カビの大好物である甘いものを2~3週間やめてみる!
腸内環境をよい状態に保つためには、腸内細菌の善玉菌と悪玉菌のバランスをとることに加え、カビの増殖を抑えることが大切です。それを左右するのは毎日の食事です。特にカビの大好物には注意が必要です。
※お腹のカビの基礎知識については第1回参照
「カビの大好物…それは甘いものです。甘いものを常にとっているとカビが増えていきます。まさに餌を与えているようなもの。
代表的なのが砂糖を使ったスイーツや甘いジュース、炭酸飲料、アイスクリーム、飴などですが、天然素材である黒糖やてん菜糖、和三盆なども避けたいところです。
すでに腸の働きが弱っていて、お腹にカビがいると、甘いものをとると血糖値の乱高下が起き低血糖になります。するとさらに甘いものが欲しくなるという悪循環に陥ります。
どうしても甘いものが欲しくなったら、血糖値を上げにくい、天然甘味料であるステビアや羅漢果、砂糖を使っていない生のはちみつを上手に使うといいでしょう。ただし、人工甘味料であるアスパルテームは糖尿病のリスクを上げるので避けてください。
甘いものだけでなく、パンやうどん、パスタなどの小麦を使った炭水化物もカビの好物です。小麦製品は消化されにくいグルテンを含み、腸の炎症を起こすのに加え、砂糖と同様に中毒性が懸念されます。
炭水化物のなかでも、米やそば、いもなどが比較的安全です。この場合も、炭水化物だけ単独で食べるのではなく、タンパク質や野菜と一緒に、ゆっくりとよく噛んで食べることが大切です」(内山葉子先生)
では、もう甘いものやパン、パスタは一生食べられないのでしょうか?それともカビを撃退できれば食べてもいい?
「よく皆さん誤解してしまうのですが、カビを撃退してゼロにする必要はありません。異常な増殖を抑えて、上手に付き合っていくことが大切なのです。
甘いものについても、漢方の陰陽五行の考えでも、甘味は胃を保護するなど、健康を維持するためには必要です。こちらもゼロにする必要はありません。
なんらかの不調があって、それをなんとかしたいと考えているのであれば、まずは甘いジュース、砂糖を使ったスイーツや飴、ドライフルーツも含めて甘いものを徹底的に2~3週間やめてみてください。小麦製品の炭水化物はできるだけ減らすようにします。米やそばなどの炭水化物はOKです。
すでにカビが増えている人は、カビが死ぬときに毒素を大量に出すことがあり、これはダイオフ現象といって、体調不良を起こすことがあります。ダイオフ現象を避けるためにも、むしろ米やそばなどの炭水化物はとっていたほうがいいと思います。
こうした食事をしばらく続けて、これにより体調がよい方向に変わったら、体調不良の原因はカビで、そのカビが減少したと考えられます。そのあとは、栄養バランスのよい食事を心がけ、体調を見つつ時々はスイーツを解禁します。この食事をさらに2~3カ月続けてみます」
食品添加物もできる限り避けて!
「また、化学調味料や発色剤、着色料といった食品添加物、遺伝子組み換え食品なども、腸内細菌を減らし、カビを増殖させる要因になるので避けたいところ。
遺伝子組み換え食品は大豆、とうもろこし、じゃがいも、菜種、綿実(めんじつ)、アルファルファ、てん菜、パパイヤ、からしなの9つの作物、およびこれらの加工品の33品目には表示義務があるので、「遺伝子組換えでない」という表示を確認して購入を。それ以外には表示義務はないので、産地を確認したり、オーガニックのものを選ぶのがベター。
添加物などについては、最低でもインスタント食品や加工肉(ウインナー、ハム、ベーコン)は避けてください。外食やテイクアウトの惣菜など、こうした確認ができない食事はできる限り避けるのが無難です。
米食を中心に、良質なタンパク質と新鮮な野菜を中心にした食事を続けていると、スイーツはこのくらいは食べても問題ない、これ以上だと体調をくずすといったバランスがわかってくると思います。
こうやって上手にカビをコントロールしながら付き合っていくことが大切です」
【教えていただいた方】

「葉子クリニック」院長。関西医科大学卒業。大学病院・総合病院を経て、福岡県北九州市で「葉子クリニック」を開設。総合内科専門医、腎臓内科専門医。本当の健康とは「心」「体」「スピリット」が整った状態と考え、西洋医学だけでなく、東洋医学、自然療法、民間療法も取り入れてホリスティックに治療を行う。著書に『おなかのカビが病気の原因だった』(ユサブル)、『パンと牛乳は今すぐやめなさい!』(マキノ出版)、『デジタル毒』(ユサブル)など多数。
イラスト/内藤しなこ 取材・文/山村浩子