閉経前から備えておきたい
50歳は「骨力の曲がり角」!
自分の骨についてどこまで知っていますか?
骨粗しょう症なんて、まだまだ先のこと…と思っていませんか?
実は50歳は「骨力」の曲がり角。更年期は骨についてしっかり学ぶ、いい機会です。
そこで、細井孝之先生にお話をうかがいました。
ぜひ自分の骨の状態=「骨力」を知って、骨粗しょう症の予防にお役立てください。
まずは、骨に関する基礎知識についてのお話です。
知っておきたい骨の基礎知識
意外と知らない"骨"についての基礎知識。もう一度おさらいしてみましょう。
50歳前後は骨について
考えるのによい年代
自分の骨のことをどれだけ知っていますか? 骨折したり、膝痛や五十肩など関節の痛みがない限り、普段の生活のなかで〝骨〞を意識することは少ないものです。
骨粗しょう症という病気については知っていても、まだ先のことで、自分には関係ないと思っていませんか? 実は50歳前後の更年期こそ、骨について正しい知識を身につけるのに大切な時期です。
「女性には一生のうちで、骨粗しょう症につながる時期が3回あります」(細井孝之先生・以下同)
1回目は骨の基礎をつくる10代後半から20代前半。2回目は骨が急激にスカスカになる更年期前後。3回目は転倒や骨折を起こしやすくなる70代です。
「ちょうど、40代から50代前半の更年期世代は、自分の体調の変化に気づくときであり、70代の母親を持ち、20歳前後の娘がいる場合が多い。つまり、骨粗しょう症と深く関係する3世代が親族にいることが多いのです」
思春期の娘が無理なダイエットなどで正しい食事をとらなければ、しっかりとした骨がつくられません。また、70代の母親は運動習慣がなく、歩くことすら億劫がる…という状況では、ちょっとしたことで転倒や骨折をしかねません。
自分の骨を知ることから
始めましょう
「実は、更年期世代の女性が骨に関する正しい知識を持つことは、自分だけではなく、家族・親族のためにもとても有意義なことです。家族で骨粗しょう症にならない生活に取り組んでみてはどうでしょう。みんなで行えば、一人で挑戦するよりもずっと楽で、成果も上がるはずです」
そこでまず、最初にするべきこととは?
「骨量を測り、今の自分の骨の状態を知ることです。骨量とは、簡単に言うと骨に詰まっているカルシウムの量。すべての年代で把握しておくべきですが、特に40歳を過ぎたら一度検診を受けてください。50代に入ったら、1〜2年に1度、定期的に測り、自分の骨量の減り具合をつねに把握しておきましょう」
現在は骨量を目安に骨粗しょう症の治療や予防が行われています。測定にはいくつか方法があるので、検診で異常が指摘されたら、より詳しい測定ができる医療機関で受診をすることがとても重要です。
「誰でも年齢とともに、骨量が低下するのは避けられません。しかし、生活習慣次第でその下降線を緩やかにすることは可能です」
あなたの骨力大丈夫?
次回は、今こそ知っておきたい骨についての疑問についてや基礎知識についてご紹介します。
撮影/板野賢治 オブジェ製作/田中靖夫 構成・原文/山村浩子