【Point】
固有感覚を鍛える
「骨折しないために重要なこととしてバランス能力のほかに固有感覚があります。固有感覚とは、重力に対して関節や筋肉などをどの位置や角度にもっていくとよいかを、瞬時に感知して脊髄に伝えるセンサー的なもの。段差があれば瞬時にそれに見合った高さに足を上げて乗り越えられるのもこの機能のおかげ。固有感覚のセンサーは体の各関節や足裏などに備わり、足裏への刺激が少ないと衰えます」(中村格子先生)
固有感覚のセンサーは関節や足裏にあるので、足の関節や足裏を動かしたり、物をまたいだりするエクササイズをすることで鍛えられます。以下のようなエクササイズを取り入れましょう。
足裏の固有感覚のセンサーを刺激
【つま先&かかと開き閉じ】
かかとやつま先を外側、内側に向ける動きで固有感覚を強化。片手を机などに置いて行ってもOK。
●つま先開き閉じ
1.膝を軽く曲げてつま先を外へ
両足をこぶしひとつ分ほどあけて立ち、両手を腰に当て、膝を軽く曲げてつま先を外に向けます
2.膝を伸ばしてつま先を上げる
膝を伸ばしてつま先を引き上げます。体も真っすぐに
3.かかとを軸につま先を内へ
かかとを軸にして、つま先を内側に向け、膝を軽く曲げます。このつま先の開き閉じを5回
●かかと開き閉じ
1.かかとをつけ、膝を軽く曲げる
左右のかかとをつけて立ち、膝を軽く曲げます。腕は体の横に下ろします
2.かかとを引き上げる
かかとを合わせたまま、膝を伸ばしてかかとを引き上げます
3.かかとを開き、膝を軽く曲げる
左右のかかとを外に向けて開き、膝を軽く曲げます。このかかとの開き閉じを5回
またぐ動きで固有感覚を鍛える
【枠またぎ】
枠をまたぐ動きは、固有感覚を鍛えるのに効果的。段差を乗り越える力がつき、転倒しにくくなります。
1.正方形の枠の中央に立つ
紐などで各辺40㎝程度の正方形を作り、中央に立って両手は腰に。足を軽く開き膝は軽く曲げます
2.またいで左足を外に出す
正方形の枠をまたいで左足を外に出します。枠を踏まないようにまたいで
3.右足もまたぎ両足を枠外に
右足もまたいで枠の外に出ます。次に右足、左足と枠の中に戻したら、右側にも同様に
4.右足で枠を前にまたぐ
枠の中央に戻ったら今度は右足で枠を前にまたいで、右足を外に出します
5.左足も前にまたぎ外に出す
左足も前にまたいで、枠の外に出ます。次に右足、左足と枠内に戻し、後ろ側にも同様に
Dr.KAKUKOスポーツクリニック院長。スポーツドクター。一般患者からアスリートまで広く診療にあたる。健康な体をつくるエクササイズ指導も人気
撮影/藤澤由加 ヘア&メイク/永田紫織 モデル/SOGYON スタイリスト/鈴木由里香 取材・原文/和田美穂