骨折しない体をつくる
エクササイズ
●骨折しない体に必要な3つの力はコレ!
【Point 1】バランス能力
転びそうになっても、反対側に体を動かすなどして体のバランスを保てれば転倒を防げる。この能力は使わないと衰えるので、鍛えることが必要
【Point 2】固有感覚
固有感覚が衰えると、段差を乗り越えるときどのくらい足を上げればいいかなどとっさに判断する感覚が鈍り、転びやすくなるので感覚を養って
【Point 3】体幹の筋力
体幹の筋力が弱いと重いものを持ち上げたときや体が上下に揺れたときなどに、背中が丸くなってしまい背骨の圧迫骨折の原因に。鍛えて予防を
自分の転倒リスクをチェックしてみよう
転倒リスクが高いかどうかを、自分で簡単にチェックできるのが片足立ち。エクササイズにもなるから、普段からちょこちょこと行うのがおすすめ。
片足立ちで1分キープできる?
●1分できなければ、要注意!
片足で立って、1分キープできるかどうかチェックしてみましょう。多少体がぐらついても、片足を上げてキープできていればOK。上げた足が床についてしまったらその時点で終了。左右とも同様に行ってみて。
診断
●1分以上できたらOK
1分間は75歳の男女の片足立ちの平均値なので1分以上キープできればOK。より長くキープできた人ほどバランス能力や体幹の筋力がしっかりしていて、転倒リスクは低めです
●1分以下なら…
1分以下なら75歳以上の身体年齢ということ。バランス能力も体幹の筋力も衰えていて、転倒のリスクが高いので、骨折する可能性も大。これからご紹介するエクササイズを習慣に
●ほかにこんなチェックも
ほかに、左右それぞれの足で片足を上げて、靴下を履けるかどうか、あるいは、立った状態でぐらつかずにパンツをはけるかどうかも、バランス能力や体幹の筋力のチェックに
【Point 1】
バランス能力を鍛える
●転ばないために必要な力や体幹の筋力を鍛えて
「転倒をすると10回に2回は骨折するといわれているので、何より転ばないことが大事。そのために必要なのがバランス能力。バランス能力があればつまずいても体勢を保てるので転ばず、骨折も防げます」(中村格子先生)
バランス能力を鍛えるには、不安定な状態でぐらつかないように体を保つエクササイズが効果的。
バランスをとりながら歩く
【タンデム歩行】
前足のかかとを後ろ足のつま先につけながら真っすぐ歩くことで、バランス能力を強化。
1.右足のかかとを左足のつま先につける
真っすぐに立ち、右足を一歩前に出して、かかとを左足のつま先につけます
2.左足のかかとを右足のつま先につける
次に左足を一歩前に出して、かかとを右足のつま先につけます。この要領で一直線上を歩くイメージで、ぐらつかないように体を保って3mほど歩きましょう
バランスをとる筋力を鍛える
【エアプレイン】
不安定な状態で体をキープすることで、バランスをとるために必要な筋肉を鍛えます。
●オープンクローズ
1.右脚を後ろに上げて伸ばし、上体を倒す
立った状態から両手を広げ、右脚を後ろに伸ばして上げ、上体を倒して頭から脚を一直線に
両手は真っすぐ横に伸ばします。おへそが床に向くように、骨盤を床と平行に保って
2.両手を下ろして手をたたく
両手を下ろして手をたたきます。体を一直線に保ったまま、この腕の上げ下ろしを3回。反対の脚でも同様に
手をたたくときも骨盤がねじれないように注意。後ろ脚は下がってこないようにキープ
【できない人は】
できない人は、腰に手を当て片脚を軽く上げ、上体をゆっくり少しずつ倒すことから始めて
●横向きエアプレイン
1.両手を床につけ、左脚を高く上げる
立った状態から両手を床につけ、左脚を真っすぐ伸ばしてできるだけ高く引き上げます
2.左腕を上に伸ばし体を保ってキープ
左腕を真っすぐ上に伸ばしてぐらつかないようバランスをとり10秒キープ。反対側も同様に
Dr.KAKUKOスポーツクリニック院長。スポーツドクター。一般患者からアスリートまで広く診療にあたる。健康な体をつくるエクササイズ指導も人気
撮影/藤澤由加 ヘア&メイク/永田紫織 モデル/SOGYON スタイリスト/鈴木由里香 取材・原文/和田美穂