こんにちは、ギリコです!
取材で、初めて断捨離®トレーナーのお宅を訪問してみたところ、玄関ドアが開いた瞬間に〝何かパワーのようなもの〟がふわりと飛び出してきて私を包んだことなどを書いた前回の記事は、たくさんの方にお読みいただきました。
その続きです。
伺ったのは、断捨離トレーナー大澤ゆう子さんのご自宅。
北関東の静かな住宅地にある、築30年の一軒家です。
前回も書きましたが、これまで私は仕事で片づけの達人や掃除のプロのご自宅に伺ったことはありました。
なので、今回も「断捨離トレーナーのお宅なんだから家に余計なモノがなく、すっきりしているんだろうな」くらいは予想していたのですが……
ところが実際訪問してみると、断捨離は私が考えていた〝単にモノがなくてすっきり〟というレベルではなかったのです。
この訪問で、私は「断捨離」と「片づけ」は全く違うことを知りました。
断捨離という考えや行為は、片づけやそうじといったものの範疇を超えた何かであることを身をもって体験したのです。
この訪問まで私は断捨離を「整理収納方法のひとつ」くらいにしか思っておらず、いわば断捨離をなめていたといえます。
************************************
大澤家の玄関で不思議な空気を感じ、その瞬間、それまでしていた頭痛と寒気が少しラクになった私。
さっそく取材を開始すると、大澤さんは「スピリチュアルな意味で言うのではないんですけど、モノって生きていて、私たちと同じようにエネルギーをもっているんです」「それにモノは丁寧に扱えばちゃんと応えてくれるし、返してくれるんですよ」ということをたびたび口にしました。
その具体例が、前回も書きましたが「茶渋がべったりついたカップで飲むお茶」と「きれいなカップで飲むお茶」の違いです。
ふつうに考えれば、きれいなカップで飲んだほうが「おいしい」と感じる人のほうが多いはず。
それが大澤さんのいう「モノからのエネルギー」であり、「丁寧に扱えば、モノがお返ししてくれる」ということ。
なるほどと思って話をきいていたら、「……あ、ほら、あれを見て!なんの光だと思う?」
突然、リビングの天井を指さした大澤さん。
????
リビングには、光を反射するような鏡やガラスのテーブルはありません。
なのに何かに反射した日の光で、天井がこんなに明るく輝いていました。
答えがわからない私に大澤さんは「ふふふ。床ですよ。床が光って反射しているの」。
そういわれて、あらためて床を見ると……
磨きあげられたぴかぴかの床が。
[これがリビングの床。年に一回ワックスをかけ、毎朝モップでさっとホコリをとっている。一緒に写っているスツールは、家具工房にオーダーしたお気に入り。ランチのときはキッチンカウンターの横に置いて、このイスに座って食べることもあるそう]
「床が光を反射しているんです。
床が天井を照らして、こんなに部屋を明るくしてくれるの。
きれいに磨けば、床がこうしてお返ししてくれる。
これも〝モノからのお返し〟のひとつです」
そういえば築年数の経った木造住宅というと、室内が暗いイメージがあるのですが(私の実家がそうなのです)、大澤さんのお宅はどこも明るい。
[「ガスコンロは数年前に買い替えたけれど、他は引っ越してきた当時のまま」というシステムキッチン。北向きにもかかわらず、やはり明るく感じるのは磨き上げられているから。これも〝丁寧に扱えばモノは返してくれる〟の一例]
しかも空気がよそのお宅とは違うのです。
説明するのが難しいのですが、よどみがなく、からっとしていて、それでいてホッとする感じ。
清々しくて、そこにいると頭や体のだるさがすぅっととれていくような。
なにかパワーのような、いうなれば〝気〟といえるようなものが満ちているのです。
(気という言葉を使うのをためらいましたが、本当にそれ以外いいようがない)
到着したとき、頭は痛いし寒気はするしで「こんな調子で取材できるかな」と憂鬱だった私の体調。
ところがそれは帰るときには、すっかり治っていました。
3時間以上もぶっ通しで取材したにもかかわらず(人の話を真剣にきき、メモし、聞き逃したことがないよう適時質問するのって、通常はけっこう疲れるのです)、着いたときより帰るときのほうがどういうわけか元気になっていたのです。
それを大澤さんに伝えると「そうなの。このうちにいると元気になる、ってよく言われるの」とのこと。
どうやらこの不思議な現象は、私だけに起きたわけではないようです。
[モノを捨てればいい、モノは持つなというのではないのが断捨離。自分が愛でたいものや大切にしたいものには特等席を用意し、空間を活かすのも断捨離の考え方のひとつ。「鳥が好き」という大澤さんのお宅はあちこちに鳥をモチーフにしたオブジェが。愛着のあるものを目にすることで得られる、たのしさや心地よさ。これも「モノからのお返しです」]
「あの特別な空気、パワーは何だったんだろう」
そのことを大澤家訪問以来、私はずっと考えてみました。
考え続けてようやくこの記事を書く段階で、わかってきたことがあります。
私は湧き水が好きで(飲むのではなく、泉を眺めているのが好き)、疲れがたまると週末、実家近くの湧水群がある林へ行くことがあります。
その林には小さな湧き水がいくつかあるのですが、そのうちのひとつのそばにただ立ち、湧き出した透明な水がさわさわと木々の間を流れていくのをぼうっと見ているだけで、なぜか頭や体の疲れがとれ、元気になるのです。
そこは、いわば私にとってパワースポットのような場所です。
そういえば大澤さんのお宅の中のあの気は、泉の横に立っているときに感じる空気と似ているのです。
!!
