胸の筋肉が硬いと、首や顔がどんどん太くなる!
お腹ぽっこりは気になるのに、首に太いシワが刻まれた「三段首」は見て見ぬふりをしていませんか? 「三段首」は見た目に美しくないだけではありません。上半身に不調を抱えているサインになっている場合も‼
「猫背、巻き肩、肩こり、首こり…、上半身の不調を抱えている人の多くは胸の筋肉がカチコチです。胸の筋肉が硬いと背中の筋肉もこわ張って、細い首で重い頭を支えられずに、首がどんどん前へ傾きます。そして、真っすぐ前に固定されて動きの悪くなった首にはたっぷりと贅肉がつき、太いシワができた『三段首』になってしまうのです。
バレリーナで三段首の方は見たことがありません。なぜなら、バレエでは首を伸ばした状態でしなやかに腕を動かしながら、胸を開いたり、閉じたりして、常に胸と背中の筋肉を柔らかく使っているからです。今回紹介する床バレエは、脇をつかみながらバレエのアームス(腕の動き)を行うエクササイズ。胸の筋肉がほぐれれば、首が正しい位置に戻り、上半身の血流がよくなるので、顔も小さく、華奢なデコルテラインになります。
肩こりや首こりもラクになるので、仕事の合間にもぜひトライしてみてくださいね」(竹田純さん)
【脇つかみ胸開き】
脇をつかんで腕をゆっくり動かすと、カチコチに固まっていた胸の筋肉がみるみるほぐれてきます。腕を動かしている間も下腹に力を入れて、正しい姿勢をキープしたままゆっくりと腕を動かしましょう。
床にあぐらをかいて座り、お腹に力を入れて背すじを伸ばします。右手で左の脇をしっかりつかみましょう。あぐらをかかずに椅子に座って行ってもOKです。
このエクササイズは脇をつかむ指の位置がとても大事。親指以外の4本指を脇に押し込むように入れ、鎖骨の下に親指を当てて、4本の指と親指で胸の筋肉を挟むようにしっかり脇をつかみます。
右手で左脇をつかんだまま、左ひじを軽く曲げ、胸の前で半円を描くように左腕だけでバレエのアームスをつくります。視線は左手の指先に。
胸を大きく開くように、左腕を横に開きます。視線は左腕の動きに合わせて指先へと移動させましょう。左腕を閉じる、開くを10回繰り返します。
次に右手で脇をつかんだまま、ひじを軽く緩めたアームスをキープして左腕を上に上げましょう。視線は左の指先を追っていきます。
左腕を肩の高さくらいまで下ろします。アームスは常に半円を描くようにひじを緩めて、優雅に動かすのがコツ。10回上げ下げします。反対側も同様に。
【まとめ】
「あぐらをかいても、椅子に座っても、へそ下から恥骨までの下腹の広い面を引き込むようにお腹の力を入れることを忘れずに! お腹に力が入っていれば、腕を動かしても背中が丸まらずに、美しい姿勢のまま腕を動かすことができます。お腹もへこんでくるので、ぜひ腕とともにお腹への意識も忘れないでくださいね!」
【教えていただいた方】

一般社団法人床バレエ協会代表。パリでクラシックバレエやコンテンポラリーダンスを学んだ後、フランスをはじめヨーロッパのバレエ団で活躍。現在、指導者としてSNSやYouTubeで床バレエの情報を発信。著書『マネしたらやせた! 30秒だけ床バレエ』(講談社)も好評。
撮影/藤澤由加 ヘア&メイク/木村三喜 取材・文/山本美和