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おうちで楽しむ、京の味と物(56)老舗の焼き菓子メーカーのたい焼き直営店 「まめものとたい焼き 清水店」

小原誉子

小原誉子

「京都観光おもてなし大使」&旅ライター
アナウンサー、テレビ番組プロデューサーなどを経て、集英社「エクラ」などのライターに。
2011年より京都に在住。
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第56

「まめものとたい焼き 清水店」

 

「これは美味しそう~」と、目の前のこんがりとした焼き色のたい焼きに思わず…。

「地元で今人気のたい焼き屋さんがに行ってみない?」と、京都祇園に住む友人に言われ、向かったのは、観光客で賑わう「八坂の塔」へと通じる道から、少し南へ入った路地にある「まめものとたい焼き 清水店」です。

 

京都らしい奥行のある築100年の町家を、古い梁や土壁を残し、モダンな雰囲気に改装した店は、昔ながらの趣とモダンさが融合したものに。

時代と共に、その魅力の表現は変化してゆく…そう感じさせる京都です。

 

それは、食にも言えること…。ここで扱うたい焼きは、昔ながらのイメージと、今らしい洒落た雰囲気があるのです。

 

そもそもたい焼きは、諸説ありますが、明治時代に東京の麻布十番を発祥の地とし、その後、全国へ広がったものだそう。昔から人々に愛される焼き菓子のひとつです。

 

 

さて、このたい焼き店を展開するのは、京都で焼き菓子を手掛けて、150年になる「石田老舗」。明治27年ごろには、「たまごぼうろ」を生産。宮内庁御用達など務めます。また、さまざまな分野から注文で焼き菓子を作るOME契約を、早くから手掛け、ご当地の名産品やオリジナル製品なども幅広く手掛けているのです。

 

「え~あのお菓子もここの製造だったんだ~」と知ったものも多くあります。

 

OMEの仕事をメインにする「石田老舗」。今まで直営店を持たず、表に出ることはありませんでした。平成11年に、初の直営店であるシュークリームのお店をオープン。

それに次いでできた直営店がこの「まめものとたい焼き」です。

 

こんがり焼かれた小麦粉の皮で包まれた餡という素朴な和菓子ですが、それも時代と共に、人々の味覚にマッチしたものへと進化し、どこか洋菓子の感じも漂わせます。

焼き菓子の専門店「石田老舗」が手掛けるたい焼きは、もっちりとした食感をもたらす最高級の薄力粉を使用。ちょっぴり厚手の皮の美味しさが、いっそう中の餡の美味しさを引き出しています。

中身の餡は、京都の銘菓店の餡を手掛ける専門店の老舗「イマムラ」の粒あん。

和洋菓子の魅力を融合させた新感覚のたい焼きなのです。

 

 

シュークリームの専門店も展開する「石田老舗」ならではのカスタードクリームをいっぱい詰めた「カスタードたい焼き」は、和菓子が苦手の人にも、大好評の一品。

洋菓子感覚で、コーヒーといっしょに頂くのに、ピッタリな味。

 

3種類のたい焼きの中で、お店の方のおすすめは、「あんバター」という焼き立てを即味わう品。「つぶあんたい焼き」に、特別注文の「北海道日高バター」をたい焼きに挟み、溶けかけるバターと共に味わう『賞味期限1分』という品。

修学旅行生や若い人たちに大人気です。

 

さすが、若い人のように1分では、食べきれませんでしたが、バターの塩味が餡の甘さをいっそう引き出し、なかなか美味。こんな食べ方があるのかと、改めて思った次第です。

さて、焼き立てのたい焼きは、店の2階のイートインスペースで、嵯峨豆腐の「森嘉」の豆乳を使った抹茶ラテやほうじ茶ラテなどとセットで味わうのがおすすめ。

 

椅子に座りながら、誰に遠慮することなく、たい焼きをパクリ。観光の疲れも癒えるひとときがそこに…。

もちろん持ち帰りもできるので、ホテルで夜頂くのもいいのでは?

 

 

店内には、フィナンシェやビスケットなど「石田老舗」の焼き菓子もいろいろ揃っていて、ユニークなイラストの布袋入りは、お土産にもおすすめ。

ぜひ、一度味わいたい、京都の新しい味です。

 

 

「まめものとたい焼き 清水店」

京都市東山区中道通松原上ル月輪町94

☎075-746-5255

営業時間 11:00~17:00 不定休

ホームページ

 

 

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