一般社団法人床バレエ協会代表。パリでクラシックバレエやコンテンポラリーダンスを学んだ後、フランスをはじめヨーロッパのバレエ団で活躍。現在、指導者としてSNSやYouTubeで床バレエの情報を発信。著書『マネしたらやせた! 30秒だけ床バレエ』(講談社)も好評
愛犬ビジョンとストレッチする竹田純さん。41歳でこのしなやかで美しいボディを保っているその秘訣が床バレエです
バレエダンサーはみんなやっている
骨盤を整えると悩みが解決するふたつの理由とは?
床バレエは、おへそから恥骨までお腹全体を引き込むようにへこませたまま行います。そして、その姿勢をキープした状態で、肋骨を使って呼吸をするバレエ呼吸(連載「竹田純さんの床バレエ」第2回)が基本です。「この呼吸を行うと、骨盤が自然に正しい位置に誘導されます」と竹田純さん。
床バレエで骨盤が整うとなぜ下腹がへこむ、垂れ尻が上がる、浮き輪肉が取れるなど、いいことがたくさんあるのか、その理由を聞きました。
バレエダンサーはどんなポーズをとっても、骨盤が安定しています
1.骨盤のまわりには、体幹を安定させるインナーマッスルが集まっているから
「骨盤のまわりにはお腹をコルセットのように締める腹横筋をはじめ、腸腰筋(ちょうようきん)、骨盤底筋群、背面にある多裂筋など、体幹を安定させるインナーマッスルが集まっています。
骨盤の歪みを取ると、これらの体幹の筋肉をしなやかに動かすことができるようになるので、無駄な贅肉がつきづらくなるんです。続けていけば、お腹、お尻がどんどん引き締まっていきますよ」(竹田純さん)
2.骨盤が立てば姿勢がよくなり、血流もUP
「骨盤が歪んで後傾すると猫背に、前傾すると反り腰になり、内臓の位置が下がって下腹がぽっこり出たり、お尻が垂れる原因になります。骨盤を真っすぐに立てて、正しい姿勢がとれるようになると、股関節の動きがよくなり血流がアップ。脂肪が燃えやすくなるし、姿勢もよくなるので、見た目にも上品に痩せて見えます」
【骨盤が後傾】
【骨盤が前傾】
反り腰では骨盤が前傾し、猫背になると骨盤が後傾します
上の写真のように骨盤を真っすぐ立てると、姿勢が整い、体幹部の筋肉をまんべんなく使うことができるように
続ければこんな変化が…!?
床バレエを続けて、食事制限なし、2カ月で体型が変わったという60代の女性
「床バレエを2カ月続けてくださった方のお写真です。食事制限をしていないのに、床バレエで骨盤の位置が変わって筋肉が上手に使えるようになったことで、下腹がへこみ、長かったお尻が短くなって、ヒップアップしています」
歪んだ骨盤をリセットして、下腹を薄くする床バレエ
【寝たまま脚パタパタ】
股関節の外旋、内旋を繰り返しながら股関節の動きをスムーズにして、歪んだ骨盤を元の位置に戻します。
1.膝を立てて両脚を広めに開く
あお向けになり、両手は頭の下へ。両膝を立てたら、両脚を腰幅よりかなり広めに開きます
上体は床につけて天井に向けたまま動かないように気をつけて、股関節から脚を動かすように、両脚を右に倒します
次に両脚を同様に左に倒します。左右交互に30秒ゆっくりと脚を動かしましょう
【お尻アップダウン】
お尻の上げ下げを繰り返すことで、骨盤と太ももをつなぐ腸腰筋の伸びを深めます。ここの筋肉の動きがしなやかになると、下腹がぺたんこに。ヒップアップにも効果的です。
1.両脚を右に倒す
あお向けになり両手を頭の下に置いたら、股関節から動かすように両脚を右に倒します
2.お尻を持ち上げる
両脚を右に倒したまま、床からお尻を持ち上げます。お尻のアップダウンを10セット。お尻を無理に高く上げようとせずに、自分のできる範囲で上げ下げを繰り返しましょう
次に両脚を同様に左に倒します
両脚を左に倒したまま、床からお尻を持ち上げて、アップダウンを10セット行います
【注意するポイント】
肩の力は抜き、首を長く保ったまま脚を動かすのがポイントです。
お尻を上げるときに肩に力が入り、首が詰まってしまわないように注意しましょう。
撮影/藤澤由加 ヘア&メイク/木村三喜 取材・文/山本美和