呼吸を”巡らせる”方法をさまざまにご紹介してきました。今回は、深い呼吸を維持するために「正しく立つ」方法をご紹介します。いつもの姿勢と呼吸を整えて根本的に体質改善をしましょう!
正しく立つために
足裏と股関節を意識する
足裏の3点に、バランスよく体重をかけて
呼吸が浅く乱れる人の多くは、足の裏を床に着けたときの重心・加重が偏っています。大切なのは小指の付け根、かかと、親指の付け根の3点。深い呼吸をするためには、この3点にバランスよく体重をかけ、3点を感じながら立つようにします。
「足の裏と同時に股関節も意識しましょう。足は、太ももの骨(大腿骨)と骨盤が連結している股関節から始まっています。この股関節を意識することで、足裏に偏りの少ない立ち方ができるように。単純に深呼吸するよりも、股関節から足裏3点まで足がつながっていると意識することで、呼吸は深くなります」
1あらかじめ股関節の位置に指で触れて、しっかりイメージします
2つま先を正面に向け、膝は軽く曲げて力を抜いて立ちます。足裏全体に体重を乗せ、息を大きく吸います。股関節に手を当てたまま、体を後ろに押すように動かし、息を吐きます
3体を前につき出すように動かし、最後に体を元に戻します。股関節から足裏3点までつながっていることを意識しながら、呼吸は止めずにゆっくり鼻から息を吸い、口から吐き出します
力みをなくして
内巻き姿勢で正しく立つ
その"美姿勢"が呼吸を浅くする!
「胸を大きく開いた姿勢は肩甲骨や肩、首をロックし、筋肉の緊張を増長させます。背筋を真っすぐ伸ばすと背骨の自然な湾曲がなくなり、体全体の動きを硬くします。膝を伸ばしお尻を引き締めた姿勢は、骨盤の動きを悪くします。全部NGです」
呼吸を浅くする"美姿勢"はストップ! ラクに自然呼吸できる"内巻き姿勢"を身につけましょう。
(右)肩が内側に入り、背中は自然に湾曲。お尻の力みがないので股関節や膝がフリーになり、骨盤も硬くなりません。肘や手は軽く曲がっているのが自然
(中)肩を引くと呼吸が浅くなります。背中の押し下げは腰に負担をかけます。胸を開くことで肩関節がロックされ、肘から指先をピンと伸ばすと、手の力みグセが出ます
(左)腰や膝が曲がり、あごが出た姿勢はNG。内巻き姿勢との違いをチェックして!
撮影/城 健太 ヘア&メイク/木下庸子 構成・原文/上田恵子