ほてりや肌荒れ、疲れやすい…。
その不調、冷えが原因かも?
MyAge世代の私たちが感じる不調のもとが、実は「冷え」だった、ということもあるそうです。
さまざまな「冷えとり」情報があふれていますが、冷えの改善に本当に必要なことって何でしょう?
医師に聞いた、実はあまり知られていない冷えの原因や改善法、そして、冷えとり20年のスペシャリストが実践しているコツも!
美と健康のプロたちに聞いた「冷えとりの真実」をお届けします。
渡邉賀子先生に教わる
今度こそ! 本気で冷えとり Q&A
あなたは冷えとりをどのくらい実践していますか?
その方法、実は勘違いしていたり、もっと効果の出る方法があるかもしれません。
そこで、冷えとりのスペシャリスト、渡邉先生がその原因と解決策を指南!
冷えとり初心者も冷えとり上級者も、「冷えとりの真実」がわかるQ&A。基本からもう一度おさらいしましょう。
今回は、渡邉先生のおすすめの冷えとりアイテムや体を冷やす原因についてなど、Q&A方式で1~3までをご紹介します。
Q1
渡邉先生が使っている冷えとりアイテムを教えてください。
A1
三種の神器は「カーディガン」「靴下」「温熱シート」です。
私たちは、自律神経によって体温を微調整していますが、寒暖差が7℃以上になると体温調節がうまくできなくなります。現代人の生活は、冷暖房による室内と屋外の気温差が大きく、体温調節がうまくできなくなる人が増えています。
例えば夏場の外気が35℃で室内が25℃だと、10℃の差があります。ですから夏場でも体を冷やさないよう、「カーディガン」「靴下」「温熱シート」はいつもバッグに入れ、冷えが気になるときなど必要に応じて使っています。温熱シートは腰、腹部、それでも冷える場合は肩甲骨の間に貼ると、深部体温を下げない効果が。
冬は逆に屋外が寒いので、暖かい部屋から出ると、血管が収縮し、血流が悪くなります。外出時の防寒も大切ですが、室内温度を上げすぎないようにしましょう。
Q2
体を冷やす原因は何ですか?
A2
冷えとは、体内で熱が作れない、配れない状態。
現代はストレスが原因になっていることも!
食べ物がエネルギー源となって熱を作り、その熱が血流によって体の隅々まで行き渡り、自律神経による血流調節などにより体温が保たれています。体の中心部の深部体温は約37℃で、体の末端、つまり手足の指先や皮膚表面ではやや体温が下がります。
冷えとりといえば、靴下や手袋で冷えている末端を温めることを意識しがちですが、まずは腹部を温め、深部体温を保つことが大切です。
冷えの主因は自律神経の乱れ。夜になっても緊張やストレスで交感神経が優位になっていると、リラックスのスイッチが入りません。そうすると、末梢血管が収縮して血流が悪くなってしまうのです。以前、血流の実験をしたときに、被験者の苦手な人の名前を言ったところ、末梢血管が収縮。血流にまで影響することがわかりました。
このようなストレスによる末梢血管収縮も、熱を配ることを阻害する要因になり、冷えの原因になります。
Q3
慢性的に冷えを感じています。どんな生活を心がけるべき?
A1
朝食をとる、筋肉をつける、リラックスする。
この3つがポイントです。
まず決まった時間に朝食をとりましょう。温かい食事で体を温め、胃腸を動かしてあげることが大切です。そして食べ物がきちんと消化・吸収され、肝臓で代謝されるなどの過程で熱が生まれます。このうち体の熱の約6割を作っているのは筋肉ですが、女性は男性よりも筋肉量が1割ほど少ないので冷えやすいのです。ヨガやストレッチなどで柔軟性のある筋肉を作るのがおすすめですね。
この世代に最もおすすめしたいのは、骨盤底筋を鍛えること。骨盤底で内臓を唯一支えている骨盤底筋は、加齢とともに緩みがちです。QOL(クオリティ・オブ・ライフ)の観点からも、骨盤底筋を鍛えることが重要です。
ちなみに、脂肪は保温の役割があります。つきすぎていてもよくありませんが、冷えない体にとっては、体脂肪率20~25%くらいがよいでしょう。
そしてもうひとつ重要なことは「楽しく過ごすこと」。冷えとりに最も重要といってもいいくらいです。ストレスは血管を収縮させ血流を悪くし、冷えの原因に。ゆったりリラックスした気持ちで過ごすことは、体を冷やさないことにつながるのです。
一日のスタートに温かい朝食をとることは、冷えの改善につながります。胃腸を動かして、体を温めてあげましょう
次回は、改善策や冷えとりテクなどに関するQ&Aの4~7までをご紹介します。
撮影/江原隆司 取材・原文/島田ゆかり