ようやく腑に落ちました。
私が担当している連載『50歳からの断捨離®道』の取材で、断捨離トレーナーの佐藤ひとみさんが「断捨離をすれば、家がパワースポットになるんです」と話していたのですが、これがまさにそうなのだと。
「家がパワースポットになれば、わざわざ遠くのパワースポットといわれている場所まで出かける必要もないです」
佐藤さんはそうも言っていました。
確かに。
インタビュー中、「断捨離は自分のためにすること」「やったらやった分だけ自分に返ってくる」と繰り返し言っていた佐藤さんと大澤さん。
でも何がどう自分に返ってくるのか、私はわかっていませんでした。
モノを減らして片づければ、「あー、すっきりした」という達成感やモノを探す手間と時間が減ることは容易に想像できますが、「それ以外に何が返ってくるのかな」と思っていたのです。
同時に「断捨離に出会って人生が変わりました」というふたりの言葉に、「そんなに断捨離ってすごいの?」というくらいの感想しかなかったのです。
けれど大澤家であの〝気〟というかパワーを体験してしまった今は、「この〝気〟を知ってしまえば、確かに人生が変わるかも」と理解できます。
*****************
大澤さんの取材を終えた後に初めて迎えた休日、私は寝る前に何となくキッチンの蛇口をいつもより丁寧に拭きました。
きれいな女優さんを取材した際、愛用のコスメなどを教えてもらうとすぐマネして使ってみる私。
大澤さんのおうちを見て、やはり少しでもマネしてみようと思ったのです。
すると……
なんと翌朝、天井に光が。
蛇口が驚くほどの光を放っていたのです。
本当にまぶしかった……。
その光は背後にあるつくりつけの棚にまで反射し、そのせいで15年以上は使っている古いお鍋やボウルまでもが光っていました。
(ちなみに下の写真は「編集部のつぶやき」で以前もご紹介した、ふだんの我が家の台所。
外は晴れていても、だいたいいつもうす暗かった。もちろん拭き上げていないので蛇口も光っていません)
蛇口ひとつを磨いただけで、これだけ空間が変わるのなら……
もし、シンクやカウンターなどあちこちを磨いてみたら……
一体どれだけ明るくなるのか?
数年前にかなりモノを減らした我が家。
おかげでずいぶん掃除はしやすくなり、家事のストレスは減りました。
でもこの家は、今の段階では私にとってパワースポットではありません。
もちろんくたくたに疲れて帰ってきても、お風呂に入り、自分のベッドで眠れば前日よりは回復しています。
部屋着でソファに寝そべり、犬と一緒にテレビをみたり本を読んだりと寛ぐこともあります。
でも〝自宅がパワースポットです〟とまではいえないし、思えない。
数年前、ふと思い立って家のモノを減らし(『昔のアクセサリーとバッグを処分したら……驚きの結果に』)、その後父が亡くなったのを機に早めの終活をした私(『50代からの明るい終活、私の場合』シリーズ)。
家を片づけ、身辺を片づけたら、今度は〝脂肪の片づけ〟に挑戦しました。
それがこの「編集部のつぶやき」でもご紹介してきた、ダイエット(『更年期でも痩せられた』シリーズ)です。
自己流のゆるいダイエット法で、結果、17キロ痩せましたが、今、ダイエットはお休み中。
(〝現状キープでOK〟としています)
ちょうど「今度は何にとりかかってみようか」と思っていたところへ、このたび体験したのが大澤さんのお宅での不思議な現象。
つまりは〝自宅をパワースポット化〟です。
できるかなぁ。
★大澤ゆう子さんのブログはこちら↓
※断捨離はやましたひでこさんの登録商標です。