、新しいビルの内部に包み込まれるようにしてそのまま復元保存されています。8本の円柱が並ぶネオ・ルネサンス様式の空間はホールとしてコンサートなどに利用されているそうです。
さて、目的のルーシー・リー展へ。
今回の展示は、ルーシー・リーの没後20年を機に、初期から晩年に至る約200点の作品で彼女の足跡を辿り、その魅力に迫ろうとするもので、展示作品の大半が日本初公開となるほか、新たに発見されたウィーン時代の作品も見ることができるということです。館内には夏休みということもあって、子どもたちの姿があちこちに見受けられました。彼らは鉛筆とノートを手に解説を読み、なにやら一生懸命メモを取っていたのが印象的でした。夏休みの課題なのかな?
美術館のHPには「ルーシー・リー物語」という絵本仕立ての物語もあるし、いろいろなイベントやギャラリートークなどもたくさんあり、子どもも大人も、ルーリー・リーを今回初めて知った人にも、とてもわかりやすい展示になっていて感心しました。私が行った当日もギャラリートークがあり、美術館ボランティアスタッフのわかりやすい説明でいつも以上に展覧会鑑賞を楽しむことができました。
もうひとつ。会場を出たところにルーシー・リーの写真と記念撮影ができるコーナーが!…(笑)
今回の展覧会図録
図録の中から…
戦争へと向かう時代の中、イギリスへ亡命していよいよ作陶が困難になったときに作っていた陶器のボタン。
茶釉線文ティーセット
マンガン釉を施した上に金属針を用いてフリーハンドで線を引く「掻き落とし」技法。ルーシーのトレードマークのひとつ。
茶釉花器
黄釉線文鉢
穏やかに曲線を描くフォルムと、抑制された黄色にマンガン釉の茶色のコンビネーションがたまらない。
1989年、草月会館での初個展(三宅一生監修)の時はルーシー・リーのことをまったく知らず、先輩に誘われて見に行きました。そして、その美しいフォルムと色に一目惚れ! でもその頃は私もまだ若かったし、ルーシーの器を買うなんて発想がなかった。がんばればまだまだ手に入れられる価格だったのかな、と今にして思うと本当に残念です。でも、あまりに美しすぎてきっと普段使いはできないだろうし…たまに美術館やギャラリーで「素敵〜!」とため息をつきながらうっとりできれば幸せなのかもしれません。
ルーシー・リー展、千葉市美術館での開催は8月30日迄ですが、
10月31日から12月24日まで姫路市立美術館
2016年1月16日から3月21日まで郡山市立美術館
2016年4月9日から5月29日まで静岡市美術館
で、開催予定です。