足首を自分の手でゆっくりと回すだけで冷え性や体のゆがみを解消できる〝足首回し〟。といっても単にグルグルと回すわけではないのです。(回し方は後ほどご紹介します!)
その足首回しを創案したグラヴィティ・ライン・アライメントの創設者で美骨研究家のミッキー寺澤さんに、〝足首回し〟方法を直接教わるセミナーが、玉川髙島屋S・C内にある「玉川テラス」で行われました。このたびは参加者全員が体験したサプライズな効果をレポートします!
MyAge2015年春夏号に掲載され大好評だったミッキーさんが提唱する足首回し。なにより、当時取材した編集部員が長年悩まされていた肩こり・腰痛が まるで魔法のように消えたのを実感、OurAgeグッドエイジングセミナーでぜひとも皆さんに紹介したい!と実現したのが今回のセミナーなのです。
(写真上 ミッキー寺澤さん。 写真下 ミッキーさんの著書。この本を偶然手にとったOurAge編集部のスタッフが内容に感動。それがきっかけで
MyAgeでの特集→セミナー開催へ…)
募集定員12名に対し、ミッキー寺澤さんとグラヴィティ・ライン・アライメント ティーチャーとして活躍する大村浩子さんのお二人が参加者一人ひとりに丁寧にレクチャーするという充実の内容です。
きいてみると集まった参加者のほぼ全員が肩こり、腰痛持ち。しかも、長年整体やマッサージに通っても、一人として完治した人は無いようです。
10代のころ、2回続けて左足首を骨折したSさん。デスクワークのせいか夕方になるとふくらはぎがパンパンに張るYさん。さらに今回はOurAgeグッドエイジングセミナー初の男性参加者2名の姿も。Fさん(40代)、Eさん(60代)、どちらも体のメンテナンスには人一倍関心が高い様子。
ミッキーさんが自己紹介を兼ねて、なぜ、足首が大切なのか、基本となる考え方『グラヴィティ・ライン・アラインメント』について説明。
「柔道整復師として35年やってきた経験から言うと、人間の体は皆さんが思っている以上によくできています。重力を味方につけ、もともと持っている自ら治る力を引き出せば、自然に治っていくのです」
まずは、足首がどれほど重要か、全員で実際に確認することに。椅子に深く腰掛けた時と、浅く腰掛け足を前に伸ばした状態からでは、どちらが立つのが大変かというと・・・?
「軽やかに行動するためには関節がやわらかいことはとても大切で、関節年齢を若く保つことができれば、だれでも心身がいつまでも若々しくいられます。そして体の重心が足の真上にくれば、楽に立てます。それには足首が90度以上曲がることが条件。ところが寝ているときは、足首はずっと伸びた状態に。だから1週間寝たままでいれば、あっけなく立つことができなくなってしまうのです。」
関節のやわらかさ、とくに足首の柔軟性がなくなることが老化につながるという話に、参加者の皆さんのまなざしがぐっと真剣に。
百聞は一見に如かずで、ミッキーさんは「2回捻挫した左足を30年かばい続けてきた」というSさんの関節をさっそくチェック。
仰向けに寝て足首を下から支え片足ずつ持ち上げると、たしかに、左は右に比べて関節の動きが硬く、手前で止まってしまいます。
そこでSさんの左足の小指から順に足首まで関節が動くようにしてから、再度チェックしてみると、左足がすっと真上まであがるではありませんか! 見守っていた参加者から「おおっ!」という声があがるなか、一番驚いていたのはSさん自身でした。
ほかにも、ひどい肩こりで腕が真上に上がらないHさんは、手首をほんの1分ほど施術しただけで、二の腕が耳にピタッと密着。慢性的な冷え性でふくらはぎにはりがあったHさんは、ミッキーさんに足首をほぐしてもらうと「関節の先に血が通いはじめた」のを実感。全員の施術が終わるころには、どの顔も笑顔になり、セミナールーム全体の空気までぐんと明るく軽やかに変わっていました。
それもそのはず、長年重かった肩や足が、一気に軽くなったのですから。
ミッキーさんも「みなさんに〝体がいい状態だとどういう風に自分が感じるのか〟を自覚してもらえてよかった。自分の体が今どんな状態にあるのか、に気づくと体は機能するようになります。体の使い方を覚える――これをマッピングといいますが、するとどんどん変わって行きます。この後覚えていただく足首回しも、ただ回すだけでは何の効果もありません。つねに意識を集中して、行うことがコツです」
さあ、いよいよ今回の目玉である足首回しです。
★「足首回し」とは一体どうやるの? 気になるやり方は次ページに!!
それでは「足首回し」の方法をご紹介します。
床に座るのがつらいなら椅子に腰かけて行ってもOK。まずは右足からスタート。
左足の上に右足を乗せ、左手でしっかりと握手をするように足指と手指を組みます。右手の親指と人差し指・中指で右足首の関節の中心にある距骨(きょこつ)をぐっとつかみ固定してから、できるだけゆっくりと左手で右足をひっぱりながら回転させます。
「距骨の存在を感じながら回してください。距骨の周りの隙間を開くことを意識してきちんと回せば、時計回りと反時計回りを一回ずつ行えば十分」だそう。
たとえばお風呂につかりながら、ゆったりとした気分でやるのが効果的。痛みを感じるところは、力を加減してもいいですが、痛みがあるというのはそこが固まってしまっている証拠。あきらめずじっくりと時間をかけて続けていけば、必ずほぐれてきます。慣れてくると、一日一回足首回しをやらないとなんか落ち着かないというか、気が済まなくなってくるそうです。そうなったらしめたもの。体が正しい足首の状態(柔軟性があり、ほぐれている状態)をマッピングした証拠です。
右足が終わったら今度は左足にトライ!
「足首が柔らかくなると、股関節もスムーズに動くようになります」とミッキーさん。
足首回しが終わったら、今度は長座になり右足をまっすぐ伸ばした状態から足の親指を床につけるように内側に回転させます。このときも股関節の動きを意識することが大切。
セミナーは順調に進み、足首、股関節が柔軟になったところで、美しい立ち姿をマスターすることに。
「よく、正しい姿勢のとり方として〝お尻の穴を締めるようにして〟といいますが、あれは間違い。お尻の筋肉を緊張させると、骨盤が後ろに引っ張られて、腹筋に力が入らなくなり、内臓が下がってしまいます」
ミッキーさんの提唱する正しい姿勢のとり方とは、やはりまず足首から。
「両足を肩幅の広さで立ち、足首を曲げて体重を前に載せます。足の指でぐっと床をつかむ感じ、わかりますか? 次に両膝を内側に入れたら、おなかを上に向かって引き上げます」これが、立ったときの正しい姿勢。
体感的にはかなり前のめり。でも、鏡に映った姿は、すっとすっきり、スリムに見えます。しかも、ふくらはぎのはりがつらかった40代のHさんは「今までとぜんぜん違って、ふくらはぎが楽!」と驚きの表情に。
正しい立ち方はひざの後ろを緩め静脈を圧迫しないので、血流がスムーズなんだそう。
なんとHさんの長年のお悩みは立ち方をあらためるだけで、解消したのでした。
セミナーの終盤、仕上げは〝歩き方〟です。
「肋骨の中央にある胸骨を15度上に向けることで、足を前に踏み出したとき、かかとから足が出るようになります」
胸骨を上に向けるとおのずと猫背も解消、姿勢がよくなります。
さらに不思議なテクニック(?)が明かされます。
体の重心がある仙骨(骨盤の中央部分)に後ろから手をそっと添えるだけで…あら不思議!すっすっと足が自然に前へ前へと出るのです。まるでパワースーツを装着したかのよう。仙骨を前に押し出すようほんの少し意識するだけで、足運びが軽くなるので、介護の現場でもこの〝仙骨添え〟は役に立ちますよとミッキーさん。
最後に、全員でもう一度しゃがんでみると、全員がセミナー開始時よりもぐんと深くしゃがめるようになり、自分史上最高! という声も。
「30年前は正座がひざに悪いといわれていましたが、本当は逆で、足指と足首をしっかり使う日本の生活は、若々しい身体を保つのに適していたのです」
参加者の皆さんも、
「驚きの連続。毎日足首回しをして健康になりたいです」(50代)
「今まで感じたことがない感覚で、骨と骨の間がのびのびと広がった気がします」(40代)
「自己流の足首回しとは全然違いました。立ち方にはとても悩んでいたので、まさに目から鱗です」(50代)
「足首回し、立ち方など、日ごろから自分でできることばかり。やった後の変化を実感でき、参加してよかったです」(40代)
と、全員が足首回しの効果を実感。ミッキーさん、大村さんにとっても参加者の方たちの笑顔が何よりだった様子。
じつは、足首だけでなく、体にある関節はすべて体調を大きく左右します。とくに現代人に多い顎関節症も、ちょっとしたコツで痛みが解消するだけでなく、小顔効果(!)もあるとか。
次回はミッキーさんの顎関節症と小顔効果のセミナーが開催されるかも・・・?
もちろん、決まり次第お知らせしますので、ご興味のあるかたは、セミナーのスケジュールチェック、どうぞお忘れなく!
撮影/冨樫実和 取材・文/鈴木美穂