病人のイチバンの特権

腑に落ちるところがあるのは、母親に「ちちんぷいぷい」とおまじないをしてもらうだけで、実際に「痛みが飛んでいってしまう」という経験を、わたしだけでなく多くの人がしたことがあるからだろう。

 

佐々さん_photo

 

風邪で医者に診てもらっただけで、薬も飲んでいないうちから治った気になって、ちょっと元気になることもある。心の働きによってもたらされるさまざまな効用は、今医療の世界でも再び注目されている。

 

 

ここで驚くのは、「プラセボですよ」と説明して投薬しても、ある一定の効果があるということだ。もっとも高山病の場合、プラセボでは血中酸素の濃度が改善するわけではないそうなので、気分がよくなったからといって妄信するのは危険。まさに「病も気から」「いわしの頭も信心から」である。

 

 

プラセボは、わたしの仕事でいえばパソコンのキーボードのようなものなのかもしれない。頭では整理しきれない文章が、キーボードを叩き始めるととたんに生まれてくることがある。

 

 

もちろん、キーボード自体はからっぽだし、プラセボもからっぽ。それでも、キーボードを使って記事を書いてきたことの嬉しさや、薬を飲んで気分がよくなったという経験をからだは覚えている。鍵はその行為によって生まれてくるからだと心の記憶なのだ。

 

 

ホルモンの乱れによる種々の不快症状は、新しい体内バランスに慣れるまでつきものだとするなら、その不快症状をなだめつつ、あきらめつつ、自己治癒力を信じて待つことを覚える必要があるのかもしれない。

 

 

病気ではなく老化であるのなら、どこまで「医療」に頼るのかも考えどころだ。今までからだを粗末に扱ってきたので、そんなまどろっこしいことを考えたこともなかったが、これから機嫌のいい大人になっていくために必要なことがあるかもしれない。そう考えてみると、すべての解決方法には、できる限りオープンでいたいと思う。

 

 

とはいえ、更年期のさまざまな不快症状と分けて考えなければならないのは、わたしは卵巣に脂肪などが溜まって腫れてしまう病気を持っているということだ。これは破裂する可能性があって、心の働きで消滅するとまでは信じられない。わたしは若い時にも大病をして、半身不随になるところを外科手術で救ってもらった。もし外科的な手術をしていなければ、いまごろわたしは立てなかったし、自力で排泄もできなかった。

 

 

自分が年を重ねるにつれて、友人もいい年になり、医療でなく別の道を選ぶ人も多くなってきたが、わたしは今回、自然療法ではなく医療にお世話になることにする。〝これがわたし〟だ。

 

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