体温の変動と睡眠には密接な関係があるといわれています。国際医療福祉大学医学部心療内科学主任教授の岡孝和先生に詳しく伺いました。
体温の変動と睡眠は、おおいに関連しています
「睡眠時の体温は通常、若い人では明け方4~6時頃が最も低くなり、それから上がりはじめます。しかし高齢になると、2~3時頃から上がりはじめる傾向があり、そのため朝早く目覚めてしまうのです。
また、睡眠が深いほど体温が大きく低下します。このとき体は手足の皮膚血管を開き、熱を逃がして体温を下げます。布団に入るときに手足が冷たいと、放熱がうまくいかず、体温が下がりにくいので、眠れなくなります」(岡 孝和先生)
若者と高齢者の体温リズム
高齢者は睡眠時の体温の低下が少なく、上がりはじめるタイミングが早いため、目が覚めるのも早くなる傾向に
睡眠が体温リズムに与える影響
Aschoff J,Circadian control of body temperature. J Tnerm Biol. 1983;8(1-2):143-147.より改変
まったく眠らないと低下はわずかですが、夜間に睡眠をしっかりとると体温は大きく下がります
お話を伺ったのは
岡 孝和さん
Takakazu Oka
国際医療福祉大学医学部心療内科学主任教授。産業医科大学医学部講師、九州大学大学院医学研究院心身医学分野准教授を経て、2017年より現職。’20年より国際医療福祉大学成田病院心療内科部長を兼任
構成・原文/山村浩子