目の不調には、この対策!
気になる「目」について、Part1~4に分けて大特集でお届けしています!
Part 4
大切なのは、日々のちょっとした積み重ね
セルフケアで少しでも
老眼をくい止める
老眼が始まっても、その進行を遅くすることは可能です。それは毎日のちょっとした習慣が大事。今日からさっそくトライ!
ここでは、眼科医の平松先生に、簡単にできる老眼の進行を遅らせるためのPOINTを3つ教えていただきます。
今回はまず2つのPOINTをご紹介します。
平松 類さん Rui Hiramatsu
疲労をためないことと、
いい涙を育てることが大切
「老眼の原因はピントを合わせる筋肉である毛様体筋(もうようたいきん)の衰えです。これは"年齢による老化"と"筋肉の疲労"により加速することがわかっています。老化自体をストップすることは難しくても、疲労をやわらげ、老眼の進行を"遅らせる"のは可能です」(平松類先生)
最近では「スマホ老眼」という言葉があるほど、若くても老眼のような症状の人が急増しています。この原因も多くは疲労です。それを解消するポイントは3つ。
「まず、目元の血行を促進すること。次にピントを合わせる筋肉や目を動かす筋肉の緊張を緩めること。そして、とても大切なのは涙の質をよくすることです。いい涙を育てるという意識を持つといいでしょう」
ここに紹介するのは、どれも簡単にできるものばかり。毎日の習慣にして、老眼を促進する"疲れ"をためないことを心がけましょう。
●POINT 1▶血行を促進する●
PCやスマホ、デスクワークなどで日々、私たちは目を酷使しています。同じ姿勢を続けると肩がこるように、目の筋肉も緊張してガチガチに。それを解消するには、血行を促して、新鮮な酸素と栄養を届けることが大事。
[ホットアイマスク]
温熱効果で血行とリラックス効果を促します。水で濡らして絞ったタオルを電子レンジ(600Wで40秒が目安)で温め、目の上に置きます。タオルが冷めたら温かいものに替えて、約10分続けます。
[頭皮マッサージ&ツボ刺激]
指の腹を使い、こめかみから頭のてっぺんに向けて、頭皮のマッサージを。続いて、目の疲れや痛みに効果的な、「攅竹(さんちく)」(眉頭のくぼみ)と「太陽」(こめかみから少し目尻寄りのくぼみ)を指の腹で気持ちよくプッシュ。このダブル効果で目の疲れを一掃します。
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●POINT 2▶筋肉を緩める●
近くを見続けていると、ピントを合わせる毛様体筋や目玉を動かす筋肉(外眼筋)が筋肉疲労を起こします。こうした疲れ目を解消するために、時々、毛様体筋を緩め、外眼筋をストレッチして柔軟性を高めましょう。
[ぎょろ見ストレッチ]
黒目を上下左右、斜めに動かして、目の筋肉をストレッチ。鍛えることが目的ではないので、気持ちいい程度に動かすのでOK。視線の移動がスムーズになり、視力アップにもつながります。
[ぼーっと見]
100円ショップなどの安い老眼鏡で遠くを見るとぼやけます。こうしてわざとピントが合わない状態を作ることで、緊張した毛様体筋を緩めることができます。
次回は、3つ目のPOINT、乾燥や傷などから目を守っている“涙”の質をよくする方法をご紹介します。
イラスト/内藤しなこ 取材・原文/山村浩子