健康法の定番になりつつあるビフィズス菌と乳酸菌の摂取。近年、菌株ごとのさまざまな機能もわかってきたことから、目的に合った菌株を選んでとる時代に。東北大学名誉教授・齋藤忠夫先生に伺いました。
お話を伺ったのは
齋藤忠夫さん
Tadao Saito
東北大学名誉教授。農学博士。乳酸菌研究および機能性ヨーグルト研究の第一人者。専門は、食品科学・応用微生物学。メディア出演も多数
認知機能維持やストレス緩和など、新機能が判明
まず、改めて知っておきたいのが、2大善玉菌であるビフィズス菌と乳酸菌の重要性。
「日本人女性の死因の1位は大腸がんですが、大腸がんが最も多く発生する部位であるS状結腸から直腸にかけては、便秘が発生する部分と重なっています。ですから便秘をしないことはとても重要で、便通改善に役立つビフィズス菌や乳酸菌を取り入れることが大事なのです」
そして、最近わかってきた効果にも注目が集まっています。
「近年、“腸脳相関”という言葉が話題になっていますが、森永乳業のビフィズス菌MCC1274という菌株には、加齢に伴って低下する認知機能を維持する働きがあることがわかりました。
また、乳酸菌 シロタ株を1本に1000億個含む『ヤクルト1000』には、ストレスをやわらげたり、睡眠の質を高める効果が報告されているなど、新たにわかってきた機能も多数。
乳酸菌やビフィズス菌は免疫機能の活性化にも役立つので、コロナ禍の今だからこそ積極的にとるといいですね」
イラスト/沼田光太郎 取材・原文/和田美穂