気を補い、血を巡らせるイワシで気分アップ!
更年期では、ほてったり汗をかいたりといった体の症状だけでなく、やる気が出ない、漠然と将来に不安を感じる、意味もなく落ち込むといった、抑うつ的なメンタル不調が現れることがあります。
「体を温めたり、代謝を促し、エネルギーのもととなる『気(き)』が足りなくなると、疲れやすく、気持ちも落ち込み、やる気が出ません。また、血液が流れにくく、体内に血が滞ってしまうことを『血瘀(けつお)』といいますが、この血瘀の状態でも、メンタル不調や手足の冷えなどが現れます。
こうした、元気ややる気が出ないといった不調には、『気』を補い、『血(けつ)』の巡りをよくすることが大切です。おすすめの食材がイワシです。
イワシは気と血を補いながら、巡りを整えます。今回はこれに、さらに気と血の巡りをサポートする、香り高いパセリとにんにくをたっぷりまぶして、オリーブオイルでカラリと焼きました」(谷口ももよさん)
【薬膳ポイント】
イワシ
薬膳では「温性」の食材とされ、肝と腎を高めて、血を補い、巡りをよくする「活血(かっけつ)」作用に優れています。精神を安定させ、疲れやすいといった不調の改善、体を温める効果もあるので冷えの改善にも。また脳の機能アップ、目の疲れにもよいとされています。
【材料 2人分】
イワシ(三枚おろし):4尾
にんにく(みじん切り):大さじ1
パセリ(みじん切り):大さじ3
塩・こしょう:各少々
小麦粉:大さじ1
オリーブオイル:大さじ3
【作り方】
① イワシにしっかり塩、こしょうをして、小麦粉を両面に薄くつけ、その上に半量のパセリをつける。
※丸のままのイワシの場合は、三枚におろして同様に。
② フライパンにオリーブオイルをひき、にんにくをきつね色になるまで焼いて、いったん取り出す。
③ ①を皮目から、両面をしっかり焼く。
④ ③を器に盛りつけ、残りのパセリと②のにんにくをのせる。
「食べる直前に好みでレモン汁を搾ると、さらに気の巡り効果がアップ! イワシでなくても、アジやサンマなど青魚なら何に変更してもOK。カラリと焼いたサクサクの食感も、気分をアゲてくれます」
【教えていただいた方】
国際中医師、国際薬膳調理師、一般社団法人「東洋美食薬膳協会」代表理事、「世界中医薬学会連合会」理事、一般社団法人「日本豆腐マイスター協会」理事。 「健康は日々の食卓から」と「美食同源」をテーマに、身近な食材で簡単でおいしい薬膳レシピを提案。ヘルシーな豆腐や野菜を中心にしたベジ料理にも精通している。料理本のアカデミー賞といわれるグルマン世界料理本大賞にて、2015年『身近な10の食材で始める薬膳ビューティーレシピ』と2017年『べジ薬膳』で健康料理部門グランプリを受賞。日本における薬膳料理研究家の第一人者として、TVや女性誌などのメディアでも幅広く活動中。6冊目の新著『女性の100の不調を整える薬膳と漢方』(エクスナレッジ)が10月15日発売。
撮影/フルフォード海 取材・文/山村浩子