ほてりや肌荒れ、疲れやすい…。
その不調、冷えが原因かも?
MyAge/OurAge世代の私たちが感じる不調のもとが、実は「冷え」だった、ということもあるそうです。
さまざまな「冷えとり」情報があふれていますが、冷えの改善に本当に必要なことって何でしょう?
医師に聞いた、実はあまり知られていない冷えの原因や改善法、そして、冷えとり20年のスペシャリストが実践しているコツも!
美と健康のプロたちに聞いた「冷えとりの真実」をお届けします。
渡邉賀子先生に教わる
今度こそ! 本気で冷えとり Q&A
あなたは冷えとりをどのくらい実践していますか?
その方法、実は勘違いしていたり、もっと効果の出る方法があるかもしれません。
そこで、冷えとりのスペシャリスト、渡邉先生がその原因と解決策を指南!
冷えとり初心者も冷えとり上級者も、「冷えとりの真実」がわかるQ&A。基本からもう一度おさらいしましょう。
今回は、「冷え」の改善策や簡単な冷えとりテクなどについてのQ&A4~7までをご紹介します。
Q4
冷えを放っておくとどうなりますか?
A4
肌荒れ、白髪や抜け毛、歯肉炎、風邪、気持ちの落ち込み、イライラなど。
あらゆる不調を引き起こす可能性も
冷えは血流が悪くなって新陳代謝が低下している状態のため、細胞に酸素や栄養が行き渡りません。内臓も冷えていると働きが悪くなります。そう考えると、冷えはあらゆる不調のトラブルを引き起こす原因につながることがわかるでしょう。
頭皮に栄養が行かなければ健康でつややかな髪は生えてきません。皮膚細胞も栄養不足だとターンオーバーがうまくいかず、乾燥やシミ、シワ、たるみを引き起こします。体温が低下して免疫力が下がると、風邪や歯肉炎の原因にも。血行不良は自律神経のアンバランスから起こることも多く、心のバランスも崩しがちです。
また、冷えの陰には、「甲状腺機能低下症」や「心臓病」「動静脈疾患」「膠原病」などの病気が潜んでいることも。「痩せられない」というのも、冷えによる新陳代謝の低下が原因になっていることがあります。長い間、体の中が冷えていると、どうなるか。これらのすべてのトラブルにじわじわと影響してくる可能性があるのです。
Q5
シワやフェイスラインのたるみ、冷えが原因って本当ですか?
A5
「冷えさび」といって、冷えによる新陳代謝の低下が肌を直撃!
冷えると血流と代謝が悪くなり、活性酸素が過剰に発生しやすくなります。呼吸により体内に発生する、酸化力の強いこの活性酸素は、細菌やウイルスを除去する作用もありますが、なんと、りんごを変色させる酸素の数十倍もの酸化力があるのです!
影響が最も出やすいのは肌。活性酸素は肌の弾力に大切なコラーゲンやエラスチンを変性させ、シワやたるみの原因に。「冷えさび」といって、冷えによる新陳代謝の低下と美容は密接なかかわりがあるのです。
活性酸素をコントロールするためには、〝抗酸化力〞を上げること。ビタミンCやビタミンE、ポリフェノール、フラボノイドといった抗酸化物質をとることもよい方法ですが、何より重要なのは、生活の見直し。血流と代謝をよくするように、バランスのよい食事を心がけたり、ゆっくりお風呂に入ってリラックスする時間をつくったり、適度な運動を習慣にするなど、健康的な生活を心がけることで、冷えないようにすることが大切です。
Q6
更年期のせいか、ほてるのに足元は冷えます…。改善策は?
A6
更年期世代の冷えの原因は、
女性ホルモンのアンバランスによる自律神経の乱れや、筋肉量の低下。
食事や運動に気をつけましょう。
更年期はほてりの症状で、冷えを感じにくくなり、「冷え症が治った!」と思いがちですが〝冷えのぼせ〞を引き起こしている場合も。上半身に血液が集まり、下半身が冷えている状態です。
ある実験で、のぼせを感じる人に足湯をしてもらったところ、のぼせが改善したという事例がありました。血流が改善し、血液の配分が元に戻ったのですね。
おすすめは、まず運動や食事に気をつけること。女性ホルモンのためにイソフラボンをとったり、動脈硬化の予防作用が期待できる青魚や玉ねぎも積極的にとりましょう。
注意したいのは、塩分の取りすぎ。血管に負担がかかります。またヨーグルトも、腸によさそうと積極的にとりがちですが、更年期世代には乳脂肪分が高脂血症を招く原因に。高脂血症は動脈硬化を促進し、冷えの原因になります。確かに、ヨーグルトは毎日少しずつとりたい食品ですが、低脂肪か無脂肪のものを選ぶといいですね。そして頑張りすぎないこと、リラックスして過ごすことも大事です。
Q7
外出先で冷えた!
即効性のある、簡単な冷えとりテクを教えてください。
A7
肩を回して肩甲骨を緩めましょう。
4つの"温感センサー"を温めるのも効果的です。
簡単で即効性のあるおすすめの運動は、両手の肘を曲げて指先を肩に置き、前からぐるぐる、後ろからぐるぐると肘を回し、肩甲骨をできるだけ動かすようにすること。血流が悪いと青く目立つ舌下静脈(舌の裏の太い血管)が、この運動後は体が温まって目立たなくなったという経験談もあります。
もちろん、全身の軽いストレッチや、温かい飲み物で内臓を温めるのもよいでしょう。また、首、胸、二の腕、肩甲骨が温度センサーのような役割をしており、冷えたときはこの4つの部位を温めるのがおすすめ。4つの部位を全般的に覆えるショールを持ち歩いておくと便利ですね。
シルクのインナーは、冷えとりに理想的。
湯たんぽやレッグウォーマーで足元を温めると、冷えのぼせの改善にも 。
次回は、冷えとりQ&Aの最終回、冷えの効果のある漢方や体を冷やさないための着こなしポイントなどをご紹介します。
撮影/江原隆司 取材・原文/島田ゆかり