若い頃とはなんとなく違ってきたことの原因がここに!?
タンパク質不足が招く、体への悪影響とは?
最近、気になる不調や症状はありませんか? それは実はタンパク質不足が原因かもしれません。 それほどタンパク質は体に必要なもの。気になる不調ポイントを、ひとつひとつチェック!
今回は、5.太りやすくなるポイント についてご紹介します。
タンパク質こそ
私たちに必要な栄養素!
よく耳にすること。日本人は農耕民族で伝統的に穀類や野菜を食べていたので、腸が欧米人よりも長い。だから肉を食べると長く腸にとどまり腐敗しやすいので、肉食には適していないというもの。
「これは都市伝説のようなもの。ある研究グループが、50歳以上の日本人とアメリカ人各650人ずつ、大腸に内視鏡を入れて調査したところ、長さに変わりはないことが判明しています」(藤田先生)
つまり、日本人の腸でも、肉はちゃんと消化されるということ。
タンパク質不足になると、肌や髪のコラーゲンが不足して、ハリがなくなります。筋肉が落ちれば太りやすくなり、更年期以降は骨の健康にも悪影響が。タンパク質はホルモンや神経伝達物質などの材料にもなるので、不足すると心の病気の原因にも。各臓器の細胞膜の材料が足りなければ、細胞が弱くなり、がんになるリスクも高まります。
「タンパク質こそ私たちにいちばん必要な栄養素。特に50歳からは、低糖質&高タンパク質の食事をおすすめします」
5 太る
代謝が落ち太りやすくなる
年齢とともに基礎代謝は低下します。基礎代謝とは、安静時でも生命維持のために必要なエネルギーのこと。基礎代謝の約40%が筋肉で消費されるので、筋肉量が減ると基礎代謝も下がります。筋肉を作るためにはタンパク質が必要。そのため、タンパク質を抜くような間違ったダイエットを行うと、筋肉量が減り、その後リバウンドして戻るのが脂肪だけという事態にも。どんどん痩せにくい体になってしまいます。
筋肉維持はダイエットのためには不可欠。また骨格を支えるのも筋肉です。老後に自立した生活を送るためにも、今から筋肉量を減らさない努力が必要です。それにはタンパク質をしっかり摂取して、適度な運動、筋トレで筋肉を育てましょう。
1日の総消費エネルギー量の内訳
基礎代謝量(平均値)の年齢ごとの変化
藤田紘一郎さん Koichiro Fujita
1939年生まれ。東京医科歯科大学名誉教授・医学博士。
専門は寄生虫学、感染免疫学。免疫、腸研究の第一人者。
腸や長寿食に関する著書多数。
近著に『50歳からは肉を食べ始めなさい』(フォレスト出版)
次回は、心の病気と免疫力に関する不調ポイントをご紹介します。
図表製作/ビーワークス 取材・原文/山村浩子 藤田紘一郎