早川さや香
富山県出身。編集ライター・出版プロデュース、「株式会社スタジオポケット」代表。健康・美容系の書籍を多く手がける。著書に『一人前の仕事術』(インデックスコミュニケーションズ)、編著に『未来につなぐわらごはん』(集英社)『なぜか3兄弟全員が東大合格!「勉強しろ」と絶対言わない子育て』(講談社)など。
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人生100年時代、でも目の寿命は40年
肌のハリ、髪のツヤ、歯や爪のケア、ホルモンのバランス、内臓のコンディション……そのための食事やエクササイズ、環境づくり。OurAge世代は、生活の隅々まで気を配って暮らしています。
ところが、その中で「五感から入る全情報の80%以上を占める」という、ある重要な器官については、案外気に留めていない方が多いかもしれません。
盲点となりがちなその器官は、「目」です。目の「見た目」ではなく、「眼、眼球」そのもののほうです。
眼球体操をしたり、ブルーベリーを摂ったり、眼精疲労やドライアイの対策をしている方は多いかもしれません。残念ながら、問題はもっと奥深いものです。40歳を過ぎても1.0、1.2と「よく見えている」「よい視力を保っている」状態が、なんと目と脳にダメージを与えている場合があるのです。
目は「飛び出した大脳」と言われるほど、脳と密な関係にあります。目がダメージを受けると、それが脳神経へ伝わり、その脳神経が司る全身の器官に影響を及ぼし、頭痛、肩こり、腰痛、めまい、自律神経失調症、慢性疲労、PMS症状、更年期症状の悪化など、さまざまな疾患につながります。
逆に言えば、目のコンディションを整えれば、これらの疾患をやわらげることができるかもしれないのです。最新の施術を施す、とある整体治療院では、股関節の痛みを訴えるプロサッカー選手たちにまぶたの筋肉をマッサージするそうです。すると、股関節の動きが格段によくなり、試合でのパフォーマンスが上がると言います。それくらい、目と身体は奥深くでつながっているのです。
人生100年時代といわれますが、実は生物学的には、ヒトの本来の目の寿命は40歳ぐらいと言われます。それは、ホモ・サピエンスが誕生した太古の昔から変わりありません。全身のほとんどの細胞は常に新しく生まれ変わりますが、目の中の「水晶体」や「角膜内皮」はほぼ再生不可能な細胞なのです。
平均寿命が40~50代であった近代以前には問題にならなかった、老眼、白内障、緑内障などの悩みが現代の中年期以降に増加するのは、目が本来の寿命を超えている以上、避けられないことです。ですから、更年期の先を健やかに乗り切れるかどうかは、「目」の寿命といかにつきあうか、といっても過言ではないのです。
かくいう筆者も20年近く、目や脳の疲れからくる飛蚊症や首・肩の凝りに悩まされ続け、週数回の整体通いで年間数十万円を費やしてきました。そして40代半ばとなり、ちょっとした文章が読めないほど疲れがピークに達したとき、「メガネによって、目だけでなく、心身の健康を取り戻せる伝説のメガネ店」の噂を耳にしました。
そこは、目や心身の不調に悩む人が日本中、そして海外からも訪れる駆け込み寺として知られ、予約で数か月待ちの人気店でした。食生活やライフスタイルの問題、思考の癖や対人関係の悩みまで指摘されたという、戦戦恐恐の体験談がブログやSNSに綴られていました。しかし、ひとたびこの店でメガネを新調すると、「世界が3Dになった」「人生観が変わった」「持病が軽減した」など、歓喜の声も多数。いかなるテレビや新聞、雑誌の取材にも応じない頑固な店としても知られていました。
その名は、千葉県佐倉市にある「眼鏡のとよふく」。親子4代にわたって続くお店です。
このたび、眼鏡のとよふくさんが長年の沈黙を破り、監修した新刊『視力を下げて体を整える 魔法のメガネ屋の秘密』が発売となりました。一体、その魔法の正体とは何なのでしょう。
3回連載の第2回目は、「眼鏡のとよふく」さんの驚きの検眼方法や、強すぎるメガネやコンタクトで、現代人の目が疲弊している懸念についてお伝えします。
「視力を下げて体を整える 魔法のメガネ屋の秘密」
著 早川さや香 監修 眼鏡のとよふく
集英社