一日中、座りっぱなし&運動不足の毎日では下半身の筋肉は落ちるばかり。そんな下半身を鍛えるだけで全身の脂肪が燃え始めます!
「下半身には全身の筋肉の60~70%が集まっています。ですから全身の代謝を上げて、脂肪を燃焼させるためには、下半身の筋肉にアプローチするエクササイズが不可欠なのです。下半身に筋肉がつくと太ももが太くなりそう…と思う方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。
床バレエは筋肉を縦に伸ばしながら刺激していくので、体を大きく見せるアウターマッスルよりも、体を内側から引き締めるインナーマッスルをよく使います。バレリーナの体は、あんなに引き締まっているのに脚やお尻、お腹を触ると表面は意外に柔らかいんです。バレリーナは私が“バレリーナ筋”と呼んでいる、太ももの内側の内転筋、お腹の奥にある腹横筋や腸腰筋などの、体を内側から引き締めるインナーマッスルを使って体を動かしているので、マッチョにはなりません。
今回紹介する床バレエで刺激するのは、下半身のバレリーナ筋。ここを上手に鍛えれば代謝も上がるので、二度と太らない引き締まったボディを目指せます」(竹田純さん)
【カエル足伸ばし】
カエル足のように膝を開いたり、閉じたりしたら、片脚ずつ膝を伸ばす床バレエ。太ももは常に外旋させたまま、力を入れたお腹を軸にして脚を動かすと、インナーマッスルを上手に使えます。
1.あお向けになり両脚を上げる
あお向けになり、両脚を天井に向けて真っすぐ上げてそろえます。両腕は肩の高さで横に伸ばして、手のひらは上向きにしましょう。お腹は床に沈めるようにしっかりと力を入れます。
2.両膝を軽く曲げる
両膝をそろえて軽く曲げます。お腹の力が抜けないように注意しましょう。
3.膝を大きく開く
股関節から脚を外旋させるように、両膝を外に開いてカエル足を作ります。
4.両膝を閉じる
お腹を床に沈めたまま、両膝を閉じます。
股下に挟んだペットボトルを落とさないようにギュッと力を入れるイメージで、内ももに力を入れて膝を伸ばすように意識しながら、両脚をそろえて真上に伸ばします。
再び両膝をそろえたまま、軽く曲げます。
股関節から外旋するように両膝を開きます。
股関節から脚を外旋させたまま、右膝だけ真上に伸ばします。このとき、膝と足の甲が外側を向いていれば、脚が外旋できているサイン。
右膝を曲げて、元のカエル足に戻します。
股関節から脚を外旋させたまま、内ももの力を使って左膝を伸ばしましょう。
左膝を外に開くように曲げて、カエル足に戻します。
開いた膝を閉じて、両脚をそろえます。
両膝を真っすぐ伸ばします。
1~13の動きを、ゆっくりと流れるように10セット行いましょう。
慣れてきたら、胸の前でバレエのアームス(両腕で円を描くような形)を作ったまま、脚を動かしてみましょう。二の腕の引き締め効果もプラスされます。
脚を上げるのがキツイ人は、お尻の下に折りたたんだタオルやクッションを敷いて高さを出すと、脚を上げるのがラクになります。
動きをおさらいしてみよう!
「いかがでしたか? 流れるように美しく脚を動かせましたか? お腹の力が抜けてしまうと脚を上げづらかったり、動かすたびにぐらぐらしたりしてしまいます。
このエクササイズで大事なのは、お腹を床に沈める意識と、脚を動かすときには股関節を外旋する意識。このふたつを意識できれば、下半身のインナーマッスルを効率よく鍛えられます。
10セットがつらければ、3セットから始めて、少しずつ数を増やしていきましょう。続けていくことで、あなたの体は必ず変わります! 毎日、全身鏡でボディラインをチェックしながら、その体の変化を楽しんでくださいね」
【教えていただいた方】

一般社団法人床バレエ協会代表。パリでクラシックバレエやコンテンポラリーダンスを学んだ後、フランスをはじめヨーロッパのバレエ団で活躍。現在、指導者としてSNSやYouTubeで床バレエの情報を発信。著書『マネしたらやせた! 30秒だけ床バレエ』(講談社)も好評。
撮影/藤澤由加 ヘア&メイク/木村三喜 取材・文/山本美和