頑固な便秘に長年煩わされてきた読者二人が、慶應義塾大学病院の便秘外来を受診。
今回は、便秘とは40年のつき合いだという読者の実行したこと、改善結果をご紹介します。
痩せ体型&運動不足で便秘とは
40年の長~いおつき合い!(K・Mさん・53歳)
■悩み■
「2~3日排便がないのは当たり前。出たとしても硬いコロコロ便で、つねに残便感があります。昔から体を動かすのが得意ではなく、運動習慣なし。夕飯に晩酌は欠かさず、お米はあまり食べません。そんなことも便秘を招いている原因でしょうか?」(K・Mさん)
◆診断◆
「レントゲン画像を見ると、腸が骨盤のほうに下がっている”落下腸”で、それが便秘の大きな原因になっているようです。画像左上(肛門から遠い部分)にまで便がたまっているのがわかりますね」(慶應義塾大学 消化器内科 正岡建洋先生)
レントゲン結果を発表
グリーンのラインが腸の位置。あお向けになっていると画面右上まであります(上写真)が、
立つと右下に落ちています(下写真)。ここまでの差があると、排便にも影響が。
画面中央左にもわっと見えるのがコロコロ便。画面で黒く見えるのはガスです
画面中央左のもわっとしたものがなくなり、中央右とともに(いずれも赤丸の部分)、
黒く見えるガスが出現しています。これは便秘が改善して、腸に空間ができたことを意味します。実際に「今までに経験したことのない爽快感」というほどの改善が!
歩く生活と便秘薬のおかげで
数十年ぶりのすっきり感!
「子どもの頃から悩まされてきた筋金入りの便秘症。1週間出ないこともザラでした。最近はそこまでではないものの2~3日出ないのは普通で、出ても残便感があります」とK・Mさん。
今回の受診でレントゲン写真を確認すると、「落下腸」であることが判明。スリムな体型と運動不足による筋力低下が、便秘の原因と考えられました。そこで、軽い運動を取り入れることを中心に、便秘の新薬の服用を実施。
「昔から体を動かすのが苦手でしたが、この1カ月はできるだけ歩くように心がけました。薬も適量を飲むといい感じに効いて、今までにない量の排便が。そのすっきり感に感激しています」
【実行したこと】
●薬の服用
●水溶性食物繊維の食材の摂取
「K・Mさんの場合、落下腸に加えて運動不足も要因のひとつなので、歩くなどの軽い運動を習慣にしたのは効果的でした。今後も運動を欠かさずに。薬は減らして、つらいときだけにしてみてください」(正岡先生)
薬は2018年に発売された「モビコール配合内用剤」。腸管内の水分量を増加させることで便を軟らかくして排便を促します。朝夜の2回、排便の様子で各1~3袋を水に溶かして服用。
お茶やジュースなどでも溶かせます
水溶性と不溶性の食物繊維のバランス、発酵食に注目。お米などの炭水化物は控えめに。 この日のメニューは、豚とあさりとキャベツの蒸しもの、たまごとわかめの炒めもの、
キムチ納豆、ごぼうとニラの味噌汁、干し芋ご飯、 甘酒
次回は、仕事柄便意を我慢しがちで慢性的な便秘になった読者の受診結果をご紹介します